モンゴメリー・クリフト
   (1920.10.17-1966.7.23) (アメリカ、ネブラスカ州オマハ生まれ)-Montgomery Clift-
プロフィール 独自の作品解釈 年譜

〜プロフィール〜

 ひたむきな激しいまなざしで50年代の人気をマーロン・ブランドと分けあったモンティこと モンゴメリー・クリフト。
  繊細さと鋭い感受性を持つモンティはスクリーンに登場した瞬間に、陰影のある美しさと危うさで視聴者を画面に引 き込んでいった。
 『終着駅』(1953)のホームでコートを引きずっ て歩くジョヴァンニ。『地 上より永遠に』(1953)で銃弾を 浴びる“プルウ”。『私は告白する』(1953)で 人殺しの嫌疑をかけられても職務を貫こうとするローガン神父。『陽 のあたる場所』(1951)で悟りの境地に至るまでのジョージ。『女 相続人』(1949)でシャットアウトされた扉を叩き続けるモリス。
  モンティの痛みがスクリーンから伝わってくる。

 舞台で活躍し、多くの作品の主役で高い評価を得て“演劇界の天才少年”と いわれていたモンティは、ハリウッドからの誘いを断り続けていたという。
  やっと誘いを受けるにも映画スタジオとの長期契約を結ばず、大作や話題作(『波止場』 『エデンの東』『見知らぬ人でなく』『白鯨』『裸者と死者』『想い出』『シェー ン』『肉体のすきま風』『デジレ』『友情ある説得』『華氏451』『熱 いトタン屋根の猫』『ハリーの災難』『戦争と平和』『悲愁』など)への出演も断ることが多かったそうだ。(1 本16万ドルの出演料のとき に週給100ドルでブロードウェイに立つほうを選ぶなど)(『ニュール ンベルグ裁判』ではエー ジェントが正規の出演料を要求したのを知って無料で出演)
 そのことも影響したのだろう“演劇界の天才”オスカーが 結びつくことはなかった。

 反骨ぶりと感情の豊かさで観客をスクリーンに引き込んでいたモンティだが、アレル ギーと大腸炎に悩ませられたり、アルコールとドラッグの問題を抱えるようになったという。
  リズ(エ リザベス・テイラー)との恋に破れ、1956 年には交通事故を起 こし顔面を負傷するなどし再起不能だと思われていた。
  顔面の整形手術をして復帰するが顔面の筋肉の一部が動かなくなっていたという。
  陰影のある美しさを失ったモンティには、更に精神的な打撃と健康上の問題が覆い被さってきた。
  不運の連続であったモンティの人生は45才で幕を閉じた。
  スクリーンで伝えた痛みを遺して…

 『陽 のあたる場所』(1951)で共 演したリズは「初 めて会ったのは撮影の始まる2日前、それまでの映画を見て熱烈なファンだった。すっかり上がってし まいました。忘れがたい感激は、ラヴシーンとラスト近く 獄舎に会いに行くシーンで彼の真剣な顔を見ただけで、私は演技などしようとは思わなくてもひとりで に涙が出てしまったほどです。ある意味ではモンティと仕 事をするのは決闘をするような真剣味に迫られます。しかし、一度仕事を離れれば教養の深い。そして 話せる人です」(1994.10.11「シネマアルバム 130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈見有弘 芳賀書店より 転載)と語っていたという。

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〜独自の作品 解釈〜

1949
『女 相続人』-The Heiress-
1951
『陽 のあたる場所』-A Place in the Sun-
 …ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になって いない方は、ご了承下さい。
1953 『地 上より永遠に』-From Here to Eternity-
1954
『終 着駅』-Terminal Station-
 …ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になって いない方は、ご了承下さい。

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〜年譜〜
[1920][1933 世間並みの夫(V)][1935 フライ・アウェイ・ホーム(V)][1938 ジュビリー(V) Y・R・オベディエント・ ハズバンド(V) アイ・オブ・ザ・スパロウ(V) ザ・ワイルド・アンド・ザ・レイン(V) ダ ム・ネイチュア(V)]
[1939 ザ・マザー(V) ライフ・ウィズ・ファー ザー(V)][1940 ゼア・シャル・ビー・ノー・ファイト(V)][1941 アウト・オブ・ザ・フライング・パン(V)][1942 メキシカン・ミューラル(V) 
ザ・スキン・ オブ・アワー・ティース(V)]
[1943 アワー・タウン』(V) ザ・サーチング・ ウィンド(V)]
[1945 フォックスホール・イン・ザ・パーラー(V)  ユー・タッチド・ミー(V)][1948 赤い河 山河遥かなり]
[1949
 女相続人][1950 大空輸][1951 陽のあたる場所]
[1953 私は告白する 地上より永遠に][1954 終着駅 かもめ(V)][1956][1957 愛情の花咲く樹][1958 若き獅子たち][1959 ロンリーハーツ]
[1960 去年の夏突然に ワイルド・リヴァー][1961 荒馬と女 ニュールンベルグ裁判][1962 フロイド][1966 ザ・スパイ][写真]

1920

10月17日、アメリカ、ネブラスカ州オマハ生まれ。(二卵性双生児で 女の子の方はエセルと名づけられる)
愛 称、モンティ。
父 ビルは経営コンサルタントとして各地を歩き廻り、コーネル大学時代に知り合った母サニーと裕福な家庭を築い ていた。
生後まもなく一家はニューヨークに移り住む。
モ ンティは他の兄姉と違って学校嫌いだったので、母親が先生がわりをしていたという。(1994.10.11「シネマアルバム130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈 見有弘 芳賀書店 参考)

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1933

<世間並みの夫>(V)
-作:レイチェル・クローサース
-出演:/モンゴメリー・クリフ ト
-ブロードウェイで初舞台を踏む。(13 才)

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1935

<フライ・アウェイ・ ホーム>(V)(コメディ)
-作:ドロシー・ベネット/アー ヴィング・ホワイト
-出演:トーマス・ミッチェル/ モンゴメリー・クリフト
-2作目の舞台で4人の少年の1人として主役級を演じ注目される。
地 方好演で好評だったこの作品はブロードウェイに進出し7ヶ月ロングランされる。(1994.10.11「シネマアルバム130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈 見有弘 芳賀書店 参考)

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1938

<ジュビリー>(V)(ミュージカル)
-作:モス・ハート
-音楽:コール・ポーター
-挿入曲:♪ビギ ン・ザ・ビギン♪ジャスト・ワン・オブ・ザ・ゾーズ・シングス
-出演:モンゴメリー・クリフト(プリンス・ピーター)
-モンティは凛々しいプリンスぶりで女性ファンを夢中にさせたという。
こ の中で歌われた♪ビギン・ザ・ビギン♪ジャスト・ワン・オブ・ザ・ゾーズ・シングスはスタン ダード・ナンバーとして歌いつがれている。

<Y・R・オベディエン ト・ハズバンド>(V)
-演出:ジョン・クロムウェル
-作:ホーレス・ジャックスン
-出演:フレデリック・マーチ/ モンゴメリー・クリフト
-18世紀のイギリスのエッセイスト、リチャード・スチールを主人公にした作品だった が、失敗に終わり8回の公演で打ち切られる。(1994.10.11 「シネマアルバム130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈見有弘 芳賀書店 参考)

<アイ・オブ・ザ・スパ ロウ>(V)(コメディ)
-作:ジョン・M・ウォース
-出演:モンゴメリー・クリフト

<ザ・ワイルド・アン ド・ザ・レイン>(V)
-作:メルトン・ホッジ
-出演:モンゴメリー・クリフト

<ダム・ネイチュア>(V)
-作:アンドレ・ビラボー
-出演:モンゴメリー・クリフト

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1939

<ザ・マザー>(V)(反戦激)
-作:カレル・チャペック
-出演:モンゴメリー・クリフト

<ライフ・ウィズ・ ファーザー>(V)
-作:ラッセル・クロウズ
-出演:モンゴメリー・クリフト

世界情勢で仕事がめっきり減り挫折感をもつようになる。
兄 や姉が大学へ入学し勉強しているのに刺激されて大学に入学するが、演劇への欲望がたかまって、あっさりと大 学をあきらめて、再びブロードウェイに戻ったという。(1994.10.11 「シネマアルバム130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈見有弘 芳賀書店 参考)

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1940

<ゼア・シャル・ビー・ ノー・ファイト>(V)
-作:ロバート・E・シャーウッ ド
-出演:モンゴメリー・クリフト /アルフレッド・ルント/リン・フォンタン/シドニー・グリンストリート/フィリス・サクスター
-有名なアルフレッド・ルント、リン・フォンタン夫妻らと共演したこの作品は大評判に なったという。

この頃からハリウッドでもモンティの活躍に目をつけていたそうだ。
MGM のルイス・B・メイヤー社長は丁度企画中だったグリア・ガースン主演の『ミニヴァー夫人』の 相手役に交渉していたという。(週給750ドル、7年契約という破格の条件を蹴る)(1994.10.11「シネマアルバム130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈 見有弘 芳賀書店 参考)

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1941

<アウト・オブ・ザ・フ ライング・パン>(V)
-作:フランシス・スワン
-出演:モンゴメリー・クリフト

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1942

<メキシカン・ミューラ ル>(V)
-作:ラモン・ナヤ
-出演:モンゴメリー・クリフト
-3日で幕を閉じる。

<ザ・スキン・オブ・ア ワー・ティース>(V)
-演出:エリア・カザン
-作:ソートン・ワイルダー
-出演:モンゴメリー・クリフト /タルラ・バンクヘッド
-名女優タルラ・バンクヘッドが共演したこの作品は大評判になる。

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1943

<アワー・タウン>(V)
-作:ビ リー・ワイルダー
-出演:モンゴメリー・クリフト

<ザ・サーチング・ウィ ンド>(V)
-作:リリアン・ヘルマン
-出演:モンゴメリー・クリフト /サミュエル・ヘイゼン
-ブロードウェイのベテラン女優サミュエル・ヘイゼンが共演したこの作品は大ヒットす る。

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1945

<フォックスホール・イ ン・ザ・パーラー>(V)
-作:エルザ・シェリー
-出演:モンゴメリー・クリフト

ハリウッドから再び声がかかり、『追跡』という西部劇のスクリーン・テ ストを受けるが失敗に終わる。

<ユー・タッチド・ ミー>(V)
-作:テネシー・ウィリアムズ
-出演:モンゴメリー・クリフト
-好評であった。

10年間舞台で活躍し多くの作品の主役で高い評価を得るがハリウッドからの誘いを殆ど モンティは断り続けていた。
<ユー・ タッチド・ミー>に出演していたモンティを見たハワード・ホークスが『赤い河』(1948) に起用する。(1994.10.11「シネマアルバム 130 モンゴメリー・クリフト」責任編集筈見有弘 芳賀書店 参考)

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1948

『赤い河』-Red River-(米、モンテリ・プロ)(白黒)(西部劇)(9月17日公開)
-監督・製作:ハワード・ホーク ス
-製作総指揮:チャールズ・K・ フェルドマン
-原案:ボードン・チェイス(『Chisolm Trail』)
-脚本:ボードン・チェイス/ チャールズ・シュニー
-撮影:ラッセル・ハーラン
-美術:ジョン・D・アレンスマ
-編集:クリスチャン・ナイビー
-音楽:ディミトリィ・ティオム キン
-出演:ジョン・ウェイン(開拓者/トーマス・ダンソン)/モンゴメリー・クリフト(マシュー・ガース)/ジョーン・ドルウ(テス・ミレイ)/ウォルター・ブレナン(グルート)/コーリン・グレイ(フェン)/ ジョン・アイアランド(トム)/ノア・ビアリー・ジュニア/ハ リー・ケリー・ジュニア/ポール・フィックス
-映画デビュー。
ブ ロードウェイの『ユー・タッチド・ミー』に出演していたモンティを見たハワード・ホークスが この作品に起用した。
作 品として高い評価を受け、ハワード・ホークス初の西部劇として全米で大ヒットを記録する。
※公開は『山河遥かなり』の 方が先だが、製作は『赤い河』の方が先である。


『赤い河』モンゴメリー・クリフト

『山河遥かなり』-The Search-(米、MGM)(白黒)(8月6日公開)
-監督:フレッド・ジンネマン
-製作:ラザール・ベクスラー
-原案:リヒャルト・シュヴァイ ツァー
-脚本:ダフィット・ヴェヒス ラー
-撮影:エミル・ベルナ
-作曲:ロバート・ブラム
-出演:モンゴメリー・クリフト(アメリカ兵/ラルフ・スティーヴンソン)(アカデミー賞ノミネート)/アリーン・マクマホン(マレー夫人)/ウェンデル・コリー(ジェリー・フィッ シャー)/ヤルミラ・ノヴォトナ(ハンナ・マリク夫人)/メアリー・パットン/イワン・ヤンドル(少年/カレル・マリク)

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1949

『女 相続人』-The Heiress-(米、パラマウント)(白黒)(12月28日公開)(キ ネマ旬報ベストテン10位)
-監督製作:ウィ リアム・ワイラー
-アソシエイト・プロデュー サー:ロバート・ワイラーら
-原作:ヘンリー・ジェイムズ(『ワシントン広場』の映画化)
-脚本:ルース・ゲッツ/オウガ スタス・ゲッツ
-撮影:レオ・トーヴァー
-特殊効果:ゴードン・ジェニン グス
-美術:ジョン・ミーハン
-音楽:アーロン・コープランド
-出演:オリヴィア・デ・ハヴィ ランド(オース ティン・スローパー博士の一人娘/キャサリン・スローパー)(ア カデミー主演女優賞)/モンゴメリー・クリフト(青年/モーリス・タウンゼント)/ラルフ・リチャードソン(オースティン・スローパー博士)/ミリアム・ホプキンス(スローパー博士の妹で(未亡人/ラヴィニ ア・ペニマン)/モナ・フリー マン/ヴァネッサ・ブラウン/セレナ・ロイル
-みにくい名家の娘(オリヴィア・デ・ ハヴィランド)は声を掛けてきたヨーロッパ帰りの青年(モンゴメリー・クリフト)に恋す る。
求 婚する青年。
「青年は財産目当てだ」といい、結婚を許さない父。
駆 け落ちを約束したが…
階 段監督と言われるワイラーの演出に見事に応えたオリビア・デ・ハビランドが階段を上るシーンで感情の演じ分 けをしているのが圧巻だ。
女 性心理の深層をついていて素晴らしい作品だ。


『女相続人』モンゴメリー・クリフト、オリヴィア・デ・ハヴィランド

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1950

『大空輸』-The Big Lift-(米、20世紀フォックス)(白黒)(5月公開)
-監督脚本:ジョージ・シートン
-製作:ウィリアム・パールバー グ
-撮影:チャールズ・G・クラー ク
-美術:ライル・ウィーラー /J・ラッセル・スペンサー
-音楽:アルフレッド・ニューマ ン
-出演:モンゴメリー・クリフト(米軍曹/ダニー・マッカローワ)/ポール・ダグラス(ハンク・コフルスキー軍曹)/コーネル・ボーチャーズ(フレデリカ)/ ブルニ・レーベル(ゲルダ)/O・E・ハッセ/ダニー・ダヴェ ンポート
-時局映画。

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1951

『陽 のあたる場所』-A Place in the Sun-(米、パラマウント)(白黒)(9月公開)(キ ネマ旬報ベストテン10位)
-監督製作:ジョージ・スティーヴンス(ア カデミー監督賞)
-原作:シオドア・ドライサー(『アメリカの悲劇』の映画化)
-脚色:マイケル・ウィルソン/ ハリー・ブラウン(ア カデミー脚色賞)
-撮影:ウィリアム・C・メラー(ア カデミー撮影賞)
-SFX:ゴードン・ジェニング ス
-美術:ハンス・ドライヤー/ ウォルター・タイラー
-編集:ウィリアム・ホーンベッ ク(ア カデミー編集賞)
-音楽:フランツ・ワックスマン(ア カデミー音楽賞)
- 衣装(デザイン):イーディス・ヘッド(ア カデミー衣装デザイン賞)
-出演:モンゴメリー・クリフト(貧しい青年/ジョージ・イーストマン)(アカデミー主演男優賞ノミネート)/エ リザベス・テイラー(富豪の令嬢/アンジェラ・ヴィカース)/シェリー・ウィンタース(ジョージと同じ縫製工場で働く工員/アリス・トリップ)(アカデミー助演女優賞ノミネート)/アン・リヴィア(ハンナ・イーストマン)/ キーフ・ブラッセル/フレッド・クラーク/レイモンド・バー(地方検事/マー ロウ)/テッド・デ・コーシア/ダグラス・スペンサー
ア カデミー監督・脚色撮 影・衣装デザイン・編集・音楽の6部門受賞
-不安定な時代に生きる青年ジョージの成功と挫折を、繊細さと鋭い感受性を持つモンティ が見事に演じた。
「凝 視法」と呼ばれる手法を確立したカメラマン出身のジョージ・スティーブンス監督ならではの演出で、愛と殺意 の間で揺れ動くジョージの胸の内が効果的にスクリーンから伝えられたことも大きい。
悟 りの境地に至るまでのジョージの苦渋が切なく響いてくる作品だ。

リズ(エ リザベス・テイラー)が一番輝いていた頃の作 品で美しい。
モ ンティがプライベートでも夢中になっていたのも頷ける。[『陽 のあたる場所』へ]

※ジョゼフ・フォン・スタン バーグ監督、フィリップ・ホームズ、シルヴィア・シドニー主演『アメリカの悲劇』(1931)のリメイク。
※ジョージ・スティーブンスの『シェーン』(1953)『ジャイアンツ』(1956)とこの作品は“スティーブンスのアメリカ史3部作”と 呼ばれている。
ア カデミー脚色賞を受賞したマイケル・ウィルソンは政治が映画界に介入する厳しいマッカ シー旋風に巻 き込まれ、この作品のあとは表立って仕事ができなくなったそうだ。
『友情ある説得』(1956)『戦 場にかける橋』(1957)の脚本も 名前を変えて出していたという。


『陽のあたる場所』エリザベス・テイラー、モンゴメリー・クリフト


『陽のあたる場所』エリザベス・テイラー、モンゴメリー・クリフト


『陽のあたる場所』モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー

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1953

『私は告白する』-I Confess-(米、ワーナー)(白黒)(2月28日公開)
-監督製作:ア ルフレッド・ヒッチコック
-共同プロデューサー:バーバ ラ・キオン
-原作戯曲:ポール・アンテルム(『Nos Deux Consciences』)
-脚本:ジョージ・タボリ/ウィ リアム・アーチボールド
-撮影:ロバート・バークス
-録音:オリヴァー・S・ギャ レットソン
-音楽監督:ディミトリィ・ティ オムキン
-音楽指揮:レイ・ハインドルフ
-出演:モンゴメリー・クリフト(神父/マイケル・ローガン)/アン・バクスター(国会議員グランドフォードの妻/ルース・ グランドフォート)/カール・ マルデン(ラ ルー警部)/ブライアン・エ ハーン(ウィ リー・ロバートソン)/O・ E・ハッセ(オッ トー・ケラー)/ドリー・ハー ス(オットーの 妻/アルマ・ケラー)/オヴィ ラ・リガール(弁 護士ヴィレット)/ロジャー・ ダン(ピエー ル・グランフォール)/シャル ル・アンドレ(ミ レー神父)/ジャドソン・プ ラット(警官 マーフィー)/ジル・ペルティ エ(ブノワ神父)/アルフレッド・ヒッチコック(カメオ/オープニングで階段の上の道を横 切ってゆく男)
-人殺しの懺悔を受けた神父の苦悩が描かれる。
※カトリック信者が多いカナダの ケベックが舞台。(冨田弥生著『ヒッチコック劇場 サー・アルフレッド・ヒッ チコック』参考)


『私は告白する』アン・バクスター/モンゴメリー・クリフト


『私は告白する』モンゴメリー・クリフトら

『地 上より永遠に』-From Here to Eternity-(米、コロムビア)(白黒)(9月公開)(ア カデミー作品賞)
-監督:フレッド・ジンネマン(ア カデミー監督賞)
-製作:バディ・アドラー
-原作:ジェームズ・ジョーンズ(『From Here to Eternity』)
-脚色:ダニエル・タラダッシュ(ア カデミー脚色賞)
-撮影:バーネット・ガフィ
-美術:ケーリー・オデール
-編集:ウィリアム・ライオン
-音楽:モーリス・ストロフ/ ジョージ・ダニング
-歌:ジェームズ・ジョーンズ/ フレッド・カーガー/ロバート・ウェルズ
-出演:モンゴメリー・クリフト(“プルウ”/ロバート・E・プルウィッ ト)(アカデミー賞ノミネート)/デ ボラ・カー(ホルムズ大尉の妻/カレン・ホームズ)/ド ナ・リード(アルマ)(ア カデミー助演女優賞)/バート・ランカスター(ミルトン・ウォーデン軍曹)/フランク・シナトラ(一等兵/アンジェロ・マジオ)(ア カデミー助演男優賞)/アー ネスト・ボーグナイン(営倉主任/ファツォー)/フィリップ・オーバー(中隊長/ダナ・ホームズ大尉)/ミッキー・ショーネシー/ハリー・ベラヴァー/ジャック・ウォーデン/ジョ ン・デニス/マール・トラヴィス/ティム・ライアン/アーサー・キーガン/バーバラ・モリソン/ジーン・ウィリ ス/クロード・エイキンズ/ジョージ・リーヴス
ア カデミー作品・脚色・監督・助演男優賞・助演女優賞など8部門受賞
-第2次大戦開戦時のホノルルを舞台にした作品。
デボラ・カーが、しっとり とした色気を漂わせている。
バー ト・ランカスターとのツーショットは、刺激的である。
そ れに、非人間的な集団となっている軍隊組織の中で人間らしく生きようとする筋金入りの頑固者プルウィットの モンゴメリー・クリフトとフランク・シナトラの友情。
ク リフトの吹くラッパが悲しく響く処が圧巻だ。
そ れと、営倉主任のアー ネスト・ボーグナインの悪役ぶりも見事である。
そ して、ドナ・リードの優しい表情もいい。[『地 上より永遠に』へ]
※ジンネマン監督がコロムビア の社長ハリー・コーンの反対を押し切ってモンティをキャスティングしたという。

ボクシングとラッパ吹きを特訓の 末、完全にマスターするなどして、プルウィットになりきったモンティは撮影が終わった後も長い間役から抜け出せ なかったと語ったそうだ。


『地上より永遠に』デボラ・カー、バート・ランカスター


『地上より永遠に』バート・ランカスター、デボラ・カー


『地 上より永遠に』モンゴメリー・クリフト、ドナ・ リード、フランク・シナトラ


『地上より永遠に』ドナ・リード、モンゴメリー・クリフト

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1954

『終 着駅』-Terminal Station-(米/伊)(白黒)(7月公開)(キ ネマ旬報ベストテン5位)
-監督:ヴィッ トリオ・デ・シーカ
-製作:デビッド・O・セルズ ニック/ヴィッ トリオ・デ・シーカ
-原案:チェザーレ・ザヴァッ ティーニ
-脚本:チェザーレ・ザヴァッ ティーニ/トルーマン・カポーティ
-脚色:チェザーレ・ザヴァッ ティーニ/ルイジ・キャリーニ/ジョルジョ・プロスペリ
-台詞:トルーマン・カポーティ
-撮影:G・R・アルド
-音楽:アレッサンドロ・チコ ニーニ
-出演:ジェ ニファー・ジョーンズ(米国人の若い人妻/メァリー・フォーブス)/モンゴメリー・クリフト(米伊混血の英語教師/ジョヴァンニ・ド ナーティ)/リチャード・ベイ マー(メァリー の甥/ポール)/ディック・デ イマー/ジーノ・チェルヴィ(署長)/ パオロ・ストッパ
-男と女の出会いと別れが“終着駅”を舞台に繰り広げられる。
【よろめきの美学】ジェ ニファーの代表作で揺れ動く女心、人妻の別れの苦悩を見事に演じたが、モンティのひたむきな激 しい眼差しが最も印象的だ。
自 らの命も厭わない激しい愛を示すジョヴァンニに、燃え上がるメァリー(ジェ ニファー・ジョーンズ)の女心。[全 文へ]


『終着駅』モンゴメリー・クリフト、ジェニファー・ジョーンズ


『終着駅』ジェニファー・ジョーンズ、モンゴメリー・クリフト

<かもめ>(V)
-作:チェーホフ
-出演:モンゴメリー・クリフト
-前から希望されていた名作の舞台に復帰する。

ニューヨークの61丁目に家を買い一人の生活を始める。
ア ルコールとドラッグに入りこんでいく。
2年ぐらいのブランクができる。
心配したリズが自分との共演作『愛情の花咲く樹』をMGMに売り込む。

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1956

やっと出演を承諾したもののモンティの精神状態はきわめて悪かったという。
5 月13日、撮影中に開かれたテイラー邸でのパーティの帰り道に泥酔して車を運転していたモンティが事故を起 こし重傷を負う。
顔 面に負傷したモンティは俳優生命を断たれるのではといわれるが奇跡的にカムバックを果たす。
作 品は完成するが昔の顔を失った。

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1957

『愛情の花咲く樹』-Raintree County-(米、MGM)(カラー)(10月公開)
-監督:エドワード・ドミトリク
-製作:デイヴィッド・ルイス
-原作:ロス・ロックリッジ・ ジュニア(『Raintree County』)
-脚色:ミラード・カウフマン
-撮影:ロバート・サーティーズ
-編集:ジョン・ダニング
-音楽:ジョニー・グリーン
-主題歌:ナット・キング・コー ル
-出演:モンゴメリー・クリフト(ジョン・ウィクリフ・ショーネシー)/エ リザベス・テイラー(スザンナ・ドレイク)/エヴァ・マリー・セイント(ネル・ゲイサー)/ナイジェル・パトリック(エルサレム・ ウェブスター・スティルス)/リー・マーヴィン(オーヴィ ル“フラッシュ”パーキンス)/ロッド・テイラー(ガー ウッド・B・ジョーンズ)/アグネス・ムーアヘッド/ウオルター・アベル/トム・ドレーク /デフォレスト・ケリー

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1958

『若き獅子たち』-Young Lions-(米、20世紀フォックス)(白黒)(4月公開)
-監督:エドワード・ドミトリク
-製作:アル・リクトマン
-原作:アーウィン・ショー
-脚色:エドワード・アンハルト
-撮影:ジョー・マクドナルド
-美術:ライル・R・ウィラー/ エディソン・ハー
-編集:ドロシー・スペンサー
-音楽:ヒューゴー・フリード ホーファー
-出演:マーロン・ブランド(ドイツ中尉/クリスチャン・ディースト ル)/モンゴメリー・クリフト(ノア・アッカーマン)/ディーン・マーティン(マーガレットの婚約者/マイケル・ホワイ トエーカー)/ホープ・ラング(ホープ・プロウマン)/バーバラ・ラッシュ(マーガレット・フリーマントル)/マイ・ブリット/マクシミリアン・シェル/ドラ・ドール/リー・ヴァン・ク リーフ/リリアン・モンテヴェッキ/アーサー・フランツ

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1959

『ロンリーハーツ』(孤独の旅路)- Lonelyhearts-(米、ユナイト)(白黒)(3月公開)
-監督:ヴィンセント・J・ドナ ヒュー
-製作脚本:ドア・シャリー
-原作:ナサニエル・ウェスト(『Miss Lonelyhearts』)/ ハワード・テッチマン(戯曲)
-撮影:ジョン・アルトン
-音楽:コンラッド・サリン ジャー
-出演:モンゴメリー・クリフト(アダム・ホワイト)/ロ バート・ライアン(ウィリアム・シリク)/マーナ・ロイ(フローレンス・シンク)/ドロレス・ハート(ジャスティ・サージェ ント)/モーリン・スティプルトン(フェイ)/ フランク・マックスウェル/マイク・ケリン/ジャッキー・クーガン/フランク・オヴァートン

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1960

『去年の夏突然に』-Suddenly, Last Summer-(米、コロムビア)(白黒)(1月公開)
-監督:ジョセフ・L・マンキ ウィッツ
-製作:サム・スピーゲル
-原作:テネシー・ウィリアムズ(戯曲『Suddenly, Last Summer』)
-脚本:テネシー・ウィリアムズ /ゴア・ヴィダル
-撮影:ジャック・ヒルドヤード
-美術:ウィリアム・ケルナー
-音楽:バクストン・オウ/マル コム・アーノルド
-出演:キャサリン・ヘプバーン(市の金持ちの未亡人/ヴァイオレット・ビ ネブル夫人)/エ リザベス・テイラー(キャザリン・ホリー)/モンゴメリー・クリフト(ライオン・ビュー州立病院の若い外科医/ クックロウィッツ博士)/アル バート・デッカー(ホックステイダー博士)/マーセデス・マッ ケンブリッジ(キャ ザリンの母)/ゲーリー・レー モンド(キャザ リンの兄)/パトリシア・マー モント

『ワイルド・リヴァー』(荒れ狂う河)-Wild River-(米、20世紀フォックス)(カラー)(6月公開)
-監督製作:エリア・カザン
-原作:ウィリアム・ブラッド フォード・ヒューイ(『Mud on the Stars』)/ ボードン・ディール(『Dunbar's Cove』)
-脚本:ポール・オズボーン
-撮影:エルスワース・フレド リックス
-音楽:ケニオン・ホプキンス
-出演:モンゴメリー・クリフト(チャック・グローヴァー)/リー・レミック(キャロル)/ ジョー・ヴァン・フリート(エラ・ガース)/アルバート・サル ミ(ハンク・ベーリー)/J・C・フリッペン/ジェイムズ・ ウェスターフィールド/バーバラ・ローデン/フランク・オヴァートン/マルコム・アターベリー/ロバート・アー ル・ジョーンズ/ブルース・ダーン

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1961

『荒馬と女』-The Misfits-(米、ユナイテッド・アーチスツ)(白黒)(2月公開)
-監督:ジョン・ヒューストン
-製作:フランク・E・テイラー
-原作脚本:アーサー・ミラー
-撮影:ラッセル・メッティ
-美術:スティーブン・グライム ス/ウィリアム・ニューベリー
-編集:ジョージ・トマシーニ
-スクリプター:ジョージ・ネル ソン
-音楽:アレックス・ノース
-出演:ク ラーク・ゲーブル(カウボーイ/ゲイ・ラングランド)/マ リリン・モンロー(ロズリン・テイバー)/モンゴメリー・クリフト(風来坊青年/パース・ハウランド)/セルマ・リッター(イザベル・ステアーズ)/イーライ・ウォラック(自動車修理工/ギドー)/ジェイムズ・バートン/エステル・ウィンウッド/ケヴィン・マッカーシー(ロズリンの前夫)/デニス・ショウ/フィリップ・ミッチェル
-己と闘うことの意義、男の意志を示す苛酷なシーンでゲーブルはスタントマンを使わな かった。
男 の華をみせ続けた“キング”らしいシーンを遺していった。
公 開前に急死したゲーブルとその後死去したマ リリン・モンローの遺作となってしまった。


『荒馬と女』クラーク・ゲーブル


『荒馬と女』撮影現場で モンゴメリー・クリフト、マリリン・モンロー、クラー ク・ゲーブル

『ニュールンベルグ裁 判』-Judgment at Nuremberg-(米、ユナイテッド・アーティスツ)(白黒)(10月公開)(キ ネマ旬報ベストテン2位)
-監督製作:スタンリー・クレイマー
-脚色:アビー・マン/スタン リー・クレイマー(ア カデミー脚色賞)
-撮影:アーネスト・ラズロ
-音楽:アーネスト・ゴールド
-出演:ス ペンサー・トレイシー(アメリカの地方判事/ダン・ヘイウッド)(アカデミー主演男優賞ノミネート)/マクシミリアン・シェル(ドイツ側弁護士/ハンス・ロルフ )(ア カデミー主演男優賞)(マ リア・シェルの弟)/ バート・ランカスター(法律学者で司法大臣/エルンスト・ヤニン グ)/リチャード・ウィドマー ク(検事/テッ ド・ローソン大佐)/マ レーネ・ディートリッヒ(将軍の未亡人/ベルトホルト)/マクシミリアン・シェル(ハンス・ロルフ弁護士)/ジュディ・ガーランド(ミセス・イレーネ・ホフマン・ウォル ナー)/モンゴメリー・クリフ ト(ランドル フ・ペーターソン)(アカデミー助演男優賞ノ ミネート)/ウィリアム・シャ トナー(ハリソン・ベイヤーズ)/エドワード・ビンズ(バーケット)/ケネス・マッケンナ(ケ ネス・ノリス)/ワーナー・クレンペラー/アラン・バクスター(マット・マリン)/マーティン・ブラント(フレデリッヒ・ホフスタッター)
-第二次世界大戦後、戦争に負けたドイツが、戦勝国アメリカに戦争責任を裁かれるニュー ルンベルグ裁判を描いた傑作。
ア カデミー主演男優賞にス ペンサー・トレイシーとマクシミリアン・シェルがダブルノミネートされ、モンゴメリー・クリフ トもアカデミー助演男優賞にノミネートされる。

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1962

『フロイド 隠された欲望-The Secret Passion-(米、ユニヴァーサル)(白黒)(12月公開)
-監督:ジョン・ヒューストン
-製作:ウォルフガング・ライン ハルト/ジョン・ヒューストン
-原案:チャールズ・カウフマン
-脚本:チャールズ・カウフマン /ウォルフガング・ラインハルト
-撮影:ダグラス・スローカム
-音楽:ジェリー・ゴールドスミ ス
-出演:モンゴメリー・クリフト(フロイド)/スザンナ・ヨーク(セシリー)/ラリー・パークス(ヨーゼフ・ブロイヤー博士)/スーザン・コーナー(マーサ)/エリック・ポートマン/デイヴィッド・マッカラム/フェルナン・ルドゥー /デイヴィッド・コッソフ

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1966

『ザ・スパイ』-The Defector-(仏/西独)(カラー)(11月公開)
-監督製作:ラウール・J・レヴィ
-原作:ポール・トマス(『The Spy』)
-脚色:ロバート・ゲネット/ラ ウール・J・レヴィ
-撮影:ラウール・クタール
-音楽:セルジュ・ゲンズブール
-出演:モンゴメリー・クリフト(アメリカの物理学者/ジェームズ・バワー 教授)/ハーディ・クリュー ガー(ピー ター・ハインツマン)/マー シャ・メリル(フ リーダ・ホフマン)/デイ ヴィッド・オパトッシュ(ロシア秘密諜報機関長/オルコフスキー)/ロディ・マクドウォール(CIA局員/アダムス)/ハネス・メッセマー/クリスチーネ・ドラロッシュ/カール・リーフェン

7月23日、心臓発作で死去。(享年45才)

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〜写真〜


モ ンゴメリー・クリフト


モンゴメリー・クリフト


モンゴメリー・クリフト

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※ 記号[:特に好きな作品 :面白い作 品]
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参 考文献
『女 相続人』
『地 上より永遠に』
エ リザベス・テイラー
ジェ ニファー・ジョーンズ
デ ボラ・カー
ド ナ・リード
マ リリン・モンロー
マ レーネ・ディートリッヒ
アー ネスト・ボーグナイン
ク ラーク・ゲーブル
ス ペンサー・トレイシー
ロ バート・ライアン
ア ルフレッド・ヒッチコック
ヴィッ トリオ・デ・シーカ
男 優
サ イトマップ
映 画ありき2
映画ありき

〜クラシック映画に魅せら れて〜
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