新・
ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock
Presents-
午後4時の地下室
-Four
O'Clock-
アルフレッド・ヒッチコック
※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ
い。
☆ → ←
記号[☆:スタッフ・キャスト →:
始めに ←:終わりに]
(1980年代)(米)(TV映画)-Four
O'Clock-
演出…アンドリュー・ミリッシュ
制作…レビュー・スタジオ(米)
原作…コーネル・ウールリッチ
脚本…スティーブ・ベイヨー
ストーリーテラー…ア
ルフレッド・ヒッチコック
声…熊倉一雄(ア
ルフレッド・ヒッチコック)
翻訳…鈴木導
妻の浮気を疑って調べさせていた判事が、若
い男と抱き合っている妻の写真を見て激しく嫉妬する。
二
人の次の密会時間をつきとめた。
午後4時に自宅でと。
公判中に見た時計を使う発火装置を作り、二人を抹殺しようと企てる。
何
時ものように賄賂を受け取り、計画を実行するために早々に裁判を打ち切り自宅へと向かう判事。
二人が密会する午後4時に爆 発するように設定し、にんまりとする判事。
『午後4時の地下室』
準備は整った。
“後は二人が来るのを高みの見物といくか”と思っているところに、空き巣犯に遭遇して頭を殴られて地下室に閉じ込め
られてしまう。
さあ!ここからがサスペンスの見せ場だ。
気
を失っていた判事が目を覚ます。
何と目の前のテーブルに自分が作った時限爆弾がある。
戦慄が走る。
判
事…“ああ〜っ 逃げなくては”
体が動かない。
手
足を縛られ猿轡をされ椅子ごと柱に括り付けられている。
時
計を見る。
判
事…“3時37分だ
急いで逃げなくては”と慌て
る。
が、
縛られて身動きが取れない。
判
事…“3時39分”
必
死に縄を解こうとするが解けない。
判
事…“3時42分”
刻々
と時間が刻まれてゆく。
焦
る。
縛
られた足を動かしロープを解こうとするがダメだ。
ロー
プが椅子の角で僅かに擦れてくる。
上で軋む音がする。
上
を見上げる。
声
が聞こえる。
判
事…“妻だ”
男
の声も。
判
事…“やっぱり”
憎
しみが増す。
だ
が、どうすることもできない。
『午後4時の地下室』
金属音がして耳を傾ける。
鼠
が鳴き声をあげながらチョロチョロ動き回っている。
鼠
の方を見る。
判
事の足元に来る。
判
事…“寄るな”
怯
える。
判
事…“早く逃げなくては”
また、上から二人の話し声が聞こえてくる。
ま
た、時計に目をやる。
判
事…“3時45分
後 15分で爆発する”
脚
を前後に激しく動かす。
ロー
プが切れそうになる。
も
う少しだと思っていると鼠の鳴き声が目の前でする。
判
事…“なんだ 何する気だ”
鼠
が時限爆弾の導火線をかじり始める。
判
事…“おい やめてくれ!
ああ〜 やめてくれ!”
『午後4時の地下室』
『午後4時の地下室』
上では、強盗が入ったことに気付き、警察に電話をする妻。
男
が、
男…「地下室も見てこようか」
妻…「必要ないわ どうせろくな物は置いてないの
ガラクタばかり」
こ
の声も地下の判事に聞こえている。
判
事…“何とも情けない 俺はガラクタか”
猿
轡されたまま、
判
事…「ウッウウ〜」
苛
立ちは増す。
鼠に目を移すとかじり続けている。
今
にも導火線が接触して爆発しそうだ。
判
事…「ウウウ〜」
恐
怖に目が血走ってくる。
な
おもかじり続ける鼠。
判
事…「ウッ ウッ」
上
を見て、
判
事…“助けてくれ〜”と救い
を求める。
上では妻が男に、
妻…「こっちに帰ってくるかも知れないわ
あなたは出掛けて頂戴」と言っ
ている。
判
事…“ああ〜行かないでくれ!”と上を
見上げる判事。
鼠
に目を移し恐怖に慄く。
判
事…“切れる〜”
外
で番犬が吠えるのが聞こえかじるのを止める鼠。
判
事…“よかった
でも 早くロープを解かなくては”
顔
を真っ赤にして力を込めて解こうとする判事。
椅
子の脚との摩擦でロープが切れそうだが、中々切れない。
上
で妻の話し声が聞こえる。
ドアが閉まる音がする。
危
害を加えたい二人は屋敷を離れて行っている。
判
事…“ああ 何てことだ”と顔が
歪む。
判
事…「ウウウ〜」
時
計に目をやる。
判
事…“3時50分だ
ああ〜 どうしよう”
必
死で解こうともがく判事。
切
れそうなロープがアップになる。
外でガスのメータの場所を聞いている声がする。
上
の小窓に目を向ける判事。
庭
師には言葉が通じず、ガスのメータを自分で捜そうとする調査員。
足
元の小窓の方にあるのを見つけ覗き込もうとする。
判
事からその様子が見え、
判
事…“見つけてくれ!”と声を
上げようとする。
判
事…「ウッウウ〜」
調
査員が小窓の方にあるガスのメータに顔を近づけて見ようとする。
判
事…「ウウウ〜」
調
査員が数字をメモしようとしていると、番犬が跳びかかり慌てて逃げる。
番
犬の吠える方を見ながら、
判
事…「ウッウウウ〜」
“ああ これもだめか”
時
計に目をやる。
判
事…“3時55分だ
後 5分”
猿
轡は益々、口に食い込んできている。
時限爆弾が映る。
判
事…「ウッ ウウ〜」
必
死で解こうともがく判事。
今
にも切れそうなロープがアップになる。
汗
びっしょりになっている判事。
判
事…「ウ ウウ」
ロー
プは切れない。
判
事…「ウッウウウ〜」
時
計に目をやる。
判
事…“3時56分
後 4分だ”
上では二人の警察官が空き巣にやられた被害状況をチェックしている。
お
茶を出している妻が夫の居所について、
妻…「裁判所でもどこに行ったのか 知らないんです
あの ピザも召し上がりません
時間掛かりませんわ」
警
察官A…「いいですね」
警
察官B…「お願いします」
妻…「じゃあ」
上を見ていた判事が時計に目をやる。
判
事…“3時58分”
「ウ」
一
人の警察官が地下室のドアを開ける。
そ
れを見て、
判
事…「ウッウウウ〜 ウウ〜」
だ
が、同僚に話しかけられ開けたドアを閉め、もう一人の警察官の方へ行く。
二
人で仲間内の話をして笑っている。
悲
壮感を漂わせて、声のする方を見上げている判事。
時
計に目をやる。
判
事…“3時59分30秒”
時
計を見ている。
判
事…“後22秒”
時
計がアップになる。
妻…「今 直ぐ出来ますから」と妻の
声が聞こえる。
が、
判事の目は時計にだけ注がれている。
判
事…“ああ〜後20秒を切った”
妻
がレンジの前にいる。
恐怖で凍りついたようになっている判事の顔がアップになる。
判
事…“後15秒”
妻
がレンジにピザを入れる。
判
事…「ウッウ」
妻
がレンジのスイッチに手を伸ばし設定しているのがアップになる。
判
事…“後10秒”
妻
がレンジの次の設定をしているのがアップになる。
判
事…“後7秒”
恐
怖の判事がアップになる。
判
事…“後5秒”
余
りの恐怖に目を閉じる判事がアップになる。
判
事…“後1秒”
妻がレンジのスイッチを入れる。
怯える判事のアップ。
その瞬間、電気がショートする。
判
事の脳の神経もプツリと切れる。
真っ暗の中、懐中電灯を点けブレーカーがある地下室に警察官と共に降りてくる妻。
判
事…「ウッウウウ〜 ウウ〜」
判
事に気が付く。
だが、判事の頭はすでに自爆していた。
3時59分59秒で止まってい
る時計の針のように、脳の神経も停止してしまったのだ。
判
事…「アア〜アア〜ア〜ア〜」
『午後4時の地下室』
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判事が浮気していると思っていた男は、妻の弟だっ
た。
結局、妻の浮気を疑い激しい嫉妬にかられた彼は、一人相撲を取って自爆した。
こ
れまで賄賂を重ねて不当な判決を下していた彼に、正義の判決が下されたのだ。
“一方的な判断はするべからず”と。
サスペンスの醍醐味をたっぷり味わえて面白い作品だった。
時を刻む針の演出、音楽と判事役に拍手だ。
更新2007.5.29
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ヒッチコックがデザインしたという似顔絵
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参考文献
ヒッ
チコック劇場
新・
ヒッチコック劇場
ア
ルフレッド・ヒッチコック
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映画あり
き
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