新・
ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock
Presents-
連続殺人鬼クリーパー
-The
Creeper-
アルフレッド・ヒッチコック
※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ
い。
☆ → 〜留守番電話〜〜キャロル〜〜鍵〜〜錠前屋〜〜クリーパー〜〜仁王立ち〜 ←
記号[☆:スタッフ・キャスト →:
始めに ←:終わりに]
(1980年代)(米)(TV映画)-The
Creeper-
演出…クリストファー・クロウ
制作…レビュー・スタジオ(米)
原作…ジェームズ・カバナー/ジョセ
フ・ラスコール
脚本…スティーブン・ベイヨー/ス
ティーブン・クローニッシュ
ストーリーテラー…ア
ルフレッド・ヒッチコック
翻訳…鈴木導
ジャッキー・フォスターが通り過ぎた道端に“連
続殺人 6人目の犠牲者”と載っている新聞が捨てられている。
ジャッ
キーが乗っているバスでも、“今日クリーパーの犯行とみられる6人目の犠牲者がでて 被害者は
アパートに住む24才のOL アパートの管理人によって発見され これまでの犯行と同じにドアを抉
じ開けた跡がないので被害者と顔見知りではないかと思われる それにクリーパーに狙われるのは20
代から30代前半の小柄な女性に限られている”と言う内容のニュースが流れてい
る。
ク
リーパーに狙われるタイプに該当しているジャッキーは連続殺人鬼に怯えながらバスから降りて帰っている。
そ
んなジャッキーに後ろから足音が聞こえてくる。
怖
くなったジャッキーは小走りに逃げる。
す
ると後を追う男が走って追い駆けてくる。
走っ
て逃げアパートのドアの鍵を慌てて開けようとするジャッキーの直ぐ後ろに男が来る。
ジャッ
キー…「ああっ」
怯
えて男を見るジャッキー。
『連続殺人鬼クリーパー』
男…「バスに忘れたで
しょ」と、
男が忘れ物を差し出す。
ジャッ
キー…「ええ ありがとう」と、
礼を言うのもやっとの状態で帰り着く。
親
切な男も見た目でクリーパーに思えてしまっていた訳だ。
Top
〜留守番電話〜
ジャッキーは留守中の鍵をキャロルに預け、ローマに行く予定だったが変更になり帰って
来たところだった。
留
守番電話を聞くと同じアパートに住むジェリーから旅行先はどうかと言う内容と、リッキーから“電話しろと言ったのに どうして掛けてこない 俺を泥沼に突き
落としただけじゃまだ足りずに 今度は水の中に沈めよって訳か それでも人間か 今日は電話してく
れよ”と入ってい
た。
“どうしたものか”と考え込むジャッキー。
シャワーを浴び髪を拭いているとドアが開く音がする。
“誰だろう? クリーパー?”と思ったジャッキーは怖くなって、手元にある置物を片手に聞き耳を立てて
隠れる。
人
影が大きくなる。
ジャッ
キーが飛び掛かろうとすると、
キャ
ロル…「キャーァ」
キャ
ロルが悲鳴を上げる。
ジャッ
キー…「ああ〜 キャロル」
キャ
ロル…「びっくりさせないでよ」
ジャッ
キー…「あ〜 キャロル」
ホッ
とするジャッキー。
旅
行の予定が変更になり帰って来たことをキャロルに説明し、出発は明後日の朝になったと話す。
旅
行の間の植木の水遣りを再度頼み直す。
Top
〜キャロル〜
キャロルに部屋に来ないかと誘われ行くジャッキー。
ジャッ
キー…「部屋代値上げの通知 受け取っ
た?」
キャ
ロル…「ええ 来たわ
でも簡単には 認めないつもりよ
何を頼んでも 遣ってくれないじゃない
窓だってそうよ」
ジャッ
キー…「サービスは最低ね」
キャ
ロル…「そう」
ジャッ
キー…「悪いの どれ〜」
キャ
ロル…「その窓」
ジャッ
キー…「これ?」
キャ
ロル…「そう」
閉
まらない窓をなんとか閉めようとしているジャッキー。
キャ
ロル…「クリーパーが9人目を殺したって
言うし 窓が開けっ放しじゃ
おちおち寝てもいられないわ」
窓
を叩き閉めようとするジャッキー。
“ガチャ”
閉
まる。
嬉
しそうにキャロルを見るジャッキー。
キャ
ロル…「まあ! ありがとう」
ジャッ
キー…「椅子を持ってきて 鍵を掛け て」
キャ
ロル…「そうね そうするわ」
頷
くジャッキー。
キャ
ロル…「どうもありがとう」
ジャッ
キー…「いいの
私がローマから帰って来るまでに 捕まってるといいけど」
キャ
ロル…「ええ ほんとよ
これ以上被害者が出たら お母さんの家に帰ろうと思うの」
ジャッ
キー…「1週間で帰って来る予定だから
気を付けて〜」
キャ
ロル…「ありがとう」
ジャッ
キー…「ああ そう
鍵 ここに置くわ」
入
り口の所に鍵を置くジャッキー。
キャ
ロル…「ああ 植木は任しといて」
ジャッ
キー…「それじゃ よろしくね
おやすみ」
キャ
ロル…「バァ〜イ」
Top
〜鍵〜
翌日、オフィスにキャロルが殺されたと電話が掛かってきて驚くジャッキー。
慌
ててアパートに戻ろうとするジャッキーに、路上で質の悪い男が付き纏う。
急
いでタクシーに乗り行く先を告げると、車の後ろで質の悪い男が行く先を覚えたと声を荒げる。
不
気味に思いながら、質の悪い男を振り返るジャッキー。
『連続殺人鬼クリーパー』
殺されているキャロルが映し出される。
警
官…「綺麗な女なのに もったいない話だ」
警
部…「鍵は中から開けてあった やはり顔見
知りだな」
警
官…「また所長に早く星を挙げろって ケツ
を叩かれるぜ」
殺
されたキャロルを悲しそうに見ているジャッキー。
警
部…「俺たちも遊んでいる訳じゃないさ」
昨
日、入り口の所に置いていった鍵がないのに気付き怯えるジャッキー。
警
部にキャロルを殺したのもクリーパーなのか尋ねるジャッキー。
警
部…「はっきり断言は出来ませんが そうで
しょ
手口から見て」
ジャッ
キー…「留守にするんで 部屋の鍵を預 けて
入り口の所に 置いていたのが
今見たら ないんです」
警
部を呼ぶ声がする。
警
部…「錠を替えた方がいいですね」と
言い立ち去る。
Top
〜錠前屋〜
ジャッキーがパスポートの準備をしているとドアをノックする音がする。
ジャッ
キー…「どなた?」
錠
前屋…「錠前屋です」
チェー
ンロックしたままで開ける。
錠
前屋…「やあ」
親
しみ易く挨拶する錠前屋。
ジャッ
キー…「身分証明書は」
錠
前屋…「そんなものはありませんよ
イズモンドです 錠前屋の」
“どうしようか”と躊躇するジャッキー。
錠
前屋…「電話くれたでしょ」
ジャッ
キー…「ええ」
『連続殺人鬼クリーパー』
「どうぞ」
錠
前屋…「どうも」
チェー
ンロックを外しドアを開ける。
ジャッ
キー…「ああ 来てくれてホッとした わ」
錠
前屋…「ええ
やぁ〜」
シャ
ツのポケットのメモを見て、
錠
前屋…「お宅は錠前の交換?」
ジャッ
キー…「ええ そう
二つ」
錠
前屋…「このドア?」
ジャッ
キー…「ええ」
ド
アの錠前を見ながら、
錠
前屋…「ああ」と
言う錠前屋。
ジャッ
キー…「鍵を無くしちゃって」
錠
前屋…「なるほど
ああ これなら精々5分もあ
れば終わりますね」
電
話が鳴る。
留
守番電話のスイッチが入る。
“これ留守番電話 用があったらどうぞ”
受
話器を取るジャッキー。
“何で電話しなかった 俺がどんなに苦しんでるのか 分かってるはずだ どう
なろうと知ったことじゃないって言うのか そこで聞いてるんだろ 分かってるぞ じゃそっちへ行く
から待ってろ”
ま
た、リッキーからだ。
受
話器を怖々と置くジャッキー。
作業をしながら話を聞いている錠前屋。
受
話器を見ながら、
ジャッ
キー…「ああ」と
大きく溜息をつくジャッキー。
錠
前屋…「このままじゃ新しい錠は 合いませ
んね」
錠
前屋の方を見るジャッキー。
錠
前屋…「ドアを削らないと」
ジャッ
キー…「どういうこと?」
錠
前屋…「明日になるっていうことです」
ジャッ
キー…「駄目よ 明日の朝 ローマに発
つの」
錠
前屋…「ローマか いい身分ですね」
ジャッ
キー…「今日中には 交換出来ないって 訳」
無
理だと言う錠前屋。
ジャッ
キー…「あ あ ほんと」と
ガッカリしているジャッキー。
そ
れを見て、
錠
前屋…「分かりました 出発は?」と
言う錠前屋。
ジャッ
キー…「10時には ここを出なくちゃ
ならないの」
錠
前屋…「そいじゃ 8時半に来ることにしま
しょ
いいですね…」
“バ〜ン”
行
き成りドアを開けて、リッキーが入ってくる。
ジャッ
キー…「アッ」
驚
く錠前屋とジャッキー。
ジャッ
キーを指差しながら、
リッ
キー…「ジャッキー 下で見てて
ここにいるのは 知ってたんだぞ」と
言い錠前屋に気が付く。
「貴様 誰だ!」
錠
前屋…「錠前屋ですよ」
リッ
キー…「用はない 帰ってくれ!
早く!」
錠
前屋…「ねぇ 大丈夫ですか?」と
ジャッキーを見る錠前屋。
ジャッ
キー…「ああ あ〜」
判
断しかねているジャッキー。
錠
前屋へ向かって、
リッ
キー…「出てけ!〜」と
言うリッキー。
錠
前屋…「何ですか 偉そうに」と
言いながら錠前屋が部屋を出る。
ド
アを閉めるリッキー。
“バタン”
ジャッ
キー…「何しに来たのよ」
リッ
キー…「待ってるのは 知ってるんだから
電話ぐらい掛けてよこしても いいじゃないか」
ジャッ
キー…「何故 私が掛けるのよ」
リッ
キー…「俺が下まで来て 電話してたとは
知らなかったろ
居留守を使って 逃げ回ってりゃ
その打ち諦めると思ったのか
ハッ」
大
きく息を吐くリッキー。
ジャッ
キー…「ねぇ 中に入っていいとは言っ
てないのよ」
リッ
キー…「お前にふられてから やることな
すこと可笑しくなってしまった
ハッ
会社はあっさり首になるし リンダにはアパートから追い出されるし」
ジャッ
キー…「ふったって言うけど 一度しか
会ってないのよ」
リッ
キー…「一度でいいんだよ 一度会えば分
かる」
ジャッ
キーに近寄り、
「コンサートの帰りに 俺が言ったこと
忘れたのか」と
言いジャッキーの頬に指で触れるリッキー。
顔
を背けるジャッキー。
ジャッ
キーから離れ、
リッ
キー…「フッ
この上の部屋に住んでた女 可哀相なことしたな」
ジャッ
キー…「何故 それを知ってるの?」
リッ
キー…「テレビで見た
錠前を取り替えるのは勝手だが 殺す方がほんとにその気になれば
そんなもん何にも役に立ちはしないよ」
ジャッ
キー…「出てってよ
“出てって”て言って るのよ!」
電
話を掛けようと受話器を取るジャッキー。
そ
れを取り上げ元に戻し、放り捨てるリッキー。
ジャッ
キー…「アッ!」
驚
くジャッキー。
電
話器の傍に落とした銃を拾い、マズル(銃口)に指を差し込
んで撃つ構えをしたりしているリッキー。
そ
れを見て怯えるジャッキー。
上
着のポケットに銃をしまうリッキー。
リッ
キー…「物騒な世の中だな」
リッ
キーを刺激させないように注意しながら、
ジャッ
キー…「ええ そうよ」と
小声で言うジャッキー。
ド
アの方に向かい、振り向き、
リッ
キー…「これで諦めたと思うなよ また来
るからな」と
寂しそうに言いドアを開けるリッキー。
ア
パートの他の部屋の住人がすれ違いに部屋へ入り、
住
人…「ジャッキー」
出
て行こうとしているリッキーを見ながら、
「何があったの」と
ジャッキーに聞く。
リッ
キー…「心配すんなって 何にもありゃし
ねぇよ」と
言いながら部屋を出ていくリッキー。
ド
アの前に立って見ている住人を部屋へ引き入れるジャッキー。
住
人…「どうしたの」
慌
ててドアを閉め鍵を掛けるジャッキー。
“バタン”
住
人…「あの人 誰〜
ねぇ」
気
持ちを落ち着かせながら、
ジャッ
キー…「ああ〜 いいのよ
ちょっと知ってる人」と
言うジャッキー。
心
配そうに覗き込む他の部屋の住人。
住
人…「ほんと 大丈夫」
ジャッ
キー…「ええ 大丈夫よ」
住
人…「さあ座って」と
ジャッキーを心配する。
Top
〜クリーパー〜
ジャッキーがローマ行きを早めようと空席状況を問い合わせるが空きがなかった。
当
初の予定の明日の11時5分発で行くしかないと、時計を見ると11時8分だ。
ジャッ
キー…「後12時間だわ」
柄の悪い男に付き纏われ、助けを求めた精肉屋では豚の生首に包丁を振り下ろす店員、そ
れにリッキーが現れる悪夢に魘され、
ジャッ
キー…「キャー
あ あっ」
悲
鳴を上げ飛び起きるジャッキー。
汗
びっしょりになり、荒い息遣いで周りを見回す。
時
計を見ると8時40分だ。
2
階の寝室から降りてくるとドアがノックされている。
ジャッ
キー…「待って」
ド
アに耳を傾け、
「誰なの?」と
言うジャッキー。
錠
前屋…「私ですよ 錠前屋の」
ジャッ
キー…「ああ」
ド
アを開けてやるジャッキー。
に
こやかに、
ジャッ
キー…「お早う」と
ジャッキー。
錠
前屋…「やぁ 8時半です」と
言いながら中に入ってくる。
ジャッ
キー…「ええ 寝過ごしちゃったの」
錠
前屋…「あ あ〜」
ジャッ
キー…「私 荷造りがあるんで」
錠
前屋…「どうぞ」
ジャッ
キーが急いで2階へ上がろうとすると電話が掛かる。
留
守番電話のスイッチが入る。
“これ留守番電話 用があったらどうぞ”
“ジャッキー聞いてくれ”
受
話器を取るジャッキー。
リッ
キー…「例のクリーパーだけど」
ジャッ
キー…「リッキー あなたの相手してい
る暇ないの 電話しないで」
リッ
キー…「いいから聞けよ」
錠
前屋が電話の方に耳を傾けジャッキーを見ている。
『連続殺人鬼クリーパー』
リッキー…「犯人は修
理屋らしいってことも 分かったんだ
だから被害者は皆自分 でドアを開けて 中に入れてる」
ジャッ
キー…「ねぇ 聞いてないの」
リッ
キー…「中に入れるな!」
受話器を離し、“どういうこと?”と思っているジャッキー。
後ろから行き成りロープでジャッキーの首を絞める錠前屋がアップになる。
ジャッ
キー…「あ あっ あっ あっ…」と
苦しそうに倒れこむジャッキー。
クリーパーは錠前屋だったのだ。
クリーパーに殺害されたジャッキーの死体が横たわっている。
Top
〜仁王立ち〜
車に乗り無線から修理の依頼先へ指示が次々に出されているのを聞いているクリーパー。
次
は何に成り済ましていこうかと、狙いを定め車を発信させる。
そ
こへ、愛するジャッキーを殺されたリッキーが銃を構えて仁王立ちになる。
驚
いたクリーパーが急ブレーキーを踏みリッキーを見る。
両
手に銃を握り締めてクリーパーに向けているリッキー。
『連続殺人鬼クリーパー』
リッキーを睨み車を急発信させるクリーパー。
そ
の瞬間、リッキーが銃を発射させる。
跳
ね飛ばされるリッキー。
壁
に激突するクリーパーの車。
引
き殺されたリッキーの死体が映し出される。
天
国からジャッキーが見ているかの描写で。
『連続殺人鬼クリーパー』
Top
日頃からジャッキーに付き纏っているリッキーが連
続殺人鬼クリーパーではと思ったジャッキーは鍵を替える手配をする。
だが、連続殺人鬼クリーパーは錠前屋だった。
何と怖いことだろう。
安心を買うはずが殺人鬼を呼び寄せることになるとは。
錠前屋が取り付けに「精々5分も
あれば終わる」と
言っていたのは殺人に掛かる時間のことだったのだ。
ジャッキーの殺害チャンスはリッキーからの電話で邪魔された。
が、再び次のチャンスを狙う。
二度目のチャンスの時もリッキーから電話が掛かって来たが、このチャンスを逃すと旅行に行かれてしまうこと
を知っているため多少の危険を犯しても殺害してしまう。
身分証明書を持っていなかったことから、偽者だったのだろうが錠前屋を名乗るとは何と効率のよい犯罪を思い
つくものだろう。
この手の犯罪を防ぐには錠前は自分でってこと?
「あ
あ〜」
い
やいや、錠前屋だけではない。
電気・水道・ガスなどいくらでも修理屋はいる。
それに、宅配屋やセールスなども。
クリーパーがあちらこちらに…いそうだ。
「あ
あ〜」
更新2007.9.11
Top
ヒッチコックがデザインしたという似顔絵
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参考文献
ヒッ
チコック劇場
新・
ヒッチコック劇場
ア
ルフレッド・ヒッチコック
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