ケーリー・グラント、キャサリン・ヘプバーン、ジェームズ・スチュアートら 監督…ジョー ジ・キューカー 出演…キャ サリン・ヘプバーン ………ケー リー・グラント ………ジェー ムズ・スチュアート(ア カデミー主演男優賞) ………ルース・ハッセイ ※ア カデミー賞の脚本(脚色)・主演男優賞を受賞 この作品は興業成績を上げようとス タッ フ、キャストに力を注いでいただけに、個々の魅力が遺憾無く発揮され見応えがあったと 思う。 例えば、図書館からジェー ムズ・スチュアートとキャ サリン・ヘプバーンが出てくるのを、美容室で爪の手入れをして貰っているルース・ハッセイ が不 安げに見詰めているシーンだ。 美容師は爪の手入れの仕方が悪かったのかと思い「痛かった?」と聞く。ハッセイは「平気 慣れてるの」と言いながらスチュアートに視線を送っている。心の痛みを爪の痛みにダブらせた 表 現。何時も思いを寄せていながら、遠くから見守る母性愛みたいな愛を見事に演じたシーンである。 女性を上手く演出する事にかけては右に出る者なしと言われていた監督、ジョー ジ・キューカーの手腕の一端に触れた思いだった。 勿論、演技は一流でも滲出てくる美しさ(知性的な美しさは別とし て)に欠けているヘプバーンにケー リー・グラントが、「君は素晴らしい女だ 男を魅了する何かがある 奪いたいと思わ せる何かが」と、言 うセリフには、無理があると思う。 キャ サリン・ヘプバーンは、勝気で我儘な娘を顎を突出して演技し名優ぶりを披露している。 ※1956年『上流社 会』としてリメイクされた。 ※〜『フィ ラデルフィア物語』と『上流社会』〜 シネマトーク 1997 2007 Top
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