新・
ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock
Presents-
惑星人テレビジャック
-The
Human Interest Story-
アルフレッド・ヒッチコック
※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ
い。
☆ → 〜ブ
ライアン・ウィットマン〜〜飲
食店〜〜歩道〜〜繁華街〜〜車〜〜登録書〜〜連絡〜〜証拠〜〜カー
チェイス〜〜転
送装置〜 ←
記号[☆:スタッフ・キャスト →:
始めに ←:終わりに]
(1980年代)(米)(TV映画)-The
Human Interest Story-
演出…ラリー・グロス
制作…レビュー・スタジオ(米)
原作…フレデリック・ブラウン
脚本…カレン・ハリス
ストーリーテラー…ア
ルフレッド・ヒッチコック
翻訳…鈴木導
アメリカン・フットボールのテレビ中
継中に突然、アルファ・ケンタウリ星のガルロと名乗る男ブライアン・ウィットマンが画面に登場し「ケンタウリ星人が地球を征服しようとしている」と発言する。
『惑星人テレビジャック』
その男に興味を持ったテレビリポーターのマギーが報道部長エベレットに、
マ
ギー…「人情話に持って言ったら 面白くな
るのじゃないかしら
ルックスもいいでしょう 家庭的で毎日真面目に働いてて
視聴率は取れそう」と
言い取材許可を取る。
ス
クープ狙いで彼に近付き、2度目のエミー賞を狙う魂胆である。
Top
〜ブライアン・ウィットマン〜
早速、ブライアン・ウィットマンを取材しようと自宅を訪ねるがいなかった。
彼
の妻デニスに話を聞くとここ1ヶ月で人が変わってしまったので離婚するという。
取
材を終えて帰ろうと車に乗ったマギーは誰か人がいるような気配を感じ後ろを振り返る。
誰
もいない。
向
き直り車のエンジンを掛けようとすると、
マ
ギー…「ハッ!」
ド
アを行き成り開けてブライアンが入って来る。
驚
くマギー。
『惑星人テレビジャック』
ブライアン…「何を驚
いてる
私を捜していたんじゃなかったのか」
マ
ギー…「ブライアン」
ブ
ライアン…「違う 私はブライアンじゃない
肉体を借りているだけ だ
記憶とか経験は元のま まだが
中身はガルロだ
どうぞよろしく」と
言う。
驚
いて聞いているマギーに運転を促し、
ブ
ライアン…「行こう」と
指図する。
Top
〜
飲食店〜
飲食店で、
ブ
ライアン…「第3惑星の私は
政府に反対する組織を 創ってたんだ
何と言うか…」
マ
ギー…「革命軍 それとも過激派」
ブ
ライアン…「そうそれ 過激派だ
ブライアンて男は 言葉を知らないんで
話をするのに 不自由で仕様がない
なんしろあっちの政府には
無能な連中ばかり 揃ってて
まともな事は 何一つ 出来ない
暴動が怖くて 町は歩 けないし
そこら中で 戦争が起 きてる
新しい病気が出てきて も 治療の方法がない
環境破壊がどんどん進 んでいる
政府のお偉方は そい つを文明の進歩と呼んでるんだ」
今 の地球みたい。
マ
ギー…「ブライアン あたしはテレビの世界
にいるの
たとえ今の話が 全部真実だと思ったとしても
あなたがそう言うだけ で 確実な証拠は何もないのに
放送する訳にはいかな いの
あなたがカメラの前に出て 水を石油に代えるか
頭に触角を生やすか 誰が見ても判るようにしてくれなければ
まあ 部長に笑い飛ばされて没になるのがオチね」
カ
ウンター席でブライアンたちの話に耳を傾けているチンピラたちを見てブライアン。
ブ
ライアン…「出ようか」
マ
ギー…「どうして」
ブ
ライアン…「奴等が来た」
カ
ウンター席の方を見るマギー。
ブ
ライアン…「見つかった」と
言いマギーを連れて店を出る。
Top
〜
歩道〜
歩道で、
ブ
ライアン…「こっちを見てる」
マ
ギー…「私を見ているのかも知れないわ
時々報道番組に出るんで 顔を覚えている人がいるの」
ブ
ライアン…「場所を変えよう あのテレビを見て殺そうとするだろう」
マ
ギー…「アルファ・ケンタウリ星人が?」
ブ
ライアン…「ああ どう思われようと 構い
はしない
大事なのは放送しても らうことだ」
マ
ギー…「そのためには
話だけでなく もっと 確実なものが
欲しいと言ってるの」と
言うマギー。
ブ
ライアン…「今の地球で確実なのは ただ一
つ
奴等が来るってことだ
何百万人 そうなれば 私と同じに
君はマギーじゃいられ なくなる」
ブ
ライアンを見ているマギー。
Top
〜
繁華街〜
繁華街で、
ブ
ライアン…「ドライブする気はある?」
マ
ギー…「何処へ行くの」
ブ
ライアン…「街の外だ」
マ
ギー…「はっきり 場所教えてくれないと」
ブ
ライアン…「証拠を見たいんじゃないの」
マ
ギー…「でも 時間はどれくらい掛かるの」
ブ
ライアン…「分からない」と
言い辺りを見回す。
後
ろから2人のチンピラが付いて来ている。
マ
ギー…「それじゃ 困るのよ
仕事があるんだから 何時帰れるか分からないと」
ブ
ライアン…「いやぁ 駄目だ
今はまだ教えるわけにはいかない」
辺
りを見回しながら言うブライアン。
マ
ギー…「ブライアン」
ブ
ライアンがチンピラたちに気付き、
ブ
ライアン…「さあ 行こう」と
マギーを連れて走り出す。
チ
ンピラ…「お〜い 何だよ」と
追いかけるチンピラたち。
2
人のチンピラに突き倒されるブライアン。
反
動で飛ばされ倒れるマギー。
チ
ンピラを殴り、蹴飛ばすブライアン。
ナ
イフで手向かうチンピラ。
ナ
イフを奪いチンピラを刺すブライアン。
驚
いて見ているマギーに、
ブ
ライアン…「これで君にも分かったろ」と
言うブライアン。
パ
トカーのサイレンが鳴り近づいて来る。
ブ
ライアン…「一緒に来てもらうぞ」と
マギーを抱き起こし連れて逃げるブライアン。
Top
〜
車〜
車でハイウェーを走らせながら、
マ
ギー…「何処に行くか 教えていいでしょ」
ブ
ライアン…「着いたら教える」
マ
ギー…「もう近いの?」
ブ
ライアン…「マギー 話は後だ」と
言い走らせる。
Top
〜
登録書〜
チンピラが殺傷された現場にマギーのバックが落ちていた。
マ
ギーが何者かに誘拐されたのではと行方を手配する。
路肩に車を止め、ブライアンがマギーに「特ダネを手に入れるか、このまま帰るか」と迫る。
そ
こへ巡回中のパトカーが近づいてきて、免許書と登録書の提出を求める。
車
の登録書は見せるが免許書はバックを忘れたと言いかわすマギー。
保
安官…「マギーさん 登録書の期限が切れているのに
更新してありませんね」
マ
ギー…「はあ?」
保
安官…「この4月で期限切れです
兎に角 今日は結構ですが
書き変えといてください」
マ
ギー…「帰ったら 直ぐやっとくわ
ありがとう」
保
安官…「じゃあ」
マ
ギー…「バ〜イ」
ブ
ライアン…「どうも」
保
安官が巡回に戻る。
Top
〜
連絡〜
ブライアンが指図する方向に向かって車を走らせるマギー。
途
中、ガソリンスタンドに寄る。
マ
ギーはブライアンが車を見ている隙に報道部長エベレットに電話を入れる。
マ
ギー…「あ 部長 元気です
万事上手く言ってるわ
何処かへ私を連れてって あの話の…」
『惑星人テレビジャック』
と話しているのを遮断しマギーを連れ出し車に乗せるブライアン。
心
配しているから電話を入れただけだと反論し「あなたには誰もいないの」と言うマギー。
ブ
ライアン…「私には君しかいない」と
言うブライアン。
Top
〜
証拠〜
スタンドを出て、
マ
ギー…「無事でいるって知らせたかっただけ
よ」
ブ
ライアン…「まだ分かっていないらしいな
地球を救おうとしてる んだ」
マ
ギー…「具体的なことは何も話してくれない
で
分かれって言う方が 無理」
ブ
ライアン…「ようし 私は宇宙船の保管庫から
本格的な移住には 絶 対欠かせない
転送装置を一台盗み出 しておいた
しかし とうとう破壊することは出来なかった」
マ
ギー…「あなたに壊せないのに あたしはど
うするの」
ブ
ライアン…「いやぁ そうじゃない
壊さなかったと言うのは
“テレビであの装置を 見せなければ”と
思ったからだ
君が言ったように
信じさせるような証拠 がいるんだ」
マ
ギー…「私がテレビ局にいるからって」
ブ
ライアン…「皆が力を合わせて 戦わなきゃ
駄目だ
全部の国が団結して
自分の惑星を侵略者か ら守るんだ
そうじゃなきゃ 人類
は滅亡する」
先ほど調べていた2人連れが指名手配されていることに気付いた保安官たちがサイレンを
鳴らしパトカーで追撃する。
ブライアンが話し続けている。
ブ
ライアン…「外見はそれまでと まったく同じなのに
中身は全部変わちぃま う
私がブライアンの体に入った時も そうだ
お蔭でデニスとも 分かれることになった
同じことが君にも起こ る」
ブライアンを見るマギー。
Top
〜カーチェイス〜
パトカーが猛スピードで追っている。
ブライアン…「もし私
が死んだら 後 君がやってくれ
隠し場所を教えるから 取り
に行く」
マ
ギー…「私を信用するの」
ブ
ライアン…「するしかない」
パ
トカーが直ぐ後ろに近づく。
振
り向き、
ブ
ライアン…「つかまってろ」と
マギーに言いパトカーに車をぶつけ追跡から逃れようとする。
追
跡するパトカーと激しいぶつけ合いを繰り広げパトカーを振り払う。
そ
して、目的地へ向かうブライアン。
Top
〜
転送装置〜
山林に車を止め転送装置を隠した場所にマギーを連れてゆく。
山
林を歩きながら、
マ
ギー…「後どのくらい」
ブ
ライアン…「直ぐだ」
マ
ギー…「道に迷ったんじゃない」
ブ
ライアン…「直ぐそこにある」
奇
妙な塔がアップになる。
『惑星人テレビジャック』
マギー…「あれ何よ」
ブ
ライアン…「間違いようのない目印」
奇
妙な塔を嬉しそうに見ているブライアン。
驚
いているマギー。
塔
に近づきながら、
ブ
ライアン…「なっ
あの下に埋めてある」
塔
を見ているマギー。
隠
した所を掘り出すブライアン。
そ
れを見ているマギー。
掘
り出した転送装置をマギーに見せるブライアン。
転
送装置がアップになる。
『惑星人テレビジャック』
厳しい目で見ていたマギーの表情が無表情になる。
『惑星人テレビジャック』
転送装置を確認したマギーが隠し持っていた銃をブライアンに向ける。
驚
いてマギーを見たブライアンを撃ち殺す。
報道部長エベレットの部屋に入ったマギーが、
マ
ギー…「殺したわ」と
無表情でエベレットに言う。
無
表情で、
エ
ベレット…「ようし」
マ
ギー…「証拠もあった 転送装置」
エ
ベレットの前に転送装置を差し出す。
転
送装置を見てマギーを見るエベレット。
転
送装置からエベレットに視線を移し、
マ
ギー…「暫く休暇を取るわ」
マ
ギー見続けているエベレット。
マ
ギー…「一緒にいるのを見られているから
危険でしょ」
エ
ベレット…「何時まで」
マ
ギー…「ほんの2・3日
地球への移 住が終わるまで」と
言うマギーがアップになる。
そ
して、顔を見合わせているマギーとエベレットの間には、地球移住計画図案が張り出されている。
『惑星人テレビジャック』
Top
実はマギー、報道部長エベレットもケンタウリ星に
侵略されていた。
マギーは自動車の更新をしていなかった頃なのだろう。
ということは、アルファ・ケンタウリ星からブライアンが持ち出した転送装置を取り戻すために派遣されたスパ
イだったということだ。
地球の征服をたくらむアルファ・ケンタウリ星人たちの周到な計画は見事だ。
アルファ・ケンタウリ星人は無能な連中ばかりとブライアンは言っていたが、スパイだということを気付かれて
いなかったのだから無能ということはないだろう。
ただ、地球への移住が終わるまで「ほ
んの2・3日」だと
言っていたわりには、半世紀(こ
の『惑星人テレビジャック』は1950年代のリメークだから)たっ
た現在もアルファ・ケンタウリ星人は地球を征服していない。情はありそうだ。
いや、もうすでに征服しているのかな?
※アルファ・ケンタウリ(Alpha Centauri(ラテン)):ケンタウリ座の首星。黄
色で光度0.1等の連星。距離4.3 光年で地球に最も近い星。リギル・ケンタウルス。(辞書より 抜粋)
更新2007.7.29
Top
ヒッチコックがデザインしたという似顔絵
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参考文献
ヒッ
チコック劇場
新・
ヒッチコック劇場
ア
ルフレッド・ヒッチコック
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