フランソワ・ペリエ、ジュリエッタ・マシーナ ※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ い。 監督…フェ デリコ・フェリーニ 制作…ディノ・デ・ラウレンティス 原作…フェ デリコ・フェリーニ/エンニオ・フライアーノ/トゥリオ・ピネリ 脚本…フェ デリコ・フェリーニ/エンニオ・フライアーノ/トゥリオ・ピネリ 撮影…アルド・トンティ 音楽…ニーノ・ロータ 挿入曲…♪喜歌劇「メリー・ウィドー」から〜ワ ルツ《唇は黙して》〜(レハール作曲) 出演…ジュリエッタ・マシーナ(カビリア/マリア・チェカレッリ)(カ ンヌ映画祭最優秀女優演技賞) ………フランソワ・ペリエ(オスカー・ドノフリオ) ………アメディオ・ナザーリ(アルベルト・ラツァーリ) ………フランカ・マルツイ(ワンダ) ………ドリアン・グレイ ………アルド・シルヴァーニ 愛を演出するフェ リーニと奏で
るニーノ・ロータの芸術の世界を、ジュリエッタ・マシーナの秀逸された演技で
心に響かせる作品だ。 悉く男に騙され続けている、娼婦カ
ビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は愛 に飢えている純真無垢な女だった。
そのカビリアが初めていい人と感じた男オスカー(フランソ ワ・ペリエ)と知 り合う。 オスカーは誠意を持って接し、カビリアが娼婦だということも承知の上 で「結婚しよう」という。 今の生活を変えたいと思っていたカビリアは、家を売り払い、貯金を全部下ろして、 オスカーの胸に飛びつくことにする。 さあ!新生活が始まるとウキウキしているカビリアを散歩に誘うオスカー。
オスカー…「湖に沈む夕 日を見よう」と、 オスカーがカビリアを崖の方へ誘う。 崖っぷちで夕日を見ているオスカー。
夕日を見て、 オスカーの傍へ行くカビリア。 カビリア…「きれい」と、 言いながらオスカーに寄り添い腕を組むカビリア。 オスカーは煙草を吸っているが手に落ち着きがなく、顔に汗をかいている。 湖を見て、 オスカーの息遣いが早くなり肩で息をしている。
オスカーを見詰めながら、
彼女の方を見たオスカーを見て、
湖の方へ目をやり、 カビリアの背後に近づこうとして、思い止まるオスカーの顔は汗まみれだ。 湖を見ながら、 俯いてカビリアから離れ煙草を吸うオスカー。 カビリア…「ボートはな いの?」と 言うカビリア。 煙草を捨てカビリアの方を向き、
湖を見ながら、 ただならぬ様子のオスカーを見て、
汗塗れのオスカーの目が血走っている。 驚き、後ずさりし、ぐらつくカビリア。
数歩、その場から離れ、悲しそうな表情でオスカーに、
オスカー…「…」 カビリア…「答えて」
突っ立ているオスカーに駆け寄りながら、
オスカー…「…」 一瞬躊躇し、オスカーの上着を掴むカビリア。 オスカーの顔を優しく擦りながら、
オスカー…「…」 悲しみが込み上げてくるカビリア。 擦る手を止め、オスカーの目を見るカビリア。
オスカー…「…」
オスカーの前にバックを差し出すカビリア。 頭を垂れたままのオスカー。 差し出したバックを落とし、後ずさりして顔を覆い泣き出すカビリア。
汗塗れでカビリアを見ていたオスカーは、足元のバックに視線を移す。 顔を覆い、声を殺しながら泣いていたカビリアが、オスカーへ向き直り、両手を合わ
せて、 カビリア…「もう生きて いたくない」と 言うカビリア。 汗塗れの顔に手を持って行き、動揺しているオスカー。 合わせた両手を握り締め、悲しみに満ちた声で、
カビリア…「こんな人生
には うんざりよ 動揺しながら足元に視線を送るオスカー。 カビリア…「生きていた くない」と 言うカビリア。 立ち上がり崖っぷちへ行き、
慌ててカビリアに駆け寄り、
嫌がり暴れるカビリア。 カビリアを崖っぷちから、引き寄せ、
声を上げ泣くカビリア。 泣き崩れるカビリアから、手を離し後ずさりするオスカー。 オスカーの手を求めて、手を伸ばしながら、
地面のバックが映し出される。 そこに、走って行ったオスカーの姿が。
その傍らでは、 バックを掴むオスカー。 後ずさりしながら逃げていくオスカー。 躓くオスカー。 その姿を見ながら、 オスカーの姿が見えなくなる。 カビリア…「お願い 殺 して」と、 伸ばしていた手を拳にして地面を叩きながら号泣する。 そして、地面を転げまわりながら、
カビリア…「殺して」と、
土を両手で握り締め、蹲り泣き続けるカビリア。
すっかり暗くなっている。
音楽が聞こえてくる。 若い男女たちがバイクに乗ってはしゃいだり、少年少女が賑やかに楽器を演奏し歌っ
ている。 微かな希望を見せるフェリーニ
ならで はの演出だ。 Top
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