フランク・キャプラ
(1897.5.18(19
日説も)-1991.9.3)(イタリア、シシリー島パレルモ生まれ)-Frank
Capra-
〜プロフィール〜
ア
メリカの良心を描いたと言われたが、それより、民主主義の【光と影】を描き続けた監督だ。
『素
晴らしき哉、人生!』(1946)が 素晴らしい。
他に『ス
ミス都へ行く』(1939)『或
る夜の出来事』(1934)
(ア
カデミー賞作品賞)『我が家の
楽園』(1938) (ア
カデミー賞作品賞)『オペラハット』(1936)『群衆』(1941)など、 どれもいい。
※『或る夜の出来事』(1934)『オ
ペラハット』(1936)『我
が家の楽園』(1938)で3
度アカデミー監督賞を受賞する。『一日だけの淑女』(1933)『ス
ミス 都へ行く』(1939)『素
晴らしき哉、人生!』(1946)は
アカデミー賞にノミネートされる。
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〜独自の作品
解釈〜
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〜年譜〜
[1897][1921][1922 Fultah Fisher's
Boarding House][1926 当りっ子ハリー][1927 初恋ハリイ 力漕一挺身][1928 渦巻く都会 サブマリン 闇を行く 呑気な商 売 陽気な踊子]
[1929 ドノヴァン 空の王者][1930 有閑夫人][1931 奇蹟の処女 プラチナ・ブロンド 大飛行船][1932 狂乱のアメリカ たそがれの女][1933 袁将軍の苦いお茶 一日だけの淑女]
[1934 其の夜の真心 或る夜の出来事][1936 オペラハット][1937 失はれた地平線][1938 我が家の楽園][1939 スミス都へ行く][1941 群衆][1944 毒薬と老嬢]
[1946 素晴らしき哉、人生!][1948 愛の立候補宣言][1950 恋は青空の下][1951 花婿来たる 女群西部へ!][1959 波も涙も暖かい][1961 ポケット一杯の幸福][1991][写真]
1897
…5月18日、イタリア、シシリー島パレルモ生まれる。
7
人兄弟の一人。
…6才の時家族と共にアメリカへ移住。
…新聞の売り子やロサンジェルスの酒場でバンジョーを弾いたりしながら学業を
続け、カリフォーニア・インスティチュート・オヴ・テクノロジーに進む。((1989.5.30)飯倉通子『外国映画監督・スタッフ全集』
キネマ旬報社 参考)
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1921
…映画界に入り、ボール・ガースン社の助監督、ハル・ローチ社の『ちびっ子ギャン
グ』(Our Gang)喜劇のギャグマンを
務める。
1922
『Fultah
Fisher's Boarding House』(短編)
1926
『初陣ハリー』-Tramp Tramp
Tramp-(米)(コメディー)
-監督:ハリー・エドワーズ
-原作:ティム・ウィーラン/フ
ランク・キャプラ/ハル・コンクリン・ジュニア/ジェラルド・C・ダフィー/マレイ・ロスら
-出演:ハリー・ラングドン/
ジョーン・クロフォード/トム・マレイ/エドワード・デイヴィス/アレック・B・フランシス
『当りっ子ハリー』-The Strong
Man-(米)(コメディー)
-監督:フランク・キャプラ
-製作:ハリー・ラングドン
-原案:アーサー・リップリー
-脚本:ハル・コンクリン/ロ
バート・エディー
-撮影:エルジン・レスレーら
-編集:ハロルド・ヤング
-出演:ハリー・ラングドン/プ
リシラ・ボナー/ガートルード・アスター/ウィリアム・V・モング/ロバート・マッキム
Top
1927
『初恋ハリイ』-Long
Pants-(米、ファースト・ナショナル)
-監督:フランク・キャプラ
-脚本:アーサー・リップリー
-脚色:ロバート・エディー
-撮影:エルジン・レスレーら
-出演:ハリー・ラングドン/グ
ラディス・ブロックウェル/アラン・ロスコー/プリシラ・ボーナー/アルマ・ベネット
『力漕一挺身』-For the Love of
Mike-(米、ファースト・ナショナル)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:ジョン・モロソ
-脚色:J・クラークソン・ミ
ラー
-撮影:アーネスト・ホーラーら
-出演:ク
ローデット・コルベール/ベン・ライオン/ジョージ・シドニー/フォード・スターリング/ヒュー・
キャメロン
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1928
…コロムビアに移り、以後、39年にいたるまで同社の名作、大作を一人で背負うことにな
る。((1989.5.30)飯倉通子『外国映画監督・ス
タッフ全集』 キネマ旬報社参考)
『渦巻く都会』-The Power of the
Press-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:フレデリック・A・トン
プソン
-脚色:ソニア・レヴィン
-撮影:チェスター・ライオンズ
-出演:ダグラス・フェアバンク
ス・ジュニア/ジョビナ・ラルストン/ミルドレッド・ハリス/フィロ・マッカロー/ウィーラー・オークマン
『サブマリン』-Submarine-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-脚本:ウィニフレッド・ダン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:ジャック・ホルト/ドロ
シー・レヴィア/ラルフ・グレイヴス/クラレンス・バートン
『闇を行く』-The Way of the
Strong-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:ウィリアム・コンセルマ
ン
-脚本:ピーター・ミルン
-脚色:ウィリアム・コンセルマ
ン
-撮影:ベン・F・レイノルズ
-出演:ミッチェル・ルイス/ア
リス・デイ/マーガレット・リヴィングストン/セオドア・フォン・エルツ/ウィリアム・ノートン・ベイリー
『呑気な商売』-That Certain
Thing-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-脚本:エルマー・ハリス
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:ヴァイオラ・ダナ/ラル
フ・グレイヴス/バー・マッキントッシュ/アギー・ヘリング/カール・ジェラード
『陽気な踊子』-The Matinee
Idol-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:ロバート・ロード/アー
ネスト・パガノ
-脚色:エルマー・ハリス
-撮影:フィリップ・タンヌラ
-出演:ベッシー・ラヴ/ジョ
ニー・ウォーカー/ライオネル・ベルモア/アーネスト・ヒリアード
Top
1929
『ドノヴァン』-The Donovan
Affair-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:オーウェン・デイヴィス
-脚色:ドロシー・ハウエル
-撮影:テッド・テズラフ
-出演:ジャック・ホルト/ドロ
シー・レヴィア/ウィリアム・コリアー・ジュニア/ジョン・ローシュ/フレッド・ケルシー
『空の王者』-Flight-(米)
-監督・台詞:フランク・キャプ
ラ
-原作:ラルフ・グレイヴス
-撮影:ジョー・ウォルター/エ
ルマー・ダイヤー/ジョー・ノヴァック
-出演:ジャック・ホルト/ライ
ラ・リー/ラルフ・グレイヴス/アラン・ロスコー/ハロルド・グッドウィン
Top
1930
『有閑夫人』-Ladies of
Leisure-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-原作:ミルトン・H・グロッ
パー
-脚色:ハリー・コーン
-撮影:ジョセフ・オーガスト
-出演:バー
バラ・スタンウィック/ラルフ・グレイヴス/ローウェル・シャーマン/マリー・プレヴォー/ナン
ス・オニール
Top
1931
『街の灯の見櫓』-His First Flame-(米)
-監督:ハリー・エドワーズ
-原作:アーサー・リップリー/
フランク・キャプラ
-撮影:ウィリアム・ウィリアム
ス/アーニー・クロケット
-出演:ハリー・ラングドン/ナ
タリー・キングストン/ルース・ハイアット/ヴァーノン・デント/バッド・ジェーミソン
『奇蹟の処女』-The Miracle
Woman-(米、パラマウント)
-監督:フランク・キャプラ
-原作戯曲:ジョン・ミーハン/
ロバート・リスキン
-脚本:ジョー・スワーリング
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:バー
バラ・スタンウィック/デヴィッド・マナーズ/サム・ハーディ/ベリル・マーサー/ラッセル・ホプ
トン
『プラチナ・ブロンド』-Platinum
Blonde-(米、パラマウント)
-監督:フランク・キャプラ
-製作:ハリー・コーン
-原作:ハリー・E・チャンド
ラー/ダグラス・W・チャーチル
-脚本:ドロシー・ハウエル/ロ
バート・リスキン/ジョー・スワーリング
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:ロレッタ・ヤング/ジー
ン・ハーロー/ロバート・ウィリアムズ/ルイーズ・クロッサー・ヘイル/ドナルド・ディラウェイ/レジナルド・
オーウェン/ウォル ター・キャトレット/ゴードン・エリオット
『大飛行船』-Dirigible-(米、パラマウン
ト)
-監督:フランク・キャプラ
-製作:ハリー・コーン
-原作:F・W・ウィード
-脚本:ジョー・スワーリング/
ドロシー・ハウエル
-撮影:ジョー・ウィルバー/エ
ルマー・ダイヤー
-出演:ジャック・ホルト/フェ
イ・レイ/ラルフ・グレイヴス/ホバート・ボズワース/ロスコー・カーンズ
Top
1932
『狂乱のアメリカ』-American
Madness-(米、パラマウント)
-監督:フランク・キャプラ
-原作・脚色:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:ウォルター・ヒュースト
ン/パット・オブライエン/ケイ・ジョンソン/コンスタンス・カミングス/ケヴィン・ゴードン
『たそがれの女』-Forbidden-(米パラマウント)
-監督・原作:フランク・キャプラ
-製作:ハリー・コーン
-脚色:ジョー・スワーリング
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:バー
バラ・スタンウィック/アドルフ・マンジュー/ラルフ・ベラミー/ドロシー・ピーターソン/トーマ
ス・ジェファーソン/マーナ・フレショルト/シャーロット・ヘンリー/オリヴァー・エックハート/ロジャー・
バーン/リン・コンプトン/ラリー・ドーラン
Top
1933
『袁将軍の苦いお茶』-The Bitter Tea of
General Yen-(米)
-監督:フランク・キャプラ
-製作:ウォルター・ウェン
ジャー
-原案:グレイス・ザリング・ス
トーン
-脚本:エドワード・E・パラモ
ア
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-音楽:W・フランク・ハーリン
グ
-出演:レックス・ハリスン/バー
バラ・スタンウィック/ニルス・アスター/ウォルター・コノリー/ギャヴィン・ゴードン/ルシア
ン・リトルフィールド/リチャード・ルー/ヘレン・ジェローム・エディ
『一日だけの淑女』-Lady for a Day-(米)★
-監督:フランク・キャプラ
-原作:デイモン・ラニヨン
-脚本:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-出演:ウォーレン・ウィリアム(賭博者の親分“殿様”/デーヴ)/メイ・ロブソン(りんご売り/アニー)/ガイ・キビー/グレンダ・ファレル/ジーン・パーカー(アニーの1人娘/ルイズ)/ウォルター・コノリー/ネッド・スパークス/ナット・ペンドルトン
-『ポケット一杯の幸福』(1961)としてリメイクされた。
Top
1934
『其の夜の真心』-Broadway Bill-(米)☆
-監督:フランク・キャプラ
-原作:マーク・ヘリンジャー
-脚本:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-美術:C・C・コールマン
-出演:ワーナー・バクスター/
マーナ・ロイ/ウォルター・コノリー/ヘレン・ヴィンソン/リン・オーヴァーマン/ルシル・ボール
『或
る夜の出来事』-It Happened One Night-(米)(ア
カデミー賞作品賞)★
-監督:フランク・キャプラ(ア
カデミー監督賞)
-製作:ハリ・コーン/フラン
ク・キャプラ
-原作:サミュエル・ホプキン
ス・アダムス
-脚色:ロバート・リスキン(ア
カデミー脚色賞)
-撮影:ジョゼフ・ウォー
カー
-音楽:ルイス・シルヴァー
ス
-出演:ク
ラーク・ゲーブル(新聞記者/ピーター・ウォーン)(ア
カデミー主演男優賞)/ク
ローデット・コルベール(アンドルースの一人娘/エリー)(ア
カデミー主演女優賞)/ウォルター・コノリー(大銀行家/アンドルース)/ジェームスン・トーマス(飛行家/キング・ウェストリー)/ロスコー・カーンズ/アラン・ヘイル/ウォード・ボンド
-『ロー
マの休日』(1953)を思わせ る『或
る夜の出来事』(1934)がい い。
内
容が面白いし、テンポがいい。
クラーク・ゲーブルとクローデット・コルベー
ルの掛け合いが見事だ。
そ
れに、バスの中で乗客たちと楽しそうに合唱するク
ラーク・ゲーブル(ピーター・ウォーン新聞記
者役)がチャーミングである。
“ヒッ
チハイクの心得”と言って、親指を立て1番目、2番目、3番目とク
ローデット・コルベールにポーズして見せるシーンなど可笑しく、可愛らしい。
コ
ルベールがスカートの裾をめくって車を止めるシーンなどはロードムービーの定番となった。
見
所満載のこの作品はア
カデミー賞主要5部門を独占した。
納
得だ。
ロ
マンチック・コメディの古典的傑作で沢山の監督たちの手本となった。[全
文へ]
※『或る夜の出来事』を超えるラブ・ロマンスは出現していない
といい続けられている。
『或る夜の出来事』クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール
『或る夜の出来事』クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール
『或
る夜の出来事』クローデット・コルベール、クラーク・ゲーブル
『或る夜の出来事』クラーク・ゲーブルとクローデット・コルベール
『或る夜の出来事』クローデット・コルベール、クラーク・ゲーブル
『或る夜の出来事』クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール
…『或
る夜の出来事』でア
カデミー監督賞を受賞して彼の名声は不動のものとなる。
名
脚本家ロバート・リスキンと組み、社会風刺とヒューマニズムの香り高い数々の作品を撮り、アメリカ映画に一
時代を築いた。(1989.5.30飯倉通子『外国映画監
督・スタッフ全集』 キネマ旬報社 参考)
Top
1936
『オ
ペラハット』--Mr.Deeds goes to Town-(米、コロンビア)★
-監督・製作:フランク・キャプラ(ア
カデミー監督賞)
-原作:クラレンス・バディント
ン・ケランド
-脚色:ロバート・リスキ
ン
-撮影:ジョセフ・ウォー
カー
-音楽:ハワード・ジャクソン/
エドワード・バーンズ
-出演:ゲー
リー・クーパー(ロングフェロウ・ディーズ)/ジー
ン・アーサー(モーニング・スター社の女記者/ベーブ・ベネット)/ジョージ・バンクロフト/ライオネル・スタンダー/ダグラス・ダンブリル
/メイヨ・メソット/レイモンド・ウォルバーン/ウォルター・キャトレット
-『或 る夜の出来事』(1934)『我 が家の楽園』(1938)『群衆』(1941)と
いった名作を連発したフ
ランク・キャプラとロバート・リスキンの名コンビの作品。
こ
の作品も『ス
ミス都へ行く』のように民主主義の【光と影】を描いた名作で、純朴
なゲー
リー・クーパーを手玉に取る記者のジー
ン・アーサーがいい。
『オペラ・ハット』ゲー
リー・クーパー
Top
1937
『失はれた地平線』-Lost
Horizon-(米、コロムビア)☆
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:ジェームズ・ヒルトン
-脚色:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-美術:ステファン・グーソン
-音楽監督:モリス・W・ストロ
フ
-作曲:ディミトリ・ティオムキ
ン
-出演:ロナルド・コールマン/
ジェーン・ワイアット/H・B・ワーナー/トーマス・ミッチェル/マーゴ
Top
1938
『我が家の楽園』-You Can't Take It
With You-(米、コロンビア)(ア
カデミー賞作品賞)★
-監督:フランク・キャプラ(ア
カデミー監督賞)
-製作:フランク・キャプラ/モ
ス・ハート/ジョージ・S・カウフマン
-原作:ジョージ・S・カウフマ
ン/モス・ハート
-脚本:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-美術:ステファン・グーソン
-音楽:ディミトリ・ティオムキ
ン
-出演:ジェー
ムズ・スチュワート(トニー)/ジーン・アーサー(秘書/アリス)/エドワード・アーノルド(トニーの父/アンソニー・カービー)/ライオネル・バリモア(ヴァンダホフ)/アン・ミラー/ミシャ・オウア/スプリング・バイイントン/ドナルド・ミー
ク
/ハリウェル・ホッブス/ダブ・
テイラー/サミュエル・S・ハインズ/ハリー・ダヴェンポート/ウォード・ボンド
Top
1939
『ス
ミス都へ行く』-Mr. Smith Goes to Washington-(米)-★
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:ルイス・R・フォスター(ア
カデミー脚本(原作)賞)
-脚本:シドニー・バックマン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-音楽:ディミトリ・ティオムキ
ン
-出演:ジェー
ムズ・スチュワート(スミス)/ジーン・アーサー(サンダース)/クロード・レインズ(ペイン上院議員)/エドワード・アーノルド(ジム・テイラー)/ガイ・キビー(ホッパー州知事)/トーマス・ミッチェル(ディズ・ムーア)/ユージン・パレット/ボーラ・ボンディ/ハリー・ケリー/H・B・ワーナー
/チャールズ・レイン/ポーター・ホール/ ジャック・カーソン
※ア
カデミー脚本(原作)賞
アメリカの良心と民主主義の【光と影】を描いたフ
ランク・キャプラ監督の代表的な作品だ。
私
は1980年代前半に初めて観た、その時の感動を今も忘れない。
政界のことを何も知らないスミスの目付け役の秘書をサンダースがすることになる。
サ
ンダースはこの世界を知り尽くし嫌になって辞めたいと思っていた頃だった。
秘
書は引き受けたものの、苛立っていた。が徐々にスミスに惹かれてゆく。
サ
ンダース…「候補地は?」
ス
ミス… 「うってつけの所がある 知らないだ
ろうな」
サ
ンダース…「NO」
ス
ミス…「僕には自分の庭と同じだ 見せたい
よ」
「草原を吹き渡る風 牧場の小川 荒れる急流」
「夕日を背に帰る牛の群れ 消え残った雪」
「一生一度はああいう 土地で暮らすべきだ」
「父も言ってた」
「感動の目を忘れるな」
「木一本 石ころ一つにも 自然が宿っている」
「トンネルの中で前途に 光を見た時の あの喜び」
サ
ンダース… 思い描きながら聞いている。美しい。
ス
ミス…「いつもあれを忘れず 周囲の世界を見
ろ」
「君の故郷は?」
サ
ンダース…「暗いトンネル」
ス
ミス…「都会か」
サ
ンダース…「バルチモアよ」
ス
ミス…「いつから自活?」
サ
ンダース…「16の時から」
ス
ミス…「16で…ご両親は?」
サ
ンダース…「父は医者だったけど お金とは縁
がなくて」
「仕事に戻りません?」
ス
ミス…「苦労したんだね」
サ
ンダース…「別に」
ス
ミス…「女性の身で偉いな」
「こんなすごい人は 初めてだ」
「今度だって君なしじゃ」
サ
ンダース…「ほんとね」
ス
ミス…「そうだった ともかく 議案をやっつ
けよう」
「皆 君を呼びすてだね」
「サンダース うん この方がいい」
「サンダース 議案は?」
サ
ンダース…「だめね」
ス
ミス…「では片づけよう 道は遠そうだが」
「君 名前は?」
サ
ンダース…「Why?」
ス
ミス…「だれも呼ばないね」
サ
ンダース…「口笛では呼ぶわ」
ス
ミス…「あるはずだ」
サ
ンダース…「どうでもいいことよ」
ス
ミス…「花を見たら名を知りたくなるだろ
う?」
「ヴァイオレット」
サ
ンダース…「NO」
ス
ミス…「アビゲール」
サ
ンダース…「NO」
ス
ミス…「レティシア」
サ
ンダース…「NO」
ス
ミス…「リナ」
サ
ンダース…「やめて」
ス
ミス…「まだまだ」
サ
ンダース…「降参 クラリッサよ」
ス
ミス…「クラリッサ」
「よし 仕事だ」
こ
の場面のジー
ン・アーサーが好きだ。
そして、この場面の彼女も。
何
も知らないで上機嫌で帰ってきたスミスに、スーザンから目的を知らされていたサンダースは…[全
文へ]
演出もさることながら、明るくて正義感の強いアメリカ青年役を演じたジ
ミーの実直さが素晴らしい!
そ
して、サンダース役のジー
ン・アーサー、ペイン役のクロード・レインズなど魅力的な役者が揃っている。
素
晴らしい作品をありがとう!と素直な気持ちで言える作品に出会えて幸せだ。
私
は、この作品を観てフ
ランク・キャプラ監督が大好きになった。
『スミス都へ行く』クロード・レインズ、ジェームズ・スチュアート
『スミス都へ行く』撮影時 ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー、フラン
ク・キャプラら
Top
1941
『群衆』-Meet John
Doe-(米、NCC)★
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:リチャード・コネル/ロ
バート・プレスネル
-脚色:ロバート・リスキン
-撮影:ジョージ・バーンズ
-音楽:ディミトリ・ティオムキ
ン
-音楽監督:レオ・F・フォーブ
ステイン
-出演:ゲー
リー・クーパー(田舎リーグの投手くずれ/ジョン・ウィロービー)/バー
バラ・スタンウィック(婦人記者/アン)/ウォルター・ブレナン(ジョンの相棒/“大佐”)/エドワード・アーノルド(社長/ノートン)/スプリング・バイイントン/ジェームズ・グリーソン(新編集長/コネル)/ジーン・ロックハート
『群衆』ゲーリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック
Top
1944
『毒薬と老嬢』-Arsenic and Old
Lace-(米)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作戯曲:ジョセフ・ケッセル
リング
-脚色:ジュリアス・J・エプス
タイン/フィリップ・G・エプスタイン
-撮影:ソル・ポリート
-編集:オーウェン・マークス
-音楽:マックス・スタイナー
-出演:ケー
リー・グラント/プリシラ・レイン/ジョセフィン・ハル/ジーン・アディア/レイモンド・マッセイ
/ピーター・ローレ/ジェームズ・グリーソン/ジャック・カーソン
Top
1946
『素
晴らしき哉、人生!』-It's a Wonderful Life-(米)★(私
の好きな映画・名作と思う映画3位)
-監督・製作:フランク・キャプラ(ゴー ルデングローブ監督賞)
-原作:フィリップ・ヴァン・ド
レン・スターン
-脚本:フランセス・グッドリッ
チ/アルバート・ハケット/フランク・キャプラ
-撮影:ジョセフ・ウォーカー/
ジョセフ・バイロック
-美術:ジャック・オッケイ
-音楽:ディミトリ・ティオムキ
ン
-出演:ジェー
ムズ・スチュワート(ジョージ・ベイリイ)/ド
ナ・リード(メリイ)/
ライオネル・バリモア(銀行家/ポッター)/ヘンリー・トラヴァース(2級天使/クラレンス)/トーマス・ミッチェル/ビューラ・ボーンディ(ジョージの母親)/フランク・フェ
イレン(タクシードライバー/アーニー・ビショッ
プ)/ウォード・ボンド(警官/バート)/グロリア・グレア
ム(バ
イオレット)/H・
B・ワーナー(薬
局店主/ガウワー)/
トッド・カーンズ(ジョー
ジの弟/ハリー・ベイリー)/
サミュエル・S・ハインズ(ジョージの父親/ピーター・ベイリー)/
メアリー・トリーン(従妹/ティリー)/
フランク・アルバートソン(友
達/サム・ウェインライト)/ヴァージニア・パットン(弟ハリーの結婚相手/
ルース・ディキン)/
チャーリー・レイン(不動産業者)/
シェルドン・レナード(バーテンダー/ニック)/
ビル・エドマンズ(マルティーニ)
- フ
ランク・キャプラが遺した、あなたの存在の大切さを気づかせる最高傑作である。
”誠実に生きることの素晴らしさ”を謳い上げたこの作品は、当初はあまり評価されなかった
が、 今日ではクリスマスに欠かせないものとなっている。
アメリカでは勿論のこと、世界中で、心が洗われ、勇気づけられる作品として愛され続けてい
る。
”光と影”を撮り続けたキュプラ監督の集大成ともいえる作品が、クリスマスプレゼントとし
て胸 に刻み込まれることだろう。[全
文へ]
「ズ
ズの花びら」とジェー
ムズ・スチュワートが… 最高傑作を目にする瞬間がそこにある。
キャプラ、ワイラー、
スティーヴンスが設立したリバティ・プロの第1回作品。
『素晴らしき哉、人生!』ド
ナ・リード、ジェームズ・スチュアート
『素晴らしき哉、人生!』ド
ナ・リード、ジェームズ・スチュアート
『素晴らしき哉、人生!』ド
ナ・リード
『素晴らしき哉、人生!』ジェー
ムズ・スチュアート、ドナ・リードら
Top
1948
『愛の立候補宣言』-State of the
Union-(米)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:ハワード・リンゼイ/
ラッセル・クローズ
-脚本:マイルズ・コノリー/ア
ンソニー・ヴェイラー
-撮影:ジョージ・フォルシー
-音楽:ヴィクター・ヤング
-出演:ス
ペンサー・トレイシー/キャサリン・ヘプバーン/アンジェラ・ランズベリー
Top
1950
『恋は青空の下』-Riding
High-(米、パラマウント)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:マーク・ヘリンジャー
-脚本:ロバート・リスキン
-撮影:ジョージ・バーンズ/
アーネスト・ラズロ
-美術:ハンス・ドライヤー/
ウォルター・タイラー
-音楽:ジェームズ・ヴァン・
ヒューゼン
-音楽監督:ヴィクター・ヤング
-作詞:ジョニー・バーク
-出演:ビング・クロスビー(ダン・ブルック)/コリーン・グレイ(ヒギンスの末娘/アリス)/チャールス・ビックフォード(財閥/J・L・ヒギンス)/マーガレット・ハミルトン/フランセス・ギフォード/ジェームズ・グリーソ
ン/レイモンド・ウォルバーン/ウィリアム・デマレスト/ウォード・ボンド/クラレンス・ミューズ(馬丁/ホワイティ)/パーシー・キルブライド/ジーン・ロックハート/ダグラス・ダンブリル
Top
1951
『花婿来たる』-Here Comes the
Groom-(米)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原案:リーアム・オブライエン
/ロバート・リスキン
-脚本:リーアム・オブライエン
/ヴァージニア・ヴァン・アップ/マイルズ・コノリー
-撮影:ジョージ・バーンズ
-作詞:ジョニー・マーサー
-作曲:ホーギー・カーマイケル
-音楽監督:ジョセフ・J・リ
リー
-出演:ビング・クロスビー/
ジェーン・ワイマン/フランチョット・トーン/ロバート・キース/アレクシス・スミス/ジェームズ・バートン
/ルイ・アームストロン グ
『女群西部へ!』-Westward the
Women-(米)
-監督:ウィリアム・A・ウェル
マン
-製作:ドア・シャリー
-原作:フランク・キャプラ
-脚本:チャールズ・シュニー
-撮影:ウィリアム・メラー
-音楽:ヘンリー・ラッセル
-出演:ロ
バート・テイラー/ドニーズ・ダルセル
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1959
『波も涙も暖かい』-A Hole in the
Head-(米)(喜劇)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作・脚本:アーノルド・シュルマン
-撮影:ウィリアム・H・ダニエ
ルズ
-作詞:サミー・カーン
-作曲:ジェームズ・ヴァン・
ヒューゼン
-音楽:ネルソン・リドル
-出演:フランク・シナトラ(トニー)/エリノア・パーカー(未亡人/ロジャース)/エドワード・G・ロビンソン(トニーの兄/マリオ)/エディ・ホッジス/キャロリン・ジョーンズ(シャール)/セルマ・リッター
-8年ぶりにフランク・シナトラと独立プロを創立してメガフォンをとった。
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1961
『ポケット一杯の幸福』-Pocketful of
Miracles-(米、ユナイテッド・アーチスツ)
-監督・製作:フランク・キャプラ
-原作:デーモン・ラニョン
-脚本:ハル・カンター/ハ
リー・テュージェンド
-脚色:ロバート・リスキン
-撮影:ロバート・ブロンナー
-美術:ハル・ペレイラ/ローラ
ンド・アンダーソン
-作詞:サミー・カーン
-作曲:ジミー・ヴァン・ヒュー
ゼン
-音楽:ウォルター・シャーフ
-出演:グレン・フォード(親分/デュード)/ペティ・デイビス(リンゴ売り/アニー婆さん)/ホープ・ラング(デュードの女友達/クィーニー)/ピーター・フォーク/アン=マーグレット(アニーの一人娘/ルイーズ)/ベティ・ブロンソン/ジャック・イーラム/アーサー・オコンネル(スペイン一の名家/ロメロ伯爵)
-『一日だけの淑女』(1933)の再映画化。
『ポケット一杯の幸福』ペティ・デイビス
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1991
…9月3日、永眠。
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〜写真〜
『素 晴らしき哉、人生!』撮
影中のフランク・キャプラとジェー
ムズ・スチュアート
フランク・キャプラ
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※記号[★:特に好きな作品 ☆:面白い
作品 (私の好きな映画・名作と思う映画):私のベスト :注目]
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