NEWSトーク(大相撲)
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横綱朝青龍
-Sumo 1.2009-
<2009年1月25日　大 相撲1月場所(初)千秋楽>

更新　2009/1 /26 5:10

◆朝青龍と白鵬の両横綱初場所千秋楽決戦。

　千秋楽 の朝青龍と白鵬の両横綱の取組は、14戦全勝の朝青龍と日馬富士に敗れ13勝 1敗の白鵬による優勝争いの直接対決となり最高の盛り上がりとなった。
　 それというのも、朝青龍は左ひじ痛のため先場所まで3場所連続休場していて、今場所前の稽古総見でも不調で あった。
　 今場所進退を懸け出場に踏み切った朝青龍の取組は注目を浴び連日、大歓声に包まれた。
　 引退の危機を脱した朝青龍が全勝優勝するのか、はたまた、1敗で追う白鵬が逆転優勝し4連覇するのか。
　 大一番の軍配が上がった。
　 全勝優勝して見返してやりたい思いが強い朝青龍は“気負い”すぎて、立ち合い 突っ掛けたようになる。
　“待っ たか”という思いがしたのか、力を抜いてしまった。
　 だが、軍配はかえっていた。
　 白鵬はすかさず両差しし、一気に朝青龍を寄り倒す。
　 優勝決定戦になる。
　 支度部屋に下がった両横綱の様子をカメラが映し出す。
　 立ち合いの失敗で完敗した朝青龍は付き人を引っ張り出し、立ち合いを何度も繰り返す。
　 そして、てっぽうをして汗を流す。
　 一方、ラッキーな勝ち星を得た白鵬は精神の統一をはかろうと静寂にしている。
　 さあ、決定戦だ。
　時 間いっぱいを告げられる時に、何時もやる廻しを叩く朝青龍の気合に一段と力が入る。
　“気 迫”が迸っている朝青龍。
　 冷静に受け止めようとする白鵬。
　 立ち合いだ。
　素 早く立ち左差しを狙う朝青龍。
　 白鵬の右との差し手争い。
　朝 青龍が差し勝ち、深く左差す。
　 肩越しに遠くなった右上手を取る白鵬。
　 今度は朝青龍の右と白鵬の左の差し手争いだ。
　 頭を下げて食い付きいい体勢の朝青龍が左から振る。
　 体勢を崩す白鵬。
　 こちらも朝青龍が差し勝ち、両差しになる。
　 左差し、右前みつで頭を下げて絶好の体勢の朝青龍が白鵬を寄る。
　 土俵際まで寄られた白鵬が必死にのこそうとするが、体が伸びきっている。
　 安全策で白鵬を吊り上げるようにして寄り切る朝青龍。

　勝った 朝青龍の顔が勝利の喜びで一杯になっている。

　乱れた 髪に朝青龍の必死さが表れていた。

　勝ち名 乗りを受けた朝青龍が観客に両手を挙げ応える。
　 花道で観客から祝福を受けた朝青龍は、東の支度部屋へ移動する時に感極まり涙を浮かべる。
　 人一倍、負けん気が強い朝青龍が一番欲しかった優勝を手に入れた。
　 それも、沢山の声援を浴びて。
　 本割と決定戦の朝青龍の立ち合いに、“気負い”と“気迫”で は大きく違ってく ることを改めて感じた。

　数々の 問題で窮地に追い込まれた朝青龍が闘志溢れる相撲を取り勝利しはねのけた。
　 優勝決定戦を制し、5場所ぶりの23回目の優勝を果たした朝青龍は、通算優勝回数で元横綱貴乃花を抜き、大 鵬、千代の富士、北の湖に次ぎ歴代単独4位となった。

　朝青龍 が表彰式の優勝力士インタビューで「私は帰ってきました」と 話すと館内は大きな歓声に包まれた。
　 だが、勝ち名乗りを受ける朝青龍の顔に座布団を投げつけた人がいた。
　 残念な行為で褒められたことではないが、朝青龍はそのことが意味することをしっかり受け止め、今場所見せた 気迫溢れる相撲を取り続けて欲しい。
　 今場所のような大一番がまた見られることを期待する。