新・
ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock
Presents-
バーン!もう死んだ
-Bang!
You’re Dead-
アルフレッド・ヒッチコック
※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ
い。
☆ → 〜お
じジャック〜〜お土産〜〜銃〜〜何
処?〜〜バーン!〜〜ゲーム〜〜店内〜〜駐車場〜〜実弾〜 ←
記号[☆:スタッフ・キャスト →:
始めに ←:終わりに]
(1980 年代)(米)(TV映画)-Bang! You’re Dead-
演出…ランダ・ヘインズ
制作…レビュー・スタジオ(米)
原作…マージェリー・ボスパー
脚本…ハロルド・スワントン/クリス
トファー・クロウ
ストーリーテラー…ア
ルフレッド・ヒッチコック
翻訳…鈴木導
Top
男の子たちが戦争ごっこをしている。
そ
れに加わりたくて仕方ない6才の少女アマンダが、男の子たちのような容姿をして見ている。
シ
リンダー(回転弾倉)が外れている玩具の銃を持ってリー
ダーの男の子ビリーに近づいてゆく。
ビ
リーの肩を軽く叩く。
『バーン!もう死んだ』
男の子ビリー…「何だ
よ」
ア
マンダ…「銃があれば 入れてくれるんで
しょ」
男
の子ビリー…「どうしたんだ ゴミ捨て場で
拾ったのかぁ」
ア
マンダ…「ねぇ お願いよ 私も入れて」
男
の子ビリー…「駄目だ」と
言い戦争ごっこを続けようとして木に登る。
ビ
リーを見上げながら、
ア
マンダ…「でも約束でしょ〜」
男
の子ビリー…「そんなの銃といえないよ
玩具だ」
ア
マンダ…「いい銃持って来たら 私も仲間に
入れてくれる」
男
の子ビリー…「入れてもいいけど ママ買っ
てくれないだろ」
こんな銃を持っていなきゃとばかりに銃の引き金(トリ
ガー)を引く。
“バン! バン! バン! バン!”
男
の子ビリー…「家に帰って 人形で遊びな
よ」と
言い銃を構えて得意げに引き金(トリガー)を引く。
“バン!”
そ
れを見てアマンダは泣き出しそうな顔になる。
ア
マンダ…「あんたなんか 大嫌いだわ」
肩
を竦め、
男
の子ビリー…「そうかよ」
“バン! バン!”と
銃を鳴らし遊ぶ。
手
に持っている壊れた銃を悲しそうに見て、向きを変え帰ってゆくアマンダ。
Top
〜おじジャック〜
除け者にされ、寂しそうに家に帰る途中も、
ア
マンダ…「バーン! バーン!
バーン! バーン!」と
声を出し撃つ構えをする。
そ
こに、海外赴任からおじジャックが戻って来る。
驚
いて見ているアマンダに気がついたジャックが、
お
じジャック…「アマンダ!」と
声を掛ける。
ジャッ
クに向かって、
ア
マンダ…「ジャックおじさん!」
お
じジャック…「勇ましいな」
ア
マンダ…「バーン!」と
ジャックを撃つポーズをする。
腹
を両手で押さえ、
お
じジャック…「おお〜」と
言い撃たれたポーズをするジャック。
ア
マンダの父…「こ〜ら おじさんを撃っちゃ
だめじゃないか
キスしてあげなさい」
ア
マンダに近づきながらジャック。
お
じジャック…「何をして 遊んでる」
ア
マンダもジャックの方へ近づいて来る。
ア
マンダの容姿を見て、
お
じジャック…「う〜ん カウボーイか
どうした? ソレ」と
しょんぼりしているアマンダを抱き上げる。
ア
マンダ…「戦争ごっこに 入れてくれない
の」
お
じジャック…「誰が?」
ア
マンダ…「ビリーよ」
お
じジャック…「いいお土産があるから 元気
を出すんだ
アフリカで買って来た」
ア
マンダ…「見ていい」
お
じジャック…「ウッフフフ スーツケースの
中だ
開けたら直ぐあげるよ」と
言いアマンダを降ろす。
ア
マンダの父…「ママに知らせてきなさい」
ア
マンダ…「ハイ」
お
じジャック…「アッハハハ」
アフリカから無事に帰ったジャックに抱きつき喜ぶアマンダの母。
ア
マンダの母…「帰ってきたの」
お
じジャック…「死なずにすんだ」
ア
マンダの母と再会を喜び合う。
Top
〜
お土産〜
アマンダ…「ダダダダ
ダー バーン! バーン! バーン!
ダダダダダー バーン! バーン! バーン!
バーン! バーン!
バーン!」
2
階で戦争番組を観ながら壊れた玩具の銃で画面に向かって撃っているアマンダ。
画
面に釘付けになっている。
「バーン! ダダダダダー バーン! バーン!
ダダダダダー ダダダダダー」
そ
こに父親がジャックのスーツケースを持ってきてアマンダの直ぐ横に置く。
そ
のスーツケースを見ながら、
ア
マンダ…「ジャックおじさん お土産に何
買って来たのかしら?」と
言う。
ア
マンダの父…「直ぐ分かるから 楽しみにし
てるんだな
もうテレビはやめて 下へ降りてこないか
おじさんがお話したいと 言ってるぞ」と
言い下へ降りてゆく。
スーツケースの中に入れていると言っていたジャックの土産が気になってスーツケー
スを見ているアマンダ。
アマンダの両親に赴任していたアフリカの内乱の様子を話しているジャック。
銃
が手放せない状況なんだと。
土産が気になって仕様がないアマンダがジャックのスーツケースの中を覗く。
そ
こに、欲しかった銃(S&W M36:回転式拳銃、装弾数は5発)が入っていた。
驚くアマンダ。
『バーン!もう死んだ』
それが土産だと思ったアマンダは銃を取り出し眺め、マズル(銃
口)に指を差し込んで見たり、ハンマー(撃鉄)を指で引き起こしたり、シリンダー(回転弾倉)を開け回転させたりして遊ぶ。
そ
して、スーツケースの中から弾丸も取り出す。
箱
から弾丸を全部出し玩ぶ。
その弾丸を5連発の銃の環状に並らんだシリンダーに1発込める。
“カチッ!”
装填する。
満足そうな表情のアマンダは肩に掛けたバックに残りの弾丸を全部入れ下に降りてゆ
く。
ジャックが保身用に入れていた本物の銃を片手に持って。
Top
〜
銃〜
食器を洗っている母の後ろから、
ア
マンダ…「さあ 手をあげるんだ
撃つぞ」と
言い銃を突きつける。
食
器を洗いながら、
母…「駄目よアマンダ 遊んでられないの
外で遊んでらっしゃい」
引き金(トリガー)を
引きハンマー(撃鉄)が引き起こされ弾
かれる。
“カチッ!”
空砲がする。
母…「うん お願い」
何
時も遊んでいる壊れた玩具の銃だと思っている母親はアマンダの手元を見ないで、
「いい子でしょ」と
忙しく動き回る。
ア
マンダ…「分かった 行くよ」
ソ
ファーに座っているジャックの背後から、
ア
マンダ…「私 ジャックおじさん 大好き」と
言う。
お
じジャック…「おじさんも大好きだよ」と
振り向くがアマンダは移動して見えていない。
ア
マンダ…「こんな素敵なおじさんがいるの
私だけよ
ありがとう」と
礼を言う。
棚
の方を見ながら、
ア
マンダの父…「何処行くんだ」と
言う父に、
ア
マンダ…「遊んで来るの」
ア
マンダの父…「よ〜し」
銃
を持って出てゆくアマンダ。
Top
〜
何処?〜
嬉しそうに飛び跳ね男の子たちが戦争ごっこをしていたところへ行く。
だ
が、誰もいない。
ガッ
カリして男の子たちを捜しに行く。
そ
のアマンダに独り遊びをしている男の子スティービーが声を掛ける。
ス
ティービーにビリーたちが何処に行ったのか尋ねる。
スー
パーの方へ行ったと聞いたアマンダがスティービーに「戦争ごっこしない」かと誘うが「あんなの子供の遊びだよ」と断られる。
スティービーに向かって銃を構え引き金(トリガー)を引く。
『バーン!もう死んだ』
“カチッ!”
空砲がする。
ア
マンダ…「バーン!」と
声を上げるアマンダ。
2階にあがってきたジャックが銃がないのに気づく。
Top
〜
バーン!〜
アマンダ…「バーン!
バーン! バーン! バーン! バーン!」
スー
パーに向かっているアマンダが銃を構えて声を上げている。
アマンダが銃を持ち出したと知って、
母…「お宅の裏庭かなにかで 遊んでない
もう聞いたのよ マイクの家に行ってないわ
ピストルを持ち出した の 弾も一緒に
誰かを撃ったら 大変 なことになるわ」と
電話で尋ね回る母。
心
配して聞いている父とジャック。
Top
〜
ゲーム〜
スーパーの入口に置いてあるゲーム機の下に座り、弾丸を取り出し口元に持ってゆ
き口紅を付けるような仕草をする。
そ
して、その弾丸をシリンダーに込め回転させ仕舞う。
弾丸が2発込められている。
遊
び相手がいなくてつまらないアマンダが目の前のゲーム機で遊び始める。
ゲー
ムの画面に向かって、
ア
マンダ…「バーン! バーン! バーン!
バーン! バーン!…」
す
ると、同世代の女の子が父親にアマンダがしているゲームをしたいとせがむ。
わ
がまま娘を宥めることが出来ない父親が、断るアマンダにお金をつかませ無理やり追い出し自分の娘にゲームを
させる。
父
娘が横取りしたゲームで遊んでいるのを怒って見ていたアマンダが銃を取り出す。
銃
を構える。
女の子に焦点を定め狙う。
引き金(トリガー)を
引きシリンダーがジワリと回転する。
ハンマー(撃鉄)が
引き起こされ弾かれる。
“カチッ!”
ア
マンダ…「バーン!」
アマンダの声と共に空砲がする。
スティービーからアマンダの行き先を聞き出す母親たち。
アマンダがシリンダーを開けている。
シリンダーに2発込め回転させニタリとするアマンダ。
5連発に弾丸が4発込められたということだ。
男の店員が、
男
の店員…「ここは図書館じゃないんだからね
座り込んでちゃ困るよ
さあ 整理するんだから退いて
ほうら 邪魔だよ」と
言い雑誌を整理する。
ア
マンダ…「ピストル持ってんだから」と
男の店員に見せる。
玩
具だと思っている男の店員は、
男
の店員…「うおっ ハッハハハ
怖いな〜」と
笑いながらアマンダを見て言う。
Top
〜
店内〜
アマンダの母親がスーパーに駆けつけ店員たちにアマンダのことを尋ねようとするが、忙
しくて取り合ってもらえない。
自
分で捜そうと店内を走り回り必死に捜す母親。
アマンダが陳列棚の下に座ってシリンダーを開けている。
シ
リンダーに1発込める。
5
連発に弾丸が5発込められたということだ。
直
ぐ傍で女販売員が試食販売している。
銃
を持っているアマンダに気がついて、
女
販売員…「女同士ですもの 撃ちはしないで
しょ」と
にっこりしながら商品を試食させようとする。
銃は玩具だと思っている。
ア
マンダ…「関係ないわ」
女
販売員…「一つ食べない」
『バーン!もう死んだ』
女販売員から勧められたのを食べるアマンダ。
女
販売員…「美味しい?」
ア
マンダ…「うん」
女
販売員…「もっと?」
ア
マンダ…「もういい」
女
販売員…「ママに教えてあげて…」と
言いスナックの宣伝をする。
ア
マンダ…「買ってくれるように言うわ」
女
販売員…「じゃあね 命を助けてくれてあり
がとう」
ア
マンダ…「いいのよ」と
にっこりして再び店内を回る。
一
足違いで母親が来る。
先
ほどのアマンダの母親とは知らずに商品を宣伝する女販売員。
やっと、支店長に話す機会を得る母親。
再び、先程の父娘を見かけるアマンダ。
マイクで店内放送を頼む母親。
マ
イク置き場に急ぐ支店長と母親。
わがまま娘に狙いを定め銃を構えて引き金を引こうとするアマンダ。
そ
こに、ショッピングカーが通りかかりタイミングを失う。
ア
マンダ…「運のいい奴だ」と
指差しスーパーをあとにする。
そ
の時、店内放送がされる。
マイクで話している母親たちのところへ、女販売員が慌てて来てアマンダがいた場所へ連
れてゆく。
わ
がまま娘の父親も娘を抱えて、外、駐車場の方へ言ったと教える。
走っ
て外へでる母親たち。
怯
えて顔を見合わせる女販売員とわがまま娘の父親。
Top
〜
駐車場〜
外で捜していたアマンダの父親も一緒になって駐車場へ向かう。
“バ〜ン!”
母…「アマンダ ああ」
驚
いて立ち止まるが音がした方へ急ぐ。
外
を捜していたジャックが二人に、
お
じジャック…「今の聞いた」
ア
マンダの父…「そっちだ」と
言い走っていく。
“バ〜ン!”
立
ち止まる父親とジャック。
後
ろから走ってきた母親が怯えながら音がした方を見る。
“バ〜ン!”
店
の客…「キャ〜」
客
の車のマフラーが故障している音だった。
母…「ああ よかった
アマンダ」
アマンダは道路を歩きながら通りの人へ銃を向け、
ア
マンダ…「バーン! バーン! バーン!
バーン! バーン!」と
声を出す。
アマンダを捜すが見つけることが出来ないでいる母親たち。
母
親がある場所を思いつき、そちらへ皆で向かう。
男の子たちが戦争ごっこをしている。
嬉
しそうに見ているアマンダ。
Top
〜
実弾〜
リーダーのビリーを見つけ駆け寄るアマンダ。
ア
マンダ…「ビリー 見て」
銃
を見せ、
ア
マンダ…「今度は いいでしょ」
男
の子ビリー…「いい加減にしろよ アマンダ
しつこいぞ」
ア
マンダ…「何故よ 素敵なピストル持ってき
たのに」と
悲しそうに言う。
男
の子ビリー…「だから何だ 女は戦争しない
んだ」と
言い木の幹に沿って作っている小屋の方へ走っていく。
怒っ
て、
ア
マンダ…「ビリー!」と
呼び止める。
振
り向くビリー。
ア
マンダ…「いい銃を持って来たら
仲間に入れてくれるっ て 言ったじゃない」
男
の子ビリー…「帰れよ」
仲
間に休憩しようと言うビリー。
そんなビリーに腹を立て、銃を構えるアマンダ。
ア
マンダ…「止まれ! 動くな!〜」
男
の子ビリー…「泣くのは やめてくれよな」と
言い小屋へ入ろうとする。
ア
マンダ…「泣くもんですか 戦争ごっこに
入れてくれないんだったら
撃ち殺してやるから〜」
男
の子ビリー…「好きにしろよ」と
言い小屋へ入る。
『バーン!もう死んだ』
引き金(トリガー)を
引きシリンダーがジワリと回転する。
ア
マンダを見つけた母親が、
母…「アマンダ」と
言い駆けつける。
シリンダーが回転しハンマー(撃鉄)が引き起こされる。
母…「駄目〜 アマンダ」
『バーン!もう死んだ』
ハンマーが弾かれそうになっている。
“バ〜ン!”
実弾が発射される。
母親がアマンダの手を掴むと同時に。
ビ
リーの表情が歪む。
“ガシャン!”
小
屋のガラスが割れる。
小屋から吹き飛ばされるビリー。
『バーン!もう死んだ』
驚いてビリーを見ている父親とジャック。
凍りついたような表情で見ている母親。
ビリーが地面に叩きつけられ斜面を転がる。
地面にうつ伏せになっている。
固唾を呑んで見ている父親とジャック。
母親に抱かれて見ているアマンダ。
ビリーが起き上がる。
恐
怖で凍りついたような表情で、
男
の子ビリー…「弾が耳の傍を 通って行っ
た」と 言う。
ビリーを見ていたアマンダが、
ア
マンダ…「アッアアア〜ン…」
泣き出す。
『バーン!もう死んだ』
手に持った銃を捨て帰ってゆくビリー。
他の男の子たちも戦争ごっこをやめ帰ってゆく。
ジャッ
クが落ちている銃を拾らいに行く。
ジャッ
クに拾ろわれた銃がアップになる。
不気味な光沢を見せている。
『バーン!もう死んだ』
Top
銃社会に起りえる恐怖が描かれているのでリアルで
ある。
6才の女の子が本物の銃のシリンダーに弾丸を込め回転させ遊ぶシーンや、弾丸を口紅のように使うシーンなど
怖いものだ。
知らないで危険なものを使っている。いや、傍にある。
銃に限らず、このようなことは私たちの身の回りにも沢山あるから、より恐怖が増す。
知
らぬことが一番怖いのだと映像が語っている。
また、引き金を引くごとにアップされるシリンダーの回転の映像は見事だ。
“ハ
ラハラ ドキドキ”させるサスペンスの醍醐味である。
更新2007.8.8
Top
ヒッチコックがデザインしたという似顔絵
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参考文献
ヒッ
チコック劇場
新・
ヒッチコック劇場
ア
ルフレッド・ヒッチコック
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き
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