ジーン・アーサー
   (1908.10.17-1991.6.19) (アメリカ、ニューヨーク州ワシントン・ハイツ生まれ)-Jean Arthur-
プロフィール 独自の作品解釈 写真館
年譜

〜プロフィール〜

 ジー ン・アーサーはアメリカの良心と民主主義の光と影を描いたフ ランク・キャプラ監督の作品で輝いた。
 特 に『ス ミス都へ行く』(1939)の国会議 員の秘書サンダースを活き活きと演じた彼女がいい。
 そ れに、同じくキャ プラ監督の作品『オ ペラ・ハット』(1936)で純朴なゲー リー・クーパーを手玉 に取る記者も印象的でいい。
 『我が家の楽園』(1938)ではユニークな家族の中で溌剌としている秘書のアリスが観られる。
  シャルル・ボワイエとハイヒールを脱ぎ捨てて嬉しそうに♪ラ・クンパルシータを踊る人妻の『歴 史は夜作られる』(1937)もいい。
  彼女の爽やかな表情が見られる。
  それから、仄かな想いを寄せる人妻を慎ましく演じた『シェー ン』(1953)の彼女も好きだ。

 ジーン・アーサーはサイレント時代から活躍していたが、そう思えない新しさがあ る。
 彼女が演じた殆どの役が若々しい。
 活力がある。
 『スミス 都へ行く』のラストシーンで傍聴席から議場へ向かって「ヤッホー!」と歓声をあげたサンダース役の彼女は新鮮な 響きを轟かせた。
  その飾り気のない声と共に彼女の瞳は輝いていた。
  サンダースが光を見つけたように、一生懸命に生きている素晴らしさを伝えてくれた。

 ジーン・アーサーは“となりの娘”とアメリカでは呼ばれていたそうだ。
  何か納得してしまった。

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〜独自の作品 解釈〜

1936
『オ ペラ・ハット』-Mr.Deeds goes to Town-(米.コロンビア)
1937
『歴 史は夜作られる』-History Is Made at Night-(米.ユナイテッド)
1939 『ス ミス都へ行く』-Mr. Smith Goes to Washington-
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方 は、ご了承下さい。
1939
『コ ンドル』-Only Angels Have Wings-
1953
『シェー ン』-Shane- (米)
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方 は、ご了承下さい。

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〜年譜〜
[1908][1923 快骨カービー][1924 宣伝地獄][1925 キートンの栃麺棒][1927 弱虫運動療法 幸運馬蹄騒動記 無理矢理空の 大統領][1928 俺は名選手 父と子 野球王][1929 恋のデパート 半分天国 カナリヤ殺人事件 
砂丘を越えて グリーン家の惨劇 フーマンチュウ博士 の秘密
]
[1930 若き翼 命を賭ける男 銀鱗に躍る 続フーマ ンチュウ博士 パラマウント・オン・パレイド][1931 純真花婿 町内大人気 沈黙の犯罪 珍暗黒街][1932]
[1935
 夢の並木路 深夜の大都会 俺は善人だ ダイヤモンド・ジム 男性 No.1][1936 マンハッタン夜話 オペラ・ハット 一対二 平原児 彼氏と女秘書]
[1937 女は得です 歴史は夜作られる][1938 我が家の楽園]
[1939
 スミス都へ行く コンドル][1940 アリゾナ][1942 希望の降る街]
[1943 西部を駆ける恋][1948 異国の出来事][1950][1953 シェーン][1967][1985 George Stevens:A Filmn Journey][1991][写真]

1908

10月17日、アメリカ、ニューヨーク州ワシントン・ハイツ生まれ。本名Gradys Georgianna Greene。
父 はプロ写真家。
小学生頃から写真家のモデルをしていたが、20世紀フォックスのタレント・スカウトに 発見され子役として映画界へ入る。

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1923

『快骨カービー』-Cameo Kirby-(米.フォックス)
-監督:ジョン・フォード
-原作戯曲:ハリー・レオン・ ウィルソン/ブース・ターキントン
-脚色:ロバート・N・リー
-撮影:ジョージ・シュナイダー マン
-出演:ジョン・ギルバート/ ガートルード・オルムステッド/アラン・ヘイル/エリック・メイン/ウィリアム・E・ローレンス  /リチャード・タッカー/フィリップス・スモーリー/ジャック・マクドナルド/ジーン・アーサー

『快骨カービー』で準主役でデビューするが不評で脇役に降ろされ、ドタ バタ・シリーズに回される。
翌年、契約満了と同時にクビとなり二流会社の二巻物スラップスティック・コメディやB 級西部劇に出演し希望をつなぐ。

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1924

『宣伝地獄』(米)
-出演:/ジーン・アーサー

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1925

『キートンの栃麺棒』-Seven Chances-(再公開題名『セブン・チャンス』)
-監督:バスター・キートン
-出演:バスター・キートン/ ジーン・アーサー

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1927

『弱虫運動療法』-The Poor Nut-(米)
-監督:リチャード・ウォーレス
-原作:J・C・ニュージェント /エリオット・ニュージェント
-脚色:ポール・スコフィールド
-撮影:デイヴィッド・ケッソン
-出演:ジャック・マルホール/ チャーリー・マレイ/ジーン・アーサー/ジェーン・ウィントン/グレン・トライオン

『幸運馬蹄騒動記』-Horse Shoes-(米)
-監督:クライド・ブラックマン
-原作:モンティ・バンクス/ チャールズ・ホーラン
-出演:モンティ・バンクス/ヘ ンリー・バロウズ/アーニー・ウッド/ジョン・エリオット/ジーン・アーサー

『無理矢理空の大統領』-Flying Luck-(米)
-監督:ハーマン・C・レイメイ カー
-原作:チャールズ・ホーラン/ モンティ・バンクス
-脚本:チャールズ・ホーラン/ マット・テイラー
-出演:モンティ・バンクス/ ジーン・アーサー/ジョン・W・ジョンストーン/キューピー・モーガン/エディ・チャンドラー

ティファニー社で主役を得て認められ、パテをへてパラマウントと契約する。

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1928

『俺は名選手』-Brotherly Love-(米.M.G.M)
-督:チャールズ・F・ライズナー
-原作:ペタースン・マゾーニ
-脚本:アール・ボールドウィン /ルウ・リプトン
-撮影:ヘンリー・シャープ
-編集:ジョージ・ハイヴリー
-出演:カール・デーン/ジョー ジ・K・アーサー/ジーン・アーサー/リチャード・カーライル/エドワード・コネリー

『父と子』-Sins of the Fathers-(米)
-監督:ルドウィッヒ・ベルガー
-原作:ノーマン・バーンスタイ ン
-脚色:E・ロイド・シェルドン
-撮影:ヴィクター・ミルナー
-編集:チャールズ・ファースマ ン
-出演:エミール・ヤニングス/ ルース・チャッタートン/バリー・ノートン/ジーン・アーサー

『野球王』-Warming Up-(米.パラマント)
-監督:フレッド・ニューメイ ヤー
-脚本:サム・ミンツ
-脚色:レイ・ハリス
-撮影:エドワード・クロンジェ ガー
-出演:リチャード・ディックス /ジーン・アーサー/フィロ・マッカロー/クロード・キング/ビリー・ケント・シェファー

綺麗な声ではないために、トーキーへの転進があやぶまれたが無事に乗り越える。
ジュ リアン・アンカーと結婚したが同年離婚。

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1929

『恋のデパート』-The Saturday Night Kid-(米.パラマウント)
-監督:エドワード・サザーラン ド
-脚本:ジョージ・アボット/ ジョン・V・A・ウィーヴァー/ロイド・コリガン/エセル・ドハーティー
-撮影:ハリー・フィッシュベッ ク
-出演:クララ・ボウ/ジーン・ アーサー/ジェームズ・ホール/チャールズ・セロン/エセル・ウェールス

『半分天国』-Half Way To Heaven-(米.パラマウント)
-監督:ジョージ・アボット
-原作:ヘンリー・L・ゲーツ
-脚色:ジョージ・アボット
-撮影:ジョージ・ラング・ジュ ニア
-編集:ウィリアム・シー
-出演:チャールズ・バディー・ ロジャース/ジーン・アーサー/ポール・ルーカス/ヘレン・ウェーア/オスカー・アッフェル

『カナリヤ殺人事件』-The Canary Murder Case-(米.パラマウント)
-監督:マルコム・セント・クレ ア
-原作:S・S・ヴァン・ダイン
-脚本脚色:アルバート・シェルビー・ル・ヴィ ノ/フローレンス・ライアソン
-撮影:ハリー・フィッシュベッ ク
-出演:ウィリアム・パウエル/ ジーン・アーサー/ジェームズ・ホール/ルイズ・ブルックス/チャールズ・レーン

『砂丘を越えて』-Stairs of Stand-(米.パラマウント)
-監督:オットー・ブラワー
-原作:ゼーン・グレイ
-脚本:アグネス・ブランド・ リー/J・ウォルター・ルーベン/サム・ミンツ
-撮影:レックス・ウィンピー
-出演:ウォーレス・ビアリー/ ジーン・アーサー/フィリップス・ホームズ/フレッド・コーラー/チェスター・コンクリン

『グリーン家の惨劇』-The Green Murder Case-(米.パラマウント)
-監督:フランク・タトル
-原作:S・S・ヴァン・ダイン
-脚本:バートレット・コーマッ ク
-脚色:ルイズ・ロング
-撮影:ヘンリー・ジェラード
-出演:ウィリアム・パウエル/ フローレンス・エルドリッジ/ウルリッヒ・ハウプト/ジーン・アーサー/ユージン・ポーレット

『フーマンチュウ博士の 秘密』-The Mysterious Dr. Fu Manchu-(米.パラマウント)
-監督:ローランド・V・リー
-原作:サックス・ローマー
-脚色:フローレンス・ライアソ ン/ロイド・コリガン
-撮影:アーチー・スタウト
-出演:ワーナー・オーランド/ ニール・ハミルトン/ジーン・アーサー/O・P・ヘギー/ウィリアム・オースティン

パラマウントはジーン・アーサーに年7本も出演させていた。

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1930

『若き翼』-Young Eagles-(米.パラマウント)
-監督:ウィリアム・A・ウェル マン
-原作:エリオット・ホワイト・ スプリングス
-脚本:ウィリアム・スレイヴン ス・マクナット/グローヴァー・ジョーンズ
-撮影:アーチー・スタウト
-出演:チャールズ・バディー・ ロジャース/ジーン・アーサー/ポール・ルーカス/スチュアート・アーウィン/ヴァージニア・ブルース

『命を賭ける男』-Street of Chance-(米.パラマウント)
-監督:ジョン・クロムウェル
-原作:オリヴァー・H・P・ ギャレット
-脚色:ハワード・エスタブルッ ク
-撮影:チャールズ・ラング
-出演:ウィリアム・パウエル/ ケイ・フランシス/レジス・トゥーミー/ジーン・アーサー/スタンリー・フィールズ

『銀鱗に躍る』-The Silver Horde-(米)
-監督:ジョージ・アーチェン ボード
-原作:レックス・ビーチ
-脚色:ウォーレス・スミス
-撮影:レオ・トーヴァー/ジョ ン・W・ボイル
-出演:イヴリン・ブレント/ル イス・ウォルハイム/ジョエル・マクリー/レイモンド・ハットン/ジーン・アーサー

『続フーマンチュウ博 士』-The Return of Dr. Fu Manchu-(米.パラマウント)
-監督:ローランド・V・リー
-原作:サックス・ローマー
-脚色:フローレンス・ライアソ ン/ロイド・コリガン
-撮影:アーチー・スタウト
-出演:ワーナー・オーランド/ ニール・ハミルトン/ジーン・アーサー/O・P・ヘギー/ウィリアム・オースティン

『パラマウント・オン・ パレイド』-Paramount on Parade-(米.パラマウント)(白黒)
-監督:ドロシー・アーズナー/ オットー・ブラワー/エドモンド・グールディング/ヴィクター・ヒアマン/エドウィン・H・ノッフ/ローラン ド・V・リー/エ ルンスト・ルビッチ/ロウ ター・メンディス/ヴィクター・シェルツィンゲル/エドワード・サザーランド/フランク・タトル
-撮影:ハリー・フィッシュベッ ク/ヴィクター・ミルナー
-スクリプター:エルシー・ジャ ニス
-振り付け:デイヴィッド・ベ ネット
-出演:リチャード・アーレン/ ジーン・アーサー/ウィリアム・オースティン/ジョージ・バンクロフト/クララ・ボウ

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1931

『純真花婿』-The Virtuous Husband-(米.ユニヴァーサル)
-監督:ヴィン・ムーア
-原作戯曲:ドランス・デイヴィ ス
-脚色:デール・ヴァン・エヴァ リー
-撮影:ジェローム・アッシュ
-出演:エリオット・ニュージェ ント/ジーン・アーサー/ベティー・カンプソン/J・C・ニュージェント/アリソン・スキップワース

『町内大人気』-Ex-Bad Boy-(米.ユニヴァーサル)
-監督:ヴィン・ムーア
-原作戯曲:ジョン・エマーソン /アニタ・ルース
-脚色:デール・ヴァン・エヴァ リー
-撮影:ジェローム・アッシュ
-出演:ロバート・アームストロ ング/ジーン・アーサー/ジェイソン・ロバーズ/スペンサー・チャータース

『沈黙の犯罪』-The Lawyer's Secret-(米.パラマウント)
-監督:ルイ・ガスニエ/マック ス・マーシン
-脚色:ロイド・コリガン/マッ クス・マーシン
-撮影:アーサー・L・トッド
-出演:クライヴ・ブルック/ チャールズ・バディー・ロジャース/リチャード・アーレン/フェイ・レイ/ジーン・アーサー

『珍暗黒街』-The Gang Buster-(米.パラマウント)
-監督:エドワード・サザーラン ド
-原作:パーシー・ヒース
-台詞:ジョセフ・L・マンキー ウィッツ
-撮影:ハリー・フィッシュベッ ク
-出演:ジャック・オーキー/ ジーン・アーサー/ウィリアム・ボイド/ウィン・ギブソン/ウィリアム・モリス

順調にスターへの道を歩みだしていたが、演技の未熟を悟ってニューヨークへ戻り2年 間、舞台で磨きをかける。

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1932

フランク・J・ロス・ジュニアと再婚したが、49年離婚。

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1935

『夢の並木路』-If You Could Only Cook-(米)
-監督:ウィリアム・A・サイ ター
-原作:F・ヒュー・ハーバート
-脚色:ハワード・J・グリーン /ガートルード・パーセル
-撮影:ジョン・ステューマー
-出演:ハーバート・マーシャル /ジーン・アーサー/レオ・カリーロ/ライオネル・スタンダー/アラン・エドワーズ

『深夜の大都会』-The Public Menace-(米.コロンビア)
-監督:アール・C・ケントン
-脚本:エセル・ヒル/ライオネ ル・ハウザー
-撮影:ヘンリー・フロイリッヒ
-出演:ジーン・アーサー/ ジョージ・マーフィー/ダグラス・ダンブリル/ジョージ・マッケイ/ロバート・ミドルマス

『俺は善人だ』-The Whole Town's Talking-(米)
-監督:ジョン・フォード
-原作:W・R・バーネット
-脚本:ジョー・スワーリング/ ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・オーガスト
-出演:エドワード・G・ロビン スン/ジーン・アーサー/アーサー・ホール/ウォーレス・フォード

『ダイヤモンド・ジム』-Diamond Jim-(米)
-監督:エドワード・サザーラン ド
-製作:エドモンド・グレイン ジャー
-原作:パーカー・モレル
-脚本:プレストン・スタージェ ス
-脚色:ハリー・クローク/ドリ ス・マロイ
-撮影:ジョージ・ロビンソン
-音楽:ファーディ・グロフェ/ フランツ・ワックスマン
-出演:エドワード・アーノルド /ジーン・アーサー/ビニー・バーンズ/セザール・ロメロ

『男性No.1』-Public Hero No. 1-(米)
-監督:J・ウォルター・ルーベ ン
-製作:ルシエン・ハバード
-原作:J・ウォルター・ルーベ ン/ウェルズ・ルート
-脚本:ウェルズ・ルート
-撮影:グレッグ・トーランド
-出演:ライオネル・バリモア/ ジーン・アーサー/チェスター・モリス/ジョゼフ・キャレイア/ポール・ケリー

コロンビアと契約。

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1936

『マンハッタン夜話』-Adventure in Manhattan-(米.コロンビア)
-監督:エドワード・ルドウィグ
-原作:ジョゼフ・クラムゴール ド/メイ・エジントン
-脚色:シドニー・バックマン/ ハリー・ソーバー/ジャック・カークランド
-撮影:ヘンリー・フロイリッヒ
-出演:ジーン・アーサー/ジョ エル・マクリー/トーマス・ミッチェル/ハーマン・ビング/ヴィクター・キリアン

『オ ペラ・ハット』-Mr.Deeds goes to Town-(米.コロンビア)
-監督製作:フ ランク・キャプラ(ア カデミー監督賞)
-原作:クラレンス・バディント ン・ケランド 
-脚本:ロバート・リスキ ン 
-撮影:ジョセフ・ウォー カー 
-音楽:ハワード・ジャクソン/ エドワード・バーンズ
-出演:ゲー リー・クーパー/ジーン・アーサー/ジョージ・バンクロフト/ライオネル・スタンダー/ダグラス・ ダンブリル/メイヨ・メソット/レイモンド・ウォルバーン/ウォルター・キャトレット
-『或 る夜の出来事』(1934)『我 が家の楽園』(1938)『群衆』(1941)と いった名作を連発したフ ランク・キャプラとロバート・リスキンの名コンビの作品。
こ の作品も『ス ミス都へ行く』のように民主主義の【光と影】を描いた名作で、純朴 なゲー リー・クーパーを手玉に取る記者のジーン・アーサーがいい。


『オペラ・ハット』ゲー リー・クーパー

『一対二』-The Ex-Mrs. Bradford-(米.RKO)
-監督:スティーブン・ロバーツ
-製作:エドワード・カウフマン
-原作:ジェームズ・エドワー ド・グラント
-脚色:アンソニー・ヴェイラー
-撮影:J・ロイ・ハント
-出演:ウィリアム・パウエル/ ジーン・アーサー/ジェームズ・グリースン/エリック・ブローア/ロバート・アームストロング

『平原児』-The Plainsman-(米.パラマウント)
-監督製作:セシル・B・デミル
-原作:コートニー・ライリー・ クーパー/フランク・J・ウィルスタック 
-脚本:ウォルデマー・ヤング/ ハロルド・ラム/リン・リッグス
-撮影:ヴィクター・ミルナー
-音楽:ボリス・モロス/ジョー ジ・アンシール
-出演:ゲー リー・クーパー/ジーン・アーサー/ジェームズ・エリソン/チャールズ・ビックフォード/ポー ター・ホール/ヴィクター・ヴァルコニ/ヘレン・バージェス/ジョン・ミルジャン/ギャビー・ヘイズ/アンソ ニー・クイン/フランシス・フォード

『彼氏と女秘書』--(米.コロンビア)
-監督:アルフレッド・E・グ リーン
-原作:マット・テイラー
-脚本:エセル・ヒル/アベイ ン・カンデル
-脚色: デール・ヴァン・エヴァリー/リン・スターリング
-撮影: ヘンリー・フロイリッヒ
-出演: ジーン・アーサー/ジョージ・ブレント/ライオネル・スタンダー/ルース・ドネリー/レジナルド・デニー

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1937

『女は得です』-Easy Living-(米.パラマウント)
-監督:ミッチェル・ライゼン
-製作:アーサー・ホーンブロ ウ・ジュニア
-原作:ヴェラ・キャスパリー
-脚色:プレストン・スタージェ ス
-撮影:テッド・テズラフ
-出演:ジーン・アーサー/エド ワード・アーノルド/レイ・ミランド/ルイ・アルバーニ/メアリー・ナッシュ

『歴 史は夜作られる』-History Is Made at Night-(米.ユナイテッド)
-監督:フランク・ボーゼージ
-製作:ウォルター・ウェン ジャー
-原案脚本:ジーン・タウン/グレアム・ベイ カー
-撮影:グレッグ・トーランド
-音楽:アルフレッド・ニューマ ン
-出演:シャルル・ボワイエ(ポール・デュモン/パリで名高い給仕長)/ジーン・アーサー(アイリーン・ヴェイル)/コリン・クライヴ(アメリカ海運界の巨頭ブルース・ヴェイル /アイリーンの夫)/レオ・ キャリロ(シー ザー/コック長セザール)/イ ヴァン・レベデフ
-挿入曲:♪ラ・ク ンパルシータ
-紳士なシャルル・ボワイエとハイヒールを脱ぎ捨てて嬉しそうに♪ラ・クンパル シータを踊るジーン・アーサーの人妻役が爽やかでいい。また、コミカルなシーザー役のレオ・ キャリオが作品を盛り上げてくれる。


『歴史は夜作られる』シャルル・ボワイエ、ジーン・アーサー

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1938

『我が家の楽園』-You Can't Take It With You-(米.コロンビア)(ア カデミー賞作品賞
-監督:フ ランク・キャプラ(ア カデミー監督賞)
-製作:フ ランク・キャプラ/モス・ハート/ジョージ・S・カウフマン
-原作:ジョージ・S・カウフマ ン/モス・ハート
-脚本:ロバート・リスキン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-美術:ステファン・グーソン
-音楽:ディミトリ・ティオムキ ン
-出演:ジェー ムズ・スチュアート/ジーン・アーサー(秘書/アリス)/エドワード・アーノルド/ライオネル・バリモア/アン・ミラー/ミシャ・オ ウア/スプリング・バイイントン/ドナルド・ミーク/ハリウェル・ホッブス/ダブ・テイラー/サミュエル・S・ ハインズ/ハリー・ダヴェンポート/ウォード・ボンド
-ユニークな家族の中で溌剌としている秘書のアリスを演じている。


『我が家の楽園』ライオネル・バリモア、ジェームズ・スチュアート、ジーン・アー サー、エドワード・アーノルド

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1939

『ス ミス都へ行く』-Mr. Smith Goes to Washington-(米)
-監督製作:フ ランク・キャプラ
-原作:ルイス・R・フォスター(ア カデミー脚本(原作))
-脚本:シドニー・バックマン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-音楽:ディミトリ・ティオムキ ン
-出演:ジェー ムズ・スチュアート(スミス)/ ジーン・アーサー(サ ンダース)/クロード・レイン ズ(ペイン上院 議員)/エドワード・アーノル ド(ジム・テイ ラー)/ガイ・キビー(ホッパー州知事)/トーマス・ミッチェル(ディズ・ムーア)/ユージン・パレット/ボーラ・ボンディ/ハリー・ケリー/H・B・ワーナー /チャールズ・レイン/ポーター・ホール/ ジャック・カーソン
ア カデミー脚本(原作)
-アメリカの良心と民主主義の【光と影】を描いたフ ランク・キャプラ監督の代表的な作品だ。
私 は1980年代前半に初めて観た、その時の感動を今も忘れない。

政界のことを何も知らないスミスの目付け役の秘書をサンダースがすることになる。
サ ンダースはこの世界を知り尽くし嫌になって辞めたいと思っていた頃だった。
秘 書は引き受けたものの、苛立っていた。が徐々にスミスに惹かれてゆく。
サ ンダース…「候補地は?」
ス ミス…「うってつけの所がある 知らないだろ うな」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「僕には自分の庭と同じだ 見せたい よ」
「草原を吹き渡る風 牧場 の小川 荒れる急流」
「夕日を背に帰る牛の群れ  消え残った雪」
「一生一度はああいう 土地で暮らすべきだ」
「父も言ってた」
「感動の目を忘れるな」
「木一本 石ころ一つにも  自然が宿っている」
「トンネルの中で前途に  光を見た時の あの喜び」
サ ンダース…思い描きながら聞いている。美しい。
ス ミス…「いつもあれを忘れず 周囲の世界を見 ろ」
「君の故郷は?」
サ ンダース…「暗いトンネル」
ス ミス…「都会か」
サ ンダース…「バルチモアよ」
ス ミス…「いつから自活?」
サ ンダース…「16の時から」
ス ミス…「16で…ご両親は?」
サ ンダース…「父は医者だったけど お金とは縁 がなくて」
「仕事に戻りません?」
ス ミス…「苦労したんだね」
サ ンダース…「別に」
ス ミス…「女性の身で偉いな」
「こんなすごい人は 初めてだ」
「今度だって君なしじゃ」
サ ンダース…「ほんとね」
ス ミス…「そうだった ともかく 議案をやっつ けよう」
「皆 君を呼びすてだね」
「サンダース うん この方がいい」
「サンダース 議案は?」
サ ンダース…「だめね」
ス ミス…「では片づけよう 道は遠そうだが」
「君 名前は?」
サ ンダース…「Why?」
ス ミス…「だれも呼ばないね」
サ ンダース…「口笛では呼ぶわ」
ス ミス… 「あるはずだ」
サ ンダース…「どうでもいいことよ」
ス ミス…「花を見たら名を知りたくなるだろ う?」
「ヴァイオレット」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「アビゲール」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「レティシア」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「リナ」
サ ンダース…「やめて」
ス ミス…「まだまだ」
サ ンダース…「降参 クラリッサよ」
ス ミス…「クラリッサ」
「よし 仕事だ」
こ の場面のジーン・アーサーが好きだ。

そして、この場面の彼女も。
何 も知らないで上機嫌で帰ってきたスミスに、スーザンから目的を知らされていたサンダースは、
サ ンダース…「なぜ帰らないの 演説なら小川に すればいい」
「ここはあなたの来る所じゃない 場違いよ」
「見ていられない 帰ってよ」と いい、今日が審議日だったので法案を通らせないために誘い出されたと話す。
そ して、記者と結婚すると心にないことを口にして、秘書を辞めると事務所を出る。
事 務所を出たサンダースはスミスを思い泣く。

そして、この場面。
小 遣い銭泥棒にされ傷悴したスミスは辞めて帰郷しようとする。
リ ンカーン記念堂の名言も政界の醜さを知ったスミスには信じられない。
リ ンカーン像もしっかり見上げられない。
荷 物を持ち、人目のない所へ行く。
力なく座り込み肩を落として泣く。
さ迷う視線の先にサンダースがいた。
母親のような温かい眼差しを注ぐサンダースが。
そして、優しく声を掛ける。
サ ンダース…「やはりここね いい勘でしょ」
ス ミス…「元気?」
サ ンダース…「ええ」
ス ミス…「ご主人は?」
サ ンダース…「結婚はやめたの」
「事務所に何が待っていたと思う?」
ス ミス…「NO」
サ ンダース…「ジャムよ」
ス ミス…「いちご?」
「あれは最高だ」
サ ンダース…「これであなたも 本物の議員ね」
ス ミス…「故郷で子供相手に 演説していろと 言ったね」
「僕はたわけた夢を 頭につめこんだ子供だと」
「君の言うとおりだ」
「ここは僕には無縁の世界だ」
「何も信じられない」
「あのペイン議員が僕を子供の小遣い泥棒にした」
「昔から崇拝していた あの人が」
「ここは美辞麗句を刻んだ 碑だらけ」
「刻ませたのは あゝいう連中だ」
「その実 何をしてる」
「僕は出て行く 美辞麗句や腐ったショーはいらん」
サ ンダース…「帰って子供たちに なんて話す の」
ス ミス…「真実を話す それしかない」
サ ンダース…「わかってくれるかしら」
「きっと問いつめるわ」
「“なぜ逃げたの なぜ闘わなかったの”」
ス ミス…「何ができる」
「テイラーやペイン 権謀術数を相手にこの僕が」
サ ンダース…「リンカーンの時だって あゝいう 連中はいたわ」
「でも彼は逃げなかった」
「そういう人がいるから 救われるのよ」
「逃げだしてはだめ」
「あんな連中ばかりが 全部じゃないわ」
「あなたが信じていたのは ペインだけなの?」
「もっと大きなもの あなたの信念はないの?」
「今 この国に必要なのは それよ」
「リンカーンがだれかを 待っていると言ったわね」
「そうよ 彼の仕事を継ぐ者を待っているのよ」
「テイラーのような連中を 根こそぎにする者を」
「それはあなただわ」
ス ミス…「何をすればいい」
サ ンダース…「逃げないと誓って」
「私に考えがあるの あなたならできるわ」
ス ミス…「クラリッサ 一杯やろう」
サ ンダース…「そうこなくちゃ」
議 会に戻って汚名を晴らすよう激励する。


『スミス都へ行く』クロード・レインズ、ジェームズ・スチュアート

抗議文の数々に自分の負けを知らされる。
ズタズタに傷つけられたスミスが電報を握り締め、これが自分がやったことへの報い かと立ち竦む。
「ジェフ 止めて!」とサンダースが泣きながら叫ぶ。
スミスはサンダースの方へ視線を向けるが悲しみに満ちている。
議長と目が合う。
議長が笑みを返しながらスミスを見詰めている。
スミスも悲しそうな笑みを返す。
そして、ペイン議員の方へ視線を移し、
ス ミス…「これが負け勝負か」
「ペイン氏にはわかるはずだ」
「昔は氏も負け勝負を 好んで闘った」
ペインを見て、
「それもただー」
「“隣人を愛せ”の 素朴な信条から」
「憎悪のはびこるこの社会で そういう人は貴重だ」
「だからあなたが 好きだった」
「負け勝負は苦しいもの だ」
「そう ある人のように 死ぬこともある」
「皆さんは僕の負けと 思っているだろう」
「違う 僕はどこまでも 負け勝負を続ける」
「この欺まんだらけの 議場で」
「そのうちにだれか独り 独りぐらいは僕の話を…」
倒れる。
サ ンダース…「ジェフ!」
堪らなくなったペインは議場を出てゆく。

スミスの容態を「気絶しているだけだ」と聞いたリチャード少年が、
リ チャード少年…「大丈夫だよ」と、 サンダースにポーズで知らせる。
ホッとするサンダース。
その時、銃声がする。
どよめく議場。
自殺しようとしたペインが止められている。
ペ イン…「死なせてくれ 生きていられない」と 大声でいいながら議場へ戻ってくる。
そして、
ペ イン…「ダムは不正だ 私は州民を裏切った」
「彼の話はすべて本当だ」
「テイラーの事も私の事も 腐り切った州政府の事も」
「除名してくれ 私には資格がない」と 真実を告白する。
騒然となる議場。
子供たちが喜び飛び跳ね合っている。
記者たちが記事を送ろうと慌てる。
小躍りして喜ぶサンダース。
議長が静粛にと静まらせようとするが、その手がゆるやかになり止まる。
そして、両手を首の後ろに持ってゆく。
傍聴席から議場へ向かってサンダースが「ヤッホー!」と歓声をあげる。それは暗いトンネルから光を見た喜びだった。
議長が両手を首の後ろで組み合わせ、その騒ぎを楽しむように椅子を揺らしている。
軽快な音楽が流れ晴れやかな気分にさせて終わる。

演出もさることながら、明るくて正義感の強いアメリカ青年役を演じたジ ミーの実直さが素晴らしい!
そして、サンダース役のジーン・アーサー、ペイン役のクロード・レインズなど魅力 的な役者が揃っている。
「素晴らしい作品をありがとう!」と素直な気持ちで言える作品に出 会えて幸せだ。
私は、この作品を観てフ ランク・キャプラ監督が大好きになった。[全 文へ]


『スミス都へ行く』撮影時 ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー、フラン ク・キャプラら

『コ ンドル』-Only Angels Have Wings-(米.コロンビア)
-監督原作:ハワード・ホークス
-脚色:ジュールス・ファースマ ン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー
-空中撮影:エルマー・ダイヤー
-音楽:ディミトリ・ティオムキ ン
-技術顧問:ポール・マンツ
-出演:ケー リー・グラント/ジーン・アーサー/リチャード・バーセルメス/リ タ・ヘイワース/トーマス・ミッ チェル
-ハワード・ホークス監督の粋な話術が堪能できる作品だ。
ケーリー・グラントとジーン・ アーサーの軽妙な恋の駆引きも楽しめるが、トーマス・ミッチェルの味わいのある演技は必見だ。[『コ ンドル』]


『コンドル』ケーリー・グラント、トーマス・ミッチェル、ジーン・アーサーら

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1940

『アリゾナ』-Arizona-(米.セントラル)
-監督:ウェズリー・ラッグルズ
-原作:クラレンス・バディント ン・ケランド
-脚色:クロード・ビニヨン
-撮影:ジョセフ・ウォーカー/ ハリー・ハーレンペルガー
-出演:ジーン・アーサー/ウィ リアム・ホールデン/ウォーレン・ウィリアム/ポーター・ホール/ポール・ハーヴェイ

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1942

『希望の降る街』-The Talk of the Town-(米)
-監督製作:ジョージ・スティーヴンス
-原案:シドニー・ハーモン
-脚本:デイル・ヴァン・エヴェ リー/アーウィン・ショウ/シドニー・バックマン
-撮影:テッド・テズラフ
-出演:ケー リー・ グラント/ジーン・アーサー/ロナルド・コールマン/エドガー・ ブキャナン/グレンダ・ファレル/チャールズ・ディングル/エマ・ダン/レックス・イングラム

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1943

『西部を駆ける恋』-A Lady Takes a Chance-(米)
-監督:ウィリアム・A・サイ ター
-製作:フランク・ロス
-脚本:ジョー・スワーリング
-脚色:ロバート・アードリー
-撮影:フランク・レッドマン
-音楽:ロイ・ウェッブ
-出演:ジーン・アーサー/ジョ ン・ウェイン/チャールズ・ウィニンジャー/フィル・シルヴァース/メアリー・フィールド

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1948

『異国の出来事』-A Foreign Affair-(米)(『海外の事件』)
-監督:ビ リー・ワイルダー
-製作:チャールズ・ブラケット
-脚本:チャールズ・ブラケット /ビ リー・ワイルダー/リチャード・L・ブリーン
-撮影:チャールズ・ラング
-出演:ジーン・アーサー/マレーネ・ディートリッヒ(元ナチ党員)/ジョン・ランド/ミラード・ミッチェル

この頃から舞台に専念。

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1950

ブロードウェイのミュージカル<ピーター・パン>で大成功をおさめた。

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1953

『シェー ン』-Shane-(米パラマウント)(西部劇)
-監督製作:ジョージ・スティーヴンス
-原作:ジャック・シェー ファー 
-脚色:A・B・ガスリー・Jr
-撮影:ロイヤル・グリッグス(ア カデミー撮影賞(カラー部門))
-特殊効果:ゴードン・ジェニン グス
-美術:ハル・ペレイラ/ウォル ター・タイラー
-音楽:ヴィクター・ヤング
-出演:アラン・ラッド(流れ者のガンファイター/シェーン)/ヴァン・ヘフリン(ジョー・スターレット)/ジーン・アーサー(マリアン・スターレット)/ブランドン・デ・ウィルデ(ジョーイ・スターレット)/ジャック・パランス(ウィルソン)/エミール・メイヤー/ベン・ジョンソン/エリシャ・クック・Jr/エド ガー・ブキャナン
-主題曲:♪遥かな る山の呼び声
アカデミー作品・監督・ 脚色・ 助演男優(ブランドン・デ・ワイルド、ジャック・ パランス)賞 ノミネート撮 影賞(カラー部門)を受賞
英国アカデミー賞作品賞(総合)・男優賞(国外)(ヴァン・ ヘフリン)がノミネート
-真の勇気、友情、愛が描かれた不滅の名作。
ワ イオミング州の開拓地に水を求めてやってきた流れ者のガンマン、シェーン(アラン・ラッド)がジョーイ少年(ブランドン・デ・ウィルデ)に話し 掛けるオープニングとラストシーンが好きだ。
特 にオープニングのシェーンの背後に流れる郷愁溢れる♪遥かなる山の呼び声のメロディーと、小 川の細波、小鳥の囀り、長閑な牛の鳴き声が心地よく響いてくるのが堪らない。
そ こにアラン・ラッドの魅力的な低音が加わる演出は最高だ。
こ の作品が大ヒットし今日でも愛されているのがよく解る。

9才のジョーイ少年の視点で映し出されてゆく映像は、観客の視線を少年と同一化させ興 味を増幅させる。
流 れ者のシェーンならずとも、体を休めたくなる温かい一家、愛に溢れた家族。
シェー ンはジョーとの男同士の意気を感じ合い、また、優しく包み込むようなマリアン(ジーン・アー サー)との心の交わり、それにジョーイ少年が抱く英雄像に応えようとする。
理 想的な家族を守るために一度は捨てた銃で決闘の場へ向かう。
命 を掛けて…
詩 情豊かな風景描写に人情と精神が盛り込まれた名作中の名作だ。
映画史上に残る名ラストシーン「シェーン! カムバック!」と共に作品は生き続けている。

まず、巨匠ジョージ・スティーヴンスの巧みな演出に拍手だ。
ジョー イ少年の視点で描きながら、それぞれの立場(シェー ンを英雄として見ているジョーイとそれを壊さないようにしているシェーン。男の意気を大切に思っているシェーン とジョー。シェーンとジョーとマリアンの三 角関係。ジョーとライカーの長年の対立。シェーンとクリスの格闘。シェーンとウィルソンの早撃ち対決。大人の対 応を見せるグラフトン。虚勢を張るトリー。 農民たちのリーダー格のジョーの立場。
混迷する農民たち。人間と動物の 関係)から作品を楽しめるような演出をしている。
ま た、配役がいい。
開拓農民の家に流れ着いたガンマン、シェーンはアラン・ラッドそのものと言える適 役である。
アラン・ラッドの穏やかな表情と低音の魅力が落ち着いたシェーンのイメージにピッ タリである。
ジョーイを演じたブランドン・デ・ウィルデは少年らしい好奇心、正義感を率直に伝 える好演であった。
黒装束で薄笑いを浮かべ不気味さを漂わせたウィルソン役のジャック・パランスの悪 役ぶりや、シェーンに仄かな想いを寄せる人妻マリアンを慎ましく演じたジーン・アーサー、それに、男ら しいジョーを演じたヴァン・ヘフリンの味も見逃せない。

12、3才頃、TV放映されたこの作品を観て巨匠ジョージ・スティーヴンスが描く真の 勇気、友情、愛に感動した。
私 が洋画ファンになったきっかけの作品であるが、数十年、年を重ねた今日でも色褪せていない。
お 薦めの作品である。[全 文へ]


『シェーン』ブランドン・デ・ウィルデ、アラン・ラッド


『シェーン』アラン・ラッド、ブランドン・デ・ウィルデ

久し振りにハリウッドへ行き『シェーン』に出演する。
こ れを最後にTVに移り、[ガン・スモーク][Jean Arthur Show](1966)に出た が成功しなかったそうだ。

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1967

ブロードウェイに最後の夢を掛けたと思われる自らの企画もキャンセルされる。
映 画復帰の噂も絶えなかったそうだが、これも実現せずに終わった。

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1985

『George Stevens:A Filmn Journey』(記録映画)

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1991

6月19日、心臓発作で永眠。(享年82才)

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〜写真〜


ジー ン・アーサー

※ 記号[:特に好きな作品 :面白い作品  :注目]
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参 考文献
『コ ンドル』
『ス ミス都へ行く』
『シェー ン』
マ レーネ・ディートリッヒ
ウィ リアム・ホールデン
ケー リー・グラント
ゲー リー・クーパー
ジェー ムズ・スチュアート
エ ルンスト・ルビッチ
ビ リー・ワイルダー
フ ランク・キャプラ
女 優
サ イトマップ
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