新・ ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock Presents-
白昼の恐怖通信
-When this Man Dies-
        
     アルフレッド・ヒッチコック

※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ い。

  〜ギャンブル〜〜借金〜〜千ドル〜〜バー〜〜脅し〜〜5千ドル〜〜電話病院〜〜苛立ち〜〜手始め〜〜1万ドル〜〜窮地〜〜犯行〜〜金と仕事〜 

記号[☆:スタッフ・キャスト : 始めに :終わりに] web拍手 by FC2
(1980年代)(米)(TV映画)-When this Man Dies-
演出…ジム・パーディ
制作…タウンゼント・フィルム・プロ ダクションズ(米)
原作…ローレンス・ブロック
脚本…ジェレミー・ホール
出演…エイドリアン・ズメッド(エディ)
ストーリーテラー…ア ルフレッド・ヒッチコック
翻訳…鈴木導

自宅でボクシング中継を興奮して見ているエ ディ(エイドリアン・ズメッド)
呆 れている妻モリーン。
賭 けていた選手が負け悔しがるエディ。
エ ディはギャンブル好きで借金で首が回らなくなっていた。
だ が、モリーンには詳しいことは知らせていなかった。
そ のエディのもとに、“この男が死ねば 千ドルは君のもの ジョセフ・H・ニーマンと書かれた謎の手紙が届く。
心 配するモリーンに、何かの宣伝だろうと言うエディ。


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッドら

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〜ギャンブル〜

修理工場。
車 の修理をしながら競馬中継を聞いているエディ。
残 念がる。
ルー…「また穴馬に賭けて 摩ったらしいな
今に身を滅ぼすぞ」と 忠告する雇用主ルー。
エ ディ…「あはん ルー
やめてよ 心配要らないって」と 修理をしながら明るく言うエディ。
ルー…「無駄だとは思うが 君が深みに嵌って 行くのを見ると
黙っていられないんだ」と 心配するルー。
エ ディ…「もう ツキが変わる頃だ
俺には感じで分かる」と 言うエディ。

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〜 借金〜

借金の取立て屋ジムが職場に押し掛けて来る。
ジ ム…「あんたがルーか」と 言うジム。
ルー…「ああ」と 不機嫌に言い仕事に戻るルー。
ジ ム…「どうも 嫌われちまったようだ
君の電話を 待ってたんだが」と クールに言いエディの傍に来るジム。
エ ディ…「ほんと へっ
言ったろ 俺の給料日は…」
怯 えているのを気付かれまいとして、作業しながら明るく振舞って言うエディ。
ジ ム…木曜日だ!
あの時 君は“ルーが前借させてくれる”と言ったろ」と 言うジム。
エ ディ…「ああ それが…」と 困ったように言うエディ。
ジ ム…「“借金を返さずに 競馬で摩っちまっ た”と言うのか」と 言うジム。
エ ディ…「ええ
いい 聞いてよ
俺は借りた金は 返すって」と 言うエディ。
ジ ム…「君に渡しとく物がある」
懐 から何かを取り出すようにしながらエディに近づいて来るジム。
怯えるエディ。
ジ ム…「取れよ」と 電卓を取り出して言うジム。


『白昼の恐怖通信』

怯えながら電卓を受け取るエディ。
ジ ム…「どう見ても 数字には強くないようだ
利息は100%で 毎 週元金に繰り入れる
計算が出来たら電話しろ 待ってるぞ」と 言い、立ち去るジム。
“どうしよう”とオドオドしているエディ。
そ れを見て、
ルー…「だから言ってるんだ」と 言うルー。
エ ディ…「何が ジィミー
友達だよ」と 作業しながら言うエディ。
ルー…「馬鹿を言うな! あの手合は臭いで分 かる」と 言うルー。
ラ ジオで慈善家としてジョセフ・H・ニーマンのことを紹介しているのを、作業をやめ聞いているエディ。
ルー…「聞いてるのか」と 言うルー。
エ ディ…「ああ 聞いてるよ
“ジョセフ・H・ニーマン”
もし この男が死ねば」と 口ずさむエディ。

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〜 千ドル〜

自宅。
エ ディ…「見ろよ 千ドルだぜ」と お金を手にして喜ぶエディ。
モ リーン…「書いてあるのは これだけなの
“約束に従って” あなた何 をしたの?」と 千ドルの金に同封された文面を読んで言うモリーン。
金 をグシャグシャにして、
エ ディ…「どう見ても本物だ
何もしない 俺たちは 何もしなかったと 興奮して言うエディ。
モ リーン…「きっと 何かの間違いよ」と 心配して言うモリーン。
エ ディ…「いや 違う
間違いじゃないさ
ああ このニーマンってのはさ
変わり者で きっとテレビの番組みたいに
金をばら撒いてるだ」と 言うエディ。
モ リーン…「これはテレビじゃないわ 何故あ なたに」と 言うモリーン。
エ ディ…「知らないよ きっと電話帳開けたら 名前があったんだ
ねぇ アッハハ 金を貰って文句言うことないだろ
ねぇ 今夜食事は?
いい店知ってるんだ」と ウインクして言うエディ。
モ リーン…「いいわ」
にっ こりして頷くモリーン。
抱 きしめるエディ。
手 に持った金を見ながら。

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〜 バー〜

バーのカウンターで競馬新聞を広げて予想しているエディ。
ジ ムが近づいて来る。
慌 てて新聞を伏せる。
ジ ム…「電話をくれたが 出来たか」
エ ディの横に座って言うジム。
エ ディ…「酒は何がいい」
頷 いて、ジムに酒を勧めるエディ。
ジ ム…「やめとくよ 尋ねていかん奴がいる」と 言うジム。
金 をジムの前で数え出すエディ。
ジ ム…「借りた金を 返したがらん奴が多くて な
500ドル?」
金 を受け取り数えるジム。
エ ディ…「ああ 残りの半分も直ぐに返すよ」と 言うエディ。
ジ ム…「…」
“それでいいのか”と言う表情をしてエディを見ているジム。
エ ディ…「ああ そうか エヘッ
利息だ 利息がちょっと付く」と 言うエディ。
ジ ム…「電卓をやったと思うが」と 言うジム。
頷 くエディ。
ジ ム…「そうだろ
いいか “利息がちょっと”と言われると酷く気になる
この仕事で 一番頭が痛いのは
“自分の責任を 弁え ない奴が多すぎる”と言うことだ」と 言い、エディを見るジム。
モ リーン…「エディ」
モ リーンが傍に来る。
エ ディ…「ああ あのう
ああ こちらミスター…」
困っ た表情をしているエディ。
立 ち上がって、
ジ ム…「スタインブス ジム・スタインブスで す
モリーンさんでしょ」と モリーンに挨拶するジム。


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッドら

モリーン…「そうで す」と 言うモリーン。
ジ ム…「ここであなたに会えてよかった 出来 ればご一緒したいんですが
仕事がある」と モリーンと握手して言うジム。
モ リーン…「そうですか じゃまた何時か」と 言うモリーン。
ジ ム…「楽しみにしてます」と モリーンに言い、
ジ ム…「電話してくれ 話はその時だ」と エディの方を向いて言うジム。
ジ ム…「失礼」と モリーンに言い、立ち去るジム。
モ リーン…「ああ いい人ね
誰なの」と エディに言うモリーン。
エ ディ…「ああ 知り合いだ
仕事の方のね」と 言い、
エ ディ…「さあ 行こう
今夜はお祝いだ」と モリーンに言いキスするエディ。
嬉 しそうにするモリーン。

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〜 脅し〜

ジャッキで持ち上げられた車体の下で修理をしているエディ。
ジ ムが近づいてくるのが見え、作業の手が止まるエディ。
ジ ムの足元を見ているエディ。
ジ ム…「エディ」と 呼ぶジム。
困っ た表情を浮かべて頭に手をやるエディ。
車 体の下から出てきて、
エ ディ…「忘れた訳じゃない 金が出来たら
電話しようと思ってた」と 弁解して起き上がるエディ。
ジ ム…「何を」と 凄みを利かせて言うジム。
エ ディ…「週末には必ず」と 言うエディ。
ジ ム…「私をガッカリさせないでくれよ」と 言うジム。
怯 えて立ち上がるエディ。
ジ ム…「君の車か」と エディが修理していた車を見て言うジム。
エ ディ…「担保に持っててくれ」と 追い詰められて言うエディ。
ジ ム…「車など欲しくもない」
棚 に置かれたバールを手にして、エディが修理していた車に近づくジム。
“ギィ〜〜〜〜〜〜〜”
車 のボディの先端から末端まで、バールを強く押し当てて傷つけて行くジム。
ジ ム…金を返して欲しいだけだ 当 然の話だ」と エディに向かって言うジム。
エ ディ…「3日後には返すよ」と 言うエディ。
バー ルでテールランプを壊すジム。
“バ〜ン ガチャン”
顔 を顰めるエディ。
ジ ム…「私はアメリカ流の ビジネスのやり方を信じる
古〜いやり方だ」と 言い、もう一方のテールランプも壊すジム。
“バ〜ン ガチャン”
壊 された部品が不気味に響く。
怯 えて見ているエディ。
ジ ム…「契約書などなくとも 手を握って交わ した約束は守る」
バー ルを担いで車体を周り、サイドミラーをバールで壊すジム。
“ガシャ〜ン”
エ ディ…「…」
ジ ム…「今じゃ“口約束などないも同じだ”と 思って 平気で破るんだ」と 言い、フロントガラスをバールで何度も叩き割るジム。
バ〜ン バ〜ン バ〜ン”
エ ディ…「…」
ジ ム…「嫌な時代になったよ」と 言い、バールを担いで移動するジム。


『白昼の恐怖通信』

エディ…「ねっ 頼む よ」と 言うエディ。
ジ ム…「皆がルールに従って約束を守れば 私 は失業」と 言い、バールを担いだままでフロントバンパーを足で押し付ける。
“バシャ〜ン”
ジャッ キが外れ車体が下に落ちる。
エ ディ…「…」
目 を閉じガッカリするエディ。
ジ ム…「信じてくれ その日が待ち遠しいよ」と 言い、バールを壊した車のボンネットの上に丁寧に置き、手の埃を払いエディの前に来るジム。
ジ ム…「今言われたことを よ〜く考えて
手間を掛けさせないように頼む
電話しろ」と 言い、立ち去るジム。
立 ち竦んでいるエディ。

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〜5 千ドル〜

謎の手紙がまた届いたのを見ているモリーン。
エ ディ…「ねえ ちょっと話がある」と 言うエディにモリーンが手紙を差し出す。
エ ディ…「そいつは?」と 言い受け取り開封するエディ。
“この男が死ねば 5千ドルは君のもの クロード・ピアスと書かれた謎の手紙を読んで、
モ リーン…「またなの 何よこれ
どういうこと」と 言うモリーン。
エ ディ…「今度は5千ドルだ ピアス ピア ス」と 言い、電話帳で名前を探すエディ。
モ リーン…「そのピアスって人 誰なの
電話帳で選んだ もう一人の変わり者?
エディ 誰なの」と 言うモリーン。
エ ディ…「知らない 話してみろ」と 電話帳で探した番号に電話して、受話器をモリーンに渡そうとするエディ。
モ リーン…「何をする気 嫌よ
やめて」と 驚いて言うモリーン。
エ ディ…「こういうことは 君が上手い」と 言い受話器を渡すエディ。
モ リーン…「どういうことがよ」と 言うモリーン。
受 話器を渡して頷くエディ。
モ リーン…「今晩は クロード・ピアスさんの お宅ですか?
お帰りは何時頃?
まあ!そうですか 気の毒に
いえ また掛けなおします」と 言い受話器を持ったままでいるモリーン。
受 話器を戻し、
エ ディ…「どうだ
ほら 何て言ってた
年寄りなんだろ 今病気か」と 電話機を見せ聞くエディ。
モ リーン…「ヒルモア病院にいるの 手術を受 けたんですって」と 呆然として言うモリーン。
エ ディ…「そうだろ! 分かってた!」と 興奮して言うエディ。
モ リーン…「聞いたこともない人なのに 何故 分かってたの」と 言うモリーン。
エ ディ…「決まったパターンがあるはずだ さ もなきゃ意味がない
ヒルモアか」と 言うエディ。

Top

〜 電話〜

修理工場。
エ ディ…「あ ヒルモア病院 クロード・ピア スさんについて聞きたいんですけど
ええ 経過良好
どうも」と 電話を切るエディ。
ルー…「誰か病気か?」と 言って傍に来るルー。
エ ディ…「あ あ〜 おじ貴が
心臓 経過良好だって」と パンを食べながら嘘を言うエディ。
ルー…「ああ 従兄弟が死んだ時にも
30分前まで 医者はそう言ってた
ああ いや そんな意味じゃないんだ
すまん」と 深刻な顔をしているエディを気遣うルー。
エ ディ…「ああ いいの いいって
あのおじ貴とは 反りが合わないし」と 言ってその場を凌ぐエディ。
ルー…「ああ」と 言い作業に戻るルー。

Top

〜 病院〜

ヒルモア病院。
エ ディがピアスのことを聞いているのを聞いていた看護師が、
看 護師…「ピアスさんに ご面会?」と 言う。
エ ディ…「ええ そうです」と 慌てて言うエディ。
看 護師…「ああ 遅かったわ ほんの少し」と 言う看護師。
エ ディ…「死んだ?」と 言うエディ。
看 護師…「退院しました 先ほど
思いの外 経過がよくて」と 言う看護師。
ガッ カリするが、
エ ディ…「よかった」と 言って取り繕うエディ。

Top

〜 苛立ち〜

イライラして作業をしているエディを見て、
ルー…「カッカするな 勝って喜び 負けて怒 るようじゃ
一人前とは言えんそうだ」と 言うルー。
エ ディ…「誰が そんなこと言った」と 苛付いて言うエディ。
ルー…「ギャンブラーだ まだまだ遠いな
足を洗うなら 今のうちだぞ」と 言うルー。
エ ディ…「ルー 何の話をしてるんだ」と 言うエディ。
ルー…「今に抜き出せなくなる 考えてみろ
いい女房がいて 地道にやってりゃ
食うに困らない仕事もあるんだ
それで満足出来ないのか
この調子じゃ 両方とも失くしちまうぞ〜」と 諭し、
ふ〜ん 何と 奇跡的な難しい手術を受けて
やっと助かった男が 退院したその日に家に強盗が入って
ピストルで頭を吹っ飛ばされたそうだ」と 新聞記事を読んで聞かせるルー。
エ ディ…「ええっ どこの誰よ」と 作業をしながら言うエディ。
ルー…「ああ〜 ピアス」と 言うルー。
驚 くエディ。
ルー…「クロード…」
作 業をやめて出て行くエディ。
ルー…「エディ」
“どうしたのか”とエディを呼ぶルー。

エディ…「あ〜」と 自宅に帰ったエディが5千ドルを手にして喜ぶ。
同 封された文面に“約束に従って”と書かれているのを読むエディ。

Top

〜 手始め〜

エディから渡された金を懐に入れるジム。
エ ディ…「あ〜」
ホッ として美味しそうにウイスキーを飲むエディ。
ジ ム…「これでいいだろう」と 言うジム。
エ ディ…「へっ」と 相槌を打つエディ。
ジ ム…「手始めとして」と 言うジム。
エ ディ…「“手始め”」
聞 き返すエディ。
ジ ム…「…」
黙っ てウイスキーを飲むジム。
エ ディ…「ちょっと待てよ 今4千ドル払った んだぜ」と 言うエディ。
ジ ム…「エディ 何度言ったら分かるんだ
待てと言うから待ってやったし 電卓もやって…」と 言うジム。
エ ディ…「ああ」
頷 くエディ。
ジ ム…「忠告もした」と 言うジム。
エ ディ…「教えてもらおうか 後いくら払えば 満足するんだ」と 言うエディ。
ジ ム…「いい質問だ 今日から1週間以内に
後5千ドル貰おうか」と 言いウイスキーを飲むジム。
頭 を抱え込み、
エ ディ…「5千ドル」と 言うエディ。
ジ ム…「1週間以内にだ」と 言うジム。
エ ディ…「いや 駄目だ
よしてくれ へっ
職場へ押し掛けて来て 脅迫し
ルーに余計な心配をさせて 車を打ち壊した挙句に
借りた金の4倍以上を 払わせたんだぞ
これでお終いだ もう1セントも払わない
二度と顔を出すな あんたとの取引は終わったんだ
借りは返した」


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッドら

と興奮して言い立ち去るエディ。
ジ ム…「…」
黙ってウイスキーを飲むジム。

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〜1 万ドル〜

“この男が死ねば 1万ドルは君のもの レオン・デニスンと書かれた謎の手紙を読んでいたモリーンが エディに見せる。
エ ディ…「レオン・デニスン」と 言い、急いで電話帳で番号を探すエディ。
台 所の方に行ったモリーンが、
モ リーン…「あなたじゃないんでしょ」と 言う。
エ ディ…「何?」
番 号を探しながら言うエディ。
モ リーン…「ピアスさんに あんなことした の」と 言うモリーン。
エ ディ…「違うさ 決まってるだろ」と 驚いて、モリーンの傍に行って、
エ ディ…「ねえいいかい 殺された時間に俺と 一緒にいたろう」と モリーンの腕を掴んで言うエディ。
モ リーン…「ええ そうね」と 言うモリーン。
エ ディ…「俺には鼠も殺せないって 知ってる くせに」と 言うエディ。
モ リーン…「知ってるわ でも心配なの
最近 何時もイライラしてるし
その手紙も “いっそ 燃やしちゃおうか”と思ったくらい」と 言うモリーン。
エ ディ…「悪いことは 何もしてない」と 首を横に振って言うエディ。
モ リーン…「そうよね だからお願い
もう手紙なんて 気にしないで頂戴
このままじゃ あなたおかしくなるわ」と エディの頬を両手で摩って言うモリーン。
エ ディ…「分かったよ 気にするからいけない んだ」と モリーンの顔を両手で包み込み、手紙をグシャグシャにしてゴミ箱に捨てるエディ。
エ ディ…「ほら捨てた
あんな物は 忘れちまおう
いいね」と 言うエディ。
にっ こりするモリーン。
エ ディ…「さあ 君はもう着替えたら
二人でのんびり テレビでも見ないか」と 言うエディ。
モ リーン…「そうね」と 微笑んで着替えに行くモリーン。
モリーンが行くのを見て、ゴミ箱に戻るエディ。
そして、捨てた手紙を手に取る。

エディ…「レオン・デ ニスン」と 独り言を言い、“この男が死ねば金が入るのに”と思いながら、電話帳で調べたデニスンの住 まいに行き車で見ているエディ。

Top

〜 窮地〜

自宅。
謎 の手紙が来ていないか探しているエディ。
モ リーンが帰って来て、
モ リーン…「エディ」と 飛びついてキスするモリーン。
エ ディ…「いやあ もう帰ってたの」と 困った顔して言うエディ。
モ リーン…「“今日は半日”だって 言ったで しょう
ああ そうそう バー にいた人と会社の前で会ったわと 嬉しそうに言うモリーン。
驚くエディ。
モ リーン…「送ってくれたの」と 言うモリーン。
エ ディ…「何か言ってた」と 怖れて言うエディ。
モ リーン…「ううん 世間話」と 言い、
モ リーン…“手間の掛かる客が 多くて困る”とか
何かのセールスマン?」
台 所の方に行きながら言うモリーン。
エ ディ…「そんなとこだ その他には?」と 聞くエディ。
モ リーン…「そうねえ “いい奥さんだ”と私 を褒めてくれて
“しっかりしないと  失くすことになる”って あなたに言っとけって」と 言うモリーン。
ジムの脅迫に怯えるエディ。
電 話が鳴っている。
呆 然と電話機の方へ歩いて行くエディ。
モ リーン…「本当に 話が上手ね」
何も知らずに、嬉しそうに話し続けているモリーン。
受 話器を取るエディ。
ジムからだ。
ジ ム…「いつかも言ったと思うが “手間を掛けさせる奴が多くて
傍の者まで嫌な思いを する”っ て よく考えておけと 脅す。
話を聞いているエディ。

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〜 犯行〜

“デニスンが死んだという知らせはない 金を用意しないと自分たちの身が危険 だ 待っても金が入らない デニスンが死ねば…”
追い込まれたエディが調べていたデニスンの住まいで待ち伏せする。
デ ニスンが帰って来て駐車場に向かう。
後 を追尾するエディ。
駐 車場に車を止めて出てくるデニスンを、反対側に車を止めて見ているエディ。
助手席に置いているバールを掴み、デニスンの後頭部を思い切り強打するエディ。
デ ニスン…「ウッ ウ〜」
襲われたデニスンが、呻き声を上げながら倒れる。
それを無感情で見ているエディ。


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッド

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〜 金と仕事〜

上機嫌に口笛を吹きながら、トレーに乗せた食事をベッドに運ぶエディ。
寝 ているモリーンにキスするエディ。
モ リーン…「ああ エディ
今日は何の日」と 嬉しそうに言うモリーン。
エ ディ…「たまにはベッドで食事するのも い いだろうと思ってね」と 言うエディ。
モ リーン…「ああ 気分よさそうね」
エ ディを見詰めてキスするモリーン。
エ ディ…「ああっ 此の上なしだ」と 嬉しそうに言うエディ。
にっ こりするモリーン。
エ ディ…「ああっ 旅行の話は何時も 途中で 断ち切れになってたけど
直ぐ出掛けないか」と トレーをサイドテーブルに置いて言うエディ。
モ リーン…「直ぐに〜」と 笑いながら言うモリーン。
エ ディ…「ああ 今直ぐだ」と 言うエディ。
モ リーン…「冗談でしょ」と 起き上がって言うモリーン。
ベッ ドに上がって、
エ ディ…「いや違う 俺たちだって休まなきゃ
たまにはね」と 嬉しそうに言うエディ。
モ リーン…「そうね ずっと休暇を取ってない わ」と 言い、準備して貰っているコーヒーを飲もうとするモリーン。
エ ディ…「ほんとだよ」と 嬉しそうに言うエディ。
モ リーン…「う〜ん お砂糖
直ぐ戻るわ」と 言い、カップを持って立ち上がって行くモリーン。
嬉 しそうに頷くエディ。
モ リーン…「ほんと いい考えだと思うわ」
台 所の方に行きながら言うモリーン。
エ ディ…「ああっ」
満足そうにベッドの背に凭れ掛かるエディ。
モ リーン…「どっと塞ぎ込んでたでしょ 私も そう」
台 所で話し続けるモリーン。
満足そうに凭れ掛かっていたエディが、食事と一緒にトレーに乗せて隠していた封筒 を手にする。
モ リーン…「気持ちの切り替えが 出来るん じゃない」
話 し続けるモリーン。
開封していた封筒の中の金を見て嬉しそうにするエディ。
モ リーン…「私 会社に電話してみるわ
2週間かそこらは 休めるはずよ」
台 所の方で言うモリーン。
封筒の中の金を嬉しそうに捲り、取り出してばら撒き、


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッド

エディ…「ウッフフフ  ウッハハハ」
笑い出すエディ。
台 所ではモリーンが、
モ リーン…「あまりお金はないんだし 何処か 安くて静かな所がいいわね」と 話し続けている。
エ ディ…「ウワッ」
声を殺して笑い、同封された文面に目を通すエディ。
“ありがとう 新しい仕事は  気に入ったかねと書かれている。
驚いて体を起こして読む。
エディの表情が、みるみる凍りついてくる。


『白昼の恐怖通信』エイドリアン・ズメッド

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 ギャンブルの借金が利息で膨れ上がり返済しきれなくなったエディが、計算された 犯罪に手を染めることになってしまった。
 ギャ ンブル好きの心理を巧みに付いた犯罪組織の罠に掛かったのだ。
 予 告された人物が死ぬたびに大金が手に入ることで、エディのなかで“人の死=大金”という構図が出来上 がってしまった。
  犯罪組織は追い込まれたギャンブル好きは、安易に大金が手に入る方法に走ると読んでいた訳だ。
 “そこに一歩踏み込んだら あなたはもう逃れられない!”ってことだ。
 甘 い言葉にはくれぐれも気をつけなくては、甘さが増すほど落とし穴は深い。

 ※バール (crowbar):棒状の釘抜き。鉄挺。先がL字型に屈曲した物が多い。

更新2007.11.25
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ヒッチコックがデザインしたという似顔絵

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参考文献
ヒッ チコック劇場
新・ ヒッチコック劇場
ア ルフレッド・ヒッチコック
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