スミス都へ行く

   クロード・レインズ、ジェームズ・スチュアート

※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ い。

  〜指名〜〜ワシントンへ〜〜ワシントン〜〜宣誓式〜〜記者議案作り〜〜議案提出〜〜小遣い銭泥棒〜〜発言権〜〜議 場騒然〜 

記号[☆:スタッフ・キャスト : 始めに :終わりに] web拍手 by FC2
(1939)(米)(ア メリカ 映画ベスト100で29位)(ア メリカ 映画ベスト100 10周年版で26位)-Mr. Smith Goes to Washington-
監督…フラ ンク・キャプラ
製作…フラ ンク・キャプラ
原作…ルイス・R・フォスター
脚本…シドニー・バックマン
撮影…ジョセフ・ウォーカー
音楽…ディミトリ・ティオムキン
出演…ジェー ムズ・スチュアート(スミス)
………ジー ン・アーサー(秘書/サンダース)
………クロード・レインズ(ペイン上院議員)
………エドワード・アーノルド(悪徳政治屋/ジム・テイラー)
………ガイ・キビー(ホッパー州知事)
………トーマス・ミッチェル(記者/ディズ・ムーア)
………ユージン・パレット
………
ボーラ・ボーンディ(スミスの母親)
………ハリー・ケリー
………H・B・ワーナー
………チャールズ・レイン
………ポーター・ホール
………ジャック・カーソン
ア カデミー脚本(原作)

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 アメリカの良心と民主主義の 【光と 影】を描いたフ ランク・キャプラ監督の代表的な作品だ。
  私は1980年代前半に初めて観た、その時の感動を今も忘れない。

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〜指名〜

上院議員 が急死する。
次 期大統領と言われているペイン議員(ク ロード・レインズ)と そのペインを陰で操り金儲けを企んでいる悪徳政治屋テイラー(エ ドワード・アーノルド)が、いいなりになっている州知事(ガ イ・キビー)にテイラーの手下のミラーを指名するように言う。
だ が、知事がミラーの名前を出すと委員たちはテイラーの手下はだめだと猛反対する。そして、頭の固いヒルを候 補に立てるように知事に迫る。
気 弱な知事はどちらにしようかと悩む。
そ んな知事に子供たちは少年団のキャプテンで子供たちの英雄であるジェフ・スミス(ジェー ムズ・スチュアート)がいいと言う。
困 り果てた知事はコインの裏表でミラーかヒルに決めようとコインを投げる。が、コインは立つ。見ると、傍らに スミスを称える地方紙があった。
知 事は自分の立場を守るのはこれしかないと思い、リンカーンの崇拝者で政界のことを何も知らない純真な青年ス ミスを議員に指名する。
ス ミス(ジェー ムズ・スチュアート)は突然の指名に驚くが、子供 たちのために何 か出来ることがあればと思い、受ける。
そ して、亡父の友人で一緒に悪政と闘っていたペイン議員(クロード・レインズ)と一緒に仕事が出 来ることを光栄に思う。
だ が、そのペインは今やテイラーに屈して大統領になる道を選択していた。
そ のことをスミスは知らなかった。
一 方、ペインもスミスが友人の息子だと初めて知る。


『スミス都 へ行く』ボーラ・ボーンディ、ジェームズ・スチュワート

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〜ワシントンへ〜

少年団に 送り出されてスミスはワシントンへ向かう。
ス ミス(ジェー ムズ・スチュアート)は列車の中でペイン(クロー ド・レインズ)と亡父を懐かし む。
ペ イン「君も新 聞をな 血は争えん」
ス ミス…「サンキュー・ サー」
ペ イン「その帽 子まで…
思い出すよ 父上を
すぐ飛び出せるよう いつも帽子を被っていた
編集者スミス 孤独な戦士だった」
ス ミス…「敗けを承知で  闘う人でした」
ペ イン「闘う編 集者と弁護士 いいコンビだった
双子の闘士と言われた」
ス ミス…「父もよくその話 を」
ペ イン「壮絶な 最期だった
小新聞を武器に 大組織を相手どり
一鉱山主の権利を 守ろうとした
敵は収賄 恐喝 あらゆる手段を使った
そして…」
ス ミス…「ある朝 机にう つ伏せに…」
ペ イン「背後か ら撃たれて
あの時もやはり 帽子を被っていた
帽子を」
ス ミス…「相手が大きすぎ たんですね
独りで闘うには」
ペ イン「そう だ」

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〜ワシントン〜

ワシント ンへ着く。
ス ミスは着くなり議事堂へ引き寄せられるように歩いてゆき、観光バスに乗って見物して回る。
憧れのリンカーン記念堂を見て回っていると、幼い子供が壁に刻まれた名言を読んで いる姿を目にする。幼い子供の傍らでは老人が柔らかな表情で聞いている。
幼い子供「彼 らが命をかけて 守り抜いた大儀をー
不滅のものとするため ここに固く…」
老人「決意 する」
幼い子供「決 意する
彼らの死を決して無に しないこと この国を…」
老人「自由 の国とし」
幼い子供「自 由の国とし
人民の人民による人民のための 政府を守ることを」
それはスミス自身の決意でもあった。

政界のこ とを何も知らないスミスの目付け役の秘書をサンダース(ジーン・アーサー)がすることになる。
そ のサンダースはこの世界を知り尽くし嫌になって辞めたいと思っていた頃だった。
秘 書を引き受けたものの、苛立っていた。
ス ミスがいなくなったと騒ぎになっている。
サ ンダースも引き受けた以上は責任を負わされるので探し回っていた。
そ こへ、スミスが現れワシントンへ着いた後のことをサンダースたちに話し出す。
ス ミス…「ご心配かけて…  気がつくとバスに 乗ってた
観光バスです
こんな事は初めてだが
駅に降りると目の前に あれがそびえていて」
サ ンダース…「あれっ て?」
ス ミス…「議事堂ですよ
太陽を背に 光り輝いていた
それで…
引き寄せられて歩いていると バスが来てつい…」
サ ンダース…「のんきな話 ね」
ス ミス…「感激しました  特にリンカーン記念堂
リンカーンが すぐそこに いて
訪れる者をみつめている
まるでだれかを 待っているように」
サ ンダース…「私には知ら ん顔だわ
それよりペイン議員がお待ちよ」
ス ミスに振り回されたサンダースはどうせ辞めるのだからと、酔った勢いで合同記者会見をさせることにする。

スミスは 記者たちの質問に答えて、
ス ミス…「僕の州に国立の 少年キャンプ場を設け たい
都会の貧しい子供を夏の間
自然に親しませ
建国精神を教えるのです
政府には資金を借りるだけ
子供たちが小遣いで返済するのです
赤字の政府に負担をかけずに…」と、 抱負を語るが、記者たちは内容 を曲解して、誘導してや らせたポーズを載せ笑いものにする。
サ ンダースは、
「面倒みきれない」といい、ペインに秘書を辞めるというが引き止められる。

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〜宣誓式〜

笑いもの にされている記事が載っていることを知らないスミスが議場に初めて足を踏み入 れる。
議 場内を見回し感激し緊張する。
色々 と教えてくれたボーイのリチャードに少年団のバッジを付けてお礼をする。
ス ミスは席に座っても緊張して落ち着かない。
ス ミスの議員信任状が提出され、就任式が行われる。
そ の時、記事を読んだ議員より、
「職 務の重大を自覚していない」と異議が出される。

だ が、ペイン議員が擁護し議長も異議を認めず宣誓式が行なわれる。

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〜記者〜

新聞記事 を読み内容を知ったスミスは怒り、記事を書いた記者たちを殴り飛ばしてゆく。

記者クラ ブへ逃げ込んだ記者を追ってくるが記者たちから押さえ込まれ、
記 者…「法律も知らないお飾りだ
君は何をしているのだ」と、 言われる。

肩を落と し、ペイン議員の所へ行く。
ス ミス…「連中の言うとお りです
審議する法案だけでも 勉強しないと
ほんとのお飾りになる」
ペ イン「法案は 専門家の 知恵の結集だ
素人にはとても 歯がたたない
私が言うとおり 動けばいい」
ス ミス…「それでは僕のい る意味がない」
ペ イン「君には キャンプ建設がある 実現したいのだろう」
ス ミス…頷く。
ペ イン「それこ そ君の仕事だ 議案を作り提出したまえ」
ス ミス…「実は言いだしか ねていました それが できれば…」
ペ イン「秘書が 手を貸すよ」
ス ミス…「そうします 相 談に来てよかった
助かりました」
ペ イン「帰るの か」
ス ミス…「すぐとりかかり ます」 と、 言って帰ろうとしていると、心を奪われているペインの娘スーザンが現れる。
動揺する。
 その動揺ぶりが可笑しい。ジミーの演技に拍手だ。

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〜議案作り〜

事務所へ 帰ってくると直ぐに、
ス ミス…「始めよう」
サ ンダース…「何を?」
ス ミス…「少年キャンプの 議案さ」
サ ンダース…「議案を出す んですか」
ス ミス…「ペイン議員と決 めた
彼の発案なんだ」
サ ンダース…「簡単に通る と お考えなの?」
ス ミス…「NO
君がついてる」
サ ンダース…「とても無 理」
ス ミス…「ペイン議員の命 令だよ 何から始め る?」
サ ンダース…「その前に ざっと ご説明を
提出したい議案があるとします
オーライ」
ス ミス…「オーライ」
サ ンダース…「まず私案を まとめあげる 時間の かかる作業です」
ス ミス…「私のは簡単だ」
サ ンダース…「それはけっ こう」
ス ミス…「君もいるし」
サ ンダース…「異例のス ピードで まとめたとし て3〜4日」
ス ミス…「1日だ」
サ ンダース…「1日」
ス ミス…「いや 1晩」
サ ンダース…「文明国には 夕食という 習慣があ りますのよ」
ス ミス…「OH
そう言えば腹がすいた
大物並に食事を 取りよせよう」
サ ンダース…「けっこう  大物は食事しながら議 案作成」
ス ミス…「今夜中に」
サ ンダース…「YES
未明に完成 議会に提出します
まず起立して深呼吸
居眠りの邪魔をせぬよう 読みあげる
するとボーイから書記をへて委員長に渡る」
ス ミス…「なぜ」
サ ンダース…「内容を検討 して 議会に報告する ためよ
いきなり96人もで 審議できないわ」
ス ミス…「なるほど」
サ ンダース…「どこまで話 した?」
ス ミス…「委員会だ」
サ ンダース…「数日 いえ  数週間して価値があ るとなればー
下院に回され 審議の順番を待つ」
ス ミス…「順番?」
サ ンダース…「YES
運営委員会が特例として 認めれば別だけど」
ス ミス…「運営委員会?」
サ ンダース…「質問が多す ぎる」
ス ミス…「いいから説明し て」
サ ンダース…「最優先の法 案を 決める委員会 よ」
ス ミス…「これはそうだ」
サ ンダース…「そうでした
どこまで?」
ス ミス…「下院だ」
サ ンダース…「下院で修正 して 上院にまわす
上院は再修正し 下院はそれに反発
結局 両院協議会で 徹底解剖し
法案がそれに耐えれば 票決となる
いざその日が来てみれば 会期は終了
いかが?」
ス ミス…「…
すぐ始めるかい
夕食が先?」
サ ンダース…「負けたわ  鉛筆を用意するまで 待ってくださる?」
ス ミス…「いいとも」
サ ンダース…「Thank you very much」
ス ミス…「ついでに紙も だ」

スミス…「言う事があり すぎて 出てこない」
サ ンダース…「かけた ら?」
ス ミス…「何から始めよ う」
サ ンダース…「面積 場所  ひとつずつ 片づけ て行きましょう」
ス ミス…「それだけでは足 りない 精神を盛りこ まなくては
あれだよ」
サ ンダース…「What?」
ス ミス…「議事堂だ
子供たちの心に あれを輝かせるんだ
教科書でいくら 自由の国だと教わっても
いずれ忘れる
自由は何よりと尊いものだ
本に閉じこめたりせず 生活の実感にしなくては
僕らが自由の国に生きていることをー
子供に実感させる
ペイン議員もきっと応援してくれる 立派な人だ
しかも父の親友だったんだ
ああいう人が必要だ 理想主義者が」
サ ンダース…「議案に戻り ましょう
候補地は?」
ス ミス…「うってつけの所 がある 知らないだろ うな」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「僕には自分の庭 と同じだ 見せたいよ
草原を吹き渡る風 牧場の 小川 荒れる急流
夕日を背に帰る牛の群れ  消え残った雪
一生一度はああいう 土地で暮らすべきだ
父も言ってた
感動の目を忘れるな
木一本 石ころ一つにも  自然が宿っている
トンネルの中で前途に 光 を見た時の あの喜び」
サ ンダース…思い描きながら聞いている。
 美しい。
ス ミス…「いつもあれを忘 れず 周囲の世界を見 ろ
君の故郷は?」
サ ンダース…「暗いトンネ ル」
ス ミス…「都会か」
サ ンダース…「バルチモア よ」
ス ミス…「いつから自 活?」
サ ンダース…「16の時か ら」
ス ミス…「16で…ご両親 は?」
サ ンダース…「父は医者 だったけど お金とは縁 がなくて
仕事に戻りません?」
ス ミス…「苦労したんだ ね」
サ ンダース…「別に」
ス ミス…「女性の身で偉い な
こんなすごい人は 初めてだ
今度だって君なしじゃ」
サ ンダース…「ほんとね」
ス ミス…「そうだった と もかく 議案をやっつ けよう
皆 君を呼びすてだね
サンダース うん この方がいい
サンダース 議案は?」
サ ンダース…「だめね」
ス ミス…「では片づけよう  道は遠そうだが
君 名前は?」
サ ンダース…「Why?」
ス ミス…「だれも呼ばない ね」
サ ンダース…「口笛では呼 ぶわ」
ス ミス…「あるはずだ」
サ ンダース…「どうでもい いことよ」
ス ミス…「花を見たら名を 知りたくなるだろう?
ヴァイオレット」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「アビゲール」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「レティシア」
サ ンダース…「NO」
ス ミス…「リナ」
サ ンダース…「やめて」
ス ミス…「まだまだ」
サ ンダース…「降参 クラ リッサよ」
ス ミス…「クラリッサ
よし 仕事だ」
そ して、候補地を、
ス ミス…「テリー峡谷にあ るー
ウィレット川流域」と、 スミスが言うとサンダースは驚く。
そ の場所はテイラーが他人名義で買いあさっている土地で、ダムをつくらせようとしている場所だった。

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〜議案提出〜

スミスが 少年たちのためのキャンプ場をつくる議案を提出する。
少 年たちはスミスの議案に大喜びし小遣い銭をスミス宛に送る。
ス ミスは沢山、送られてきた小銭を嬉しそうに空き瓶に入れながら、やる気満々になっている。
サ ンダースはそれを優しく見詰めている。
ス ミス…「母にこの事を  知らせてやらなきゃ」
サ ンダース…「筆記しま す?」
ス ミス…「手紙を? いい よ 自分で書く
君の事もね うまく書けたらジャムが届くぞ」
サ ンダース…「うれしい わ」
ス ミス…「礼を言うのを忘 れてた」
サ ンダース…「いいのよ」
ス ミス…「いや 君がいな ければ…」
そ こへ電話がかかってくる。
スー ザンからだ。
そ れは、スミスの議案が通ると困るテイラーがペインにどんな方法を取ってでも阻止するよう言いつけていた方法 の一つだった。
ペ インは気乗りしなかったがもう少しで大統領にのぼりつける地位が捨てられなかった。
そ れでスミスがペインの娘スーザンに気があるのを利用して、審議日に色仕掛けで誘い出させるやり方だった。

何も知ら ないで上機嫌で帰ってきたスミスに、スーザンから目的を知らされていたサン ダースは、
サ ンダース…「なぜ帰らな いの 演説なら小川に すればいい
ここはあなたの来る所じゃない 場違いよ
見ていられない 帰ってよ」と、 言い、今日が審議日だったので法案を通らせないために誘い出されたと話す。
そ して、記者と結婚すると心にないことを口にして、秘書を辞めると事務所を出る。
事務所を出たサンダースはスミスを思い泣く。

ペインに 詰め寄るスミスに、公にされたら困るテイラーは旨い話を持ちかけ手下にしよう とする。
が、 スミスはなびかない。
テ イラーはスミスを子供たちの小 遣い銭泥棒だというワナにはめる。
子 供たちは失望し少年団のバッジを外す。
あ のリチャード少年も。

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〜小遣い銭泥棒〜

資格審査 委員会が開かれ、スミスは信じられない証言の数々に憤る。
そして、尊敬していたペイン議員の口から、
ペ イン…「胸中お察し を
親友の遺児と思い 目をかけてきたのに
法案作りにも 協力しました
ただ場所が ダム予定地なので
よそにしてはどうかと 勧めました
すると“ダムを移せ”だ
あのけんまくには 驚いたが
まさかこういう事とは
子供たちの金を吸いあげ
悪どい金もうかけを 企てたものだ
この際 私情はぬきにして
彼の罷免を要求せざるを得ません」と、 証言され驚き失望し、申し開きをせず退席する。

小遣い銭 泥棒にされ傷悴したスミスは辞めて帰郷しようとする。

リンカーン記念堂の名言も政界の醜さを知ったスミスには信じられない。
リンカーン像もしっかり見上げられない。
荷物を持ち、人目のない所へ行く。
力なく座り込み肩を落として泣く。

さ迷う視線の先にサンダースがいた。
母親のような温かい眼差しを注ぐサンダースが。
そして、優しく声を掛ける。
サ ンダース…「やはりここ ね いい勘でしょ」
ス ミス…「元気?」
サ ンダース…「ええ」
ス ミス…「ご主人は?」
サ ンダース…「結婚はやめ たの
事務所に何が待っていたと思う?」
ス ミス…「NO」
サ ンダース…「ジャムよ」
ス ミス…「いちご?
あれは最高だ」
サ ンダース…「これであな たも 本物の議員ね」
ス ミス…「故郷で子供相手 に 演説していろと 言ったね
僕はたわけた夢を 頭につめこんだ子供だと
君の言うとおりだ
ここは僕には無縁の世界だ
何も信じられない
あのペイン議員が僕を子供の小遣い泥棒にした
昔から崇拝していた あの人が
ここは美辞麗句を刻んだ 碑だらけ
刻ませたのは あゝいう連中だ
その実 何をしてる
僕は出て行く 美辞麗句や腐ったショーはいらん」
サ ンダース…「帰って子供 たちに なんて話す の」
ス ミス…「真実を話す そ れしかない」
サ ンダース…「わかってく れるかしら
きっと問いつめるわ
“なぜ逃げたの なぜ闘わなかったの”」
ス ミス…「何ができる
テイラーやペイン 権謀術数を相手にこの僕が」
サ ンダース…「リンカーン の時だって あゝいう 連中はいたわ
でも彼は逃げなかった
そういう人がいるから 救われるのよ
逃げだしてはだめ
あんな連中ばかりが 全部じゃないわ
あなたが信じていたのは ペインだけなの?
もっと大きなもの あなたの信念はないの?
今 この国に必要なのは それよ
リンカーンがだれかを 待っていると言ったわね
そうよ 彼の仕事を継ぐ者を待っているのよ
テイラーのような連中を 根こそぎにする者を
それはあなただわ」
ス ミス…「何をすればい い」
サ ンダース…「逃げないと 誓って
私に考えがあるの あなたならできるわ」
ス ミス…「クラリッサ 一 杯やろう」
サ ンダース…「そうこなく ちゃ」
議会に戻って汚名を晴らすよう激励する。

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〜発言権〜

議 会に戻ってきたスミスはサンダースに教えて貰った方法(いっ たん発言権をとると喋り続ける限り、議場を占領出来るという)で発言権をとる。
スミスが話し出す、他の議員は外方を向く。
話し続けるスミス。
23時間以上話し続けている、喉がかれてガラガラ声になり咳き込む。
それでも、なお話している。
外方を向いていた議員たちがスミスの方を向き話を聞き始めた。
その時、州民からの偽の抗議文が次から次に議場に運び込まれる。
ふらつきながら山積みにされた電報のところへ行き読み始めるスミス。


『スミス都へ行く』クロード・レインズ、ジェームズ・スチュワート

抗議文の数々に自分の負けを知らされる。
ズタズタに傷つけられたスミスが電報を握り締め、
“これが自分がやったことへの報いかと 立ち竦む。
サンダース…ジェフ 止めて!」とサンダースが泣きながら叫ぶ。
スミスはサンダースの方へ視線を向けるが悲しみに満ちている。
議長と目が合う。
議長が笑みを返しながらスミスを見詰めている。
スミスも悲しそうな笑みを返す。
そして、ペイン議員の方へ視線を移し、
スミス…「これが負け勝負 か
ペイン氏にはわかるはずだ
昔は氏も負け勝負を 好んで闘った」
ペインを見て、
「それもただー
“隣人を愛せ”の 素朴な信条から
憎悪のはびこるこの社会で そういう人は貴重だ
だからあなたが 好きだった
負け勝負は苦しいものだ
そう ある人のように 死ぬこともある
皆さんは僕の負けと 思っているだろう
違う 僕はどこまでも 負け勝負を続ける
この欺まんだらけの 議場で
そのうちにだれか独り 独りぐらいは僕の話を…」
倒れる。
サンダース…「ジェフ!」
堪らなくなったペインは議場を出てゆく。

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〜議場騒 然〜

スミスの容態を、
「気絶しているだけだ」と聞いたリチャード少年が、

リ チャード少年… 「大丈夫だよ」と、 サンダースにポーズで知らせる。
ホッとするサンダース。
その時、銃声がする。
どよめく議場。
自殺しようとしたペインが止められている。
ペイン…「死なせてく れ 生きていられない」と 大声でいいながら議場へ戻ってくる。
そして、
ペイン…「ダムは不正 だ 私は州民を裏切った
彼の話はすべて本当だ
テイラーの事も私の事も 腐り切った州政府の事も
除名してくれ 私には資格がない」と、 真実を告白する。
騒然となる議場。
子供たちが喜び飛び跳ね合っている。
記者たちが記事を送ろうと慌てる。
小躍りして喜ぶサンダース。
議長が静粛にと静まらせようとするが、その手がゆるやかになり止まる。
そして、両手を首の後ろに持ってゆく。

傍聴席から議場へ向かってサンダースが、
サンダース…ヤッホー!」と歓声をあげる。
それは
暗いトンネルから光を見た喜びの声だった。

議長が両手を首の後ろで組み合わせ、その騒ぎを楽しむように椅子を揺らしている。
軽快な音楽が流れ晴れやかな気分にさせて終わる。

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 演出もさることながら、明るくて 正義感 の強いアメリカ青年役を演じたジ ミーの実直さが素晴らしい!
 そして、サンダース役のジー ン・アーサー、ペイン役のクロード・レインズなど魅力的な役者が揃っている。
 “素晴 らしい作品をありがとう!と 素直な気持ちで言える作品に出会えて幸せだ。
 私は、この作品を観てフ ランク・キャプラ監督が大好きになった。

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〜写真〜


『スミス都へ行く』撮影時 ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー、フラン ク・キャプラら

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1997

ア メリカ映画ベスト100で29位

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2007

ア メリカ映画ベスト100 10周年版で26位

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参 考文献
ジェー ムズ・スチュアート
フランク・キャプラ
洋画
サ イトマップ
映 画ありき2
映画ありき
〜 クラシック映画に魅せられて〜

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