ジャン=ルイ・トランティニャン、ロミー・シュナイダー ※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。 ☆ → 〜避難〜〜女〜〜愛〜〜深 い関係〜〜寛ぎ〜〜案内所〜〜ユダヤ人〜〜機銃掃射〜〜顔〜〜旅の終わり〜〜3年後〜〜再会〜〜手〜 ← 監督…ピエール・グラニエ・ドフェー ル 製作…ピエール・グラニエ・ドフェー ル 製作総指揮…ラルフ・ボーム 原作…ジョルジュ・シムノン 脚本…ピエール・グラニエ・ドフェー ル/パスカル・ジャルダン 撮影…ワルター・ウォティッツ 編集…ジャン・ラウェル 音楽…フィリップ・サルド 出演…ジャン=ルイ・トランティニャ ン(フランス人/ジュリアン・マロアイユ) ………ロ ミー・シュナイダー(ドイツ生まれのユダヤ人/アンナ) ………ニク・アリギ(妻/モニーク) ………アンヌ・ヴィアゼムスキー ………レジーヌ ………フランコ・マツィエリ ………ジョルジュ・シムノン ………ピエール・グラニエ=ドフェー ル ………モーリス・ビロー ………ポール・ル・ペルソン(ナチス秘密警察/係員) ロ
ミー・シュナイダーが艶っぽく、ラストシーンではジャン=ルイ・トランティニャンとロミー・
シュナイダーが、究極の愛を演じた。 第2次大 戦初期(1940年5月)、 ベルギーの国境近くのフュノアで平凡な生活を送っていた修理業を営むフランス人のジュリアン(ジャ ン=ルイ・トランティニャン)が ドイツ軍のフランス侵攻から逃れるために、身 重な妻モニーク(ニ ク・アリギ)と娘を連れてスダンから列 車に乗ろうとする。
だが、 ジュリアンは警備係に妻子が乗る客車とは別の貨車に乗るよう指示される。
妻子を気 遣うジュリアンが指示され乗った最後部の貨車には人目を惹く若い女アンナ(ロ ミー・シュナイダー)が乗っていた。
アンナが 気になるが目を合わせないようにしようとするジュリアン。
二人は自
由に身動きできない貨車の中で、互いに寄り添うようにしながら旅を続けたが、 殆んど口をきかなかった。
ジュリア
ンは赤ちゃん連れの若い女を見ているアンナに突然、 アンナの 気を引こうとしている同車両の男を見ていたジュリアンは、眼鏡を外し隣に座っ ているアンナの耳から目、鼻、そして口元へと視線を送る。
それを見
ていた男が、 抑制しよ
うとしてもアンナの魅力に引き込まれてゆくジュリアン。 客車に
乗っている妻子のことを気にしながらも、同じ貨車のアンナのことを心配するジュ リアン。 アンナに
相手にされなくて面白くない男が瓶を割り、それをジュリアンに向け決闘するよ うに促がす。
同車両の
男が止めに入る。 そんな
中、ドイツ軍戦闘機の機銃掃射を警戒して客車と貨車は切り離される。 線路が爆 撃を受け列車が急停車する。
明日は分 からない張り詰めた空気の中、二人はお互いに求め合い深い関係になっていっ た。
線路の修
理の間に廃墟で寛ぐ二人。
ムーラン
駅で家族の消息を案内所で聞けるというアナウンスが流れる。
家族の消
息が分からないままに戻ってきたジュリアンに、
アンナの 国籍を聞くジュリアン。
躊躇する アンナに、再度聞き返すジュリアン。
アンナは
ドイツ人でベルギーの難民キャンプにいたと話す。
フランス 人のジュリアンはユダヤ人の置かれた状況を聞き驚く。 列車がド
イツ軍戦闘機の機銃掃射を浴びる。
多数の死
傷者を出す。
嗚咽して 泣いているアンナを抱き寄せ両手で頬を優しく包み込むジュリアン。
アンナ…「発車でき る?」と
聞くアンナ。
明日も知 れない状況下、二人は愛を深めてゆく。
アンナの
ことを知りたいジュリアンが夫の事を聞く。 アンナ…「“地上では 誰も助けてくれない”」と
ジュリアンの膝枕で詩を読むアンナ。
恥ずかしそうに、
ジュリア ン…「好きだよ アンナ」と 言うジュリアン。
顔をジュリアンに寄せるアンナ。
愛される悦びが伝わってくる。
列車はド
イツ軍戦闘機の機銃掃射を浴びて多数の死傷者を出しながらラ・ロシェルに着い た。
アンナを 救おうと赤十字で妻と偽り手続きをするジュリアン。
妻子の消
息を突き止めたジュリアンはアンナと共に病院に駆けつける。
病室に急 ぐジュリアンを見ているアンナ。
アンナ…“ここに私の居 場所はない”と アンナは姿を消す決意をする。
病院を後
にするアンナは、
バスの窓
から病院の方を見詰め、
“さようなら”と 涙を流すアンナ。
妻が病院
にいる情報を得たジュリアンが、妻の元に戻ったのを見届けたアンナは黙って姿 を消した。 それから
3年後の冬、ジュリアンはナチの秘密警察に呼び出された。
パスポー
トを受け取るジュリアン。
ジュリアンを見ていた係員が、
間を置き、
二人が知り合いだと確信を持っている係員は握手したまま、
ジュリア
ンに近寄り椅子を示す係員。
ジュリアンが顔を上げると、目の前の係員がジュリアンの一瞬の反応も見逃さないぞ と鋭い視線を向けている。
動揺していることを知られないようにしようとするが、近づく足音に反応するジュリ アン。
カメラはアンナの足音と動きで、前を向いて座っているジュリアンの傍を通
り、隣の椅子に座るまでを映し出す。
ジュリアンの視線を感じているが視線を向けないアンナ。
それでも、気になってアンナを見るジュリアン。
アンナを見ていたジュリアンが視線を落とす。
係員の方を見るジュリアン。
正面を見ているアンナ。
係員…「やはり無関係で すね」と
言い、資料に目をやる係員。
ジュリアンを見るアンナ。
係
員の視線が逸れるのを待ち侘びていた二人が交わす視線がいい。
再び、正面に視線を向けるアンナ。
アンナを見ているジュリアン。
正面を見ているアンナ。
資料に目をやりながらジュリアンに、
躊躇するが、意を決したように立ち上がるジュリアン。
握り締めている手に力が入る。
それをキャッチしたジュリアンが出口のドアの前で立ち止まり、アンナを見る。
アンナと視線が合う。
係員…“おおっ”と
面白がって見ている係員。
アンナに近寄るジュリアン。
愛しいアンナの顔に触れようと手を伸ばすジュリアン。
再び、アンナの顔に手を差し出し、優しく頬を擦るジュリアン。
濡れた瞳でジュリアンを見詰めるアンナ。
感情を必死に抑えていたアンナが微かな笑みをジュリアンに向ける。
微笑むジュリアン。
二人を見ていた係員が、
ジュリア ン…“愛しいア ンナ”と 心の中で呼びかけアンナの頬を優しく擦るジュリアン。
アンナ…“ああ〜 ジュ リアン”
係員…「彼女の望みか それともお互いに必要かな
アンナを見詰めながら、
二人を見
ながら、 ジュリアンが“究極の愛”を示してくれた悦びと悲しみに泣き崩れるアンナ。
係員…「うまいものだ」と
続ける係員。
両手でアンナの顔を包み込むジュリアン。
アンナ…“ジュリアン”
何と切なく胸を打つラストシーンだ
ろ う。 ジュリアンは旅の途中に「終着駅で どうなるの」とアンナから聞かれた答えをやっと
出す ことができた。 ナチスの拷問を受け処刑されるであろう二人。
“究極の愛”を視線と触れ
るこ とで画面に描き出したロ
ミー・シュナイダーとジャン=ルイ・トランティニャンの名演に拍手だ。
〜写真〜
『離愁』ロ ミー・シュナイダー、ジャン=ル イ・トランティニャンら Top |