ジョーン・フォンテーン、ジュディス・アンダーソン 監督…ア ルフレッド・ヒッチコック 製作…デヴィッド・O・セルズニック プロデューサー…デヴィッド・O・セ ルズニック 原作…ダフネ・デュ・モーリアの同名小 説 脚本…ロバート・E・シャーウッド/ ジョーン・ハリソン 撮影…ジョージ・バーンズ(ア カデミー撮影賞) 出演…ローレンス・オリヴィエ(マキシム・ド・ウィンター) ………ジョー ン・フォンテーン(カロライン/ド・ウィンター夫人) ………ジョージ・サンダース(ジャック・fzヴェル) ………ジュディス・アンダーソン(ダンヴァース夫人) ………ナイジェル・ブルース(ギルス・レイシー少佐) ………C・オーブリー・スミス(ジュリアン大佐) ヒッ チコック監督がプロデューサーのセルズニックにアメリカへ招かれて撮っ た最初の作品。 朽ち果てた豪邸「マンダレー」から回顧するシーンなどのジョージ・バーンズ のカ メラワークがいい。サスペンス感を漂わせている。 叔 母の付き人として南仏の避暑地にやってきていた娘カロライン(ジョー ン・フォンテーン)が、海岸の崖っぷちに 立っている英国の大富豪マキシム・ド・ウィンター(ロー レンス・オリヴィエ)が自殺しようとしていると思い込み 声をあげる。 そのことがきっかけでマキシムに誘われるようになり、後妻として屋敷に入ること になる。 上流社会を知らない若妻カロラインは怖ず怖ずと豪邸「マンダレー」へ。 そ こには、亡くなったウィンター前夫人、“レベッカ”を敬愛するダンヴァース夫 人(ジュディス・アンダーソン)がい た。 ダンヴァース夫人は、かつてレベッカづきの使用人で、大邸宅を取り仕切ってい た。 レベッカこそがウィンター夫人と思い続けているダンヴァース夫人は若妻を受け入 れようとしない。 初々しい役では、彼女の右に出る者無しのジョー ン・フォンテーンが控えめに、怖ず怖ずと後妻を演じ、レベッカの崇拝者ダンヴァース夫 人を ジュディス・アンダーソンが威圧感を漂わせた演技でジワジワと迫ってくる。 その二人を捉えるカメラワークが相乗効果を上げて恐怖は高みに達する。 若妻は、 レベッカの影に追いつめられて行き、そして… 最後まで映像として映し出されない 先妻 レベッカと、名前を一度も呼ばれない後妻。この二人はダンヴァース夫人の態度によって対極にあることが 演出されている。上手い演出だ。 「R」のイニシャルの炎上で終わる演出
も、登場人物と、それを観ている私たちがこの
イニシャルの人物の幻の恐怖に慄いていたことを思い出させる。 ※オリヴィエはヴィ ヴィアン・リーをヒロインに推したが叶わなかったそうだが、この役はジョー ン・フォンテーンでよかったと思う。 〜写真〜
『レ ベッカ』談笑 アルフレッド・ヒッチコック、ジョーン・フォンテーン、ローレンス・オリヴィエ Top |