終着駅
モンゴメリー・クリフト、ジェニファー・ジョーンズ
※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい
☆ →
記号[☆:スタッフ・キャスト →:
始めに]
(1954)(米/伊)(白
黒)(キ
ネマ旬報ベストテン5位)-Terminal
Station-
監督…ヴィッ
トリオ・デ・シーカ
製作…デビッド・O・セルズニック/ヴィッ
トリオ・デ・シーカ
原案…チェザーレ・ザヴァッティーニ
脚本…チェザーレ・ザヴァッティーニ
/トルーマン・カポーティ
脚色…チェザーレ・ザヴァッティーニ
/ルイジ・キャリーニ/ジョルジョ・プロスペリ
台詞…トルーマン・カポーティ
撮影…G・R・アルド
音楽…アレッサンドロ・チコニーニ
挿入曲…♪ローマの秋(作曲:アレッサンドロ・チコニーニ)
出演…ジェ
ニファー・ジョーンズ(米国人の若い人妻/メァリー・フォーブス)
………モ
ンゴメリー・クリフト(米伊混血の英語教師/ジョヴァンニ・ドナーティ)
………リチャード・ベイマー(メァリーの甥/ポール)
………ディック・デイマー
………ジーノ・チェルヴィ(署長)
………パオロ・ストッパ
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男と女の出会いと別れが“終着駅”を
舞台に繰り広げられる。
【よろめきの美学】のジェ
ニファーの代表作で揺れ動く女心、人妻の別れの苦悩を見事に演じたが、モンティことモ
ンゴメリー・クリフトのひたむきな激しい眼差しが最も印象的だ。
自
らの命も厭わない激しい愛を示すジョヴァンニ(モ
ンゴメリー・クリフト)に、燃え上がるメァ
リー(ジェ
ニファー・ジョーンズ)の女心。
待
避線の客車で激しく愛撫する二人。
見
つかって取調べを受ける羽目に。
二
人に注がれる好奇の目。
『終着駅』ジェニファー・ジョーンズ、モンゴメリー・クリフト
メァリーの立場を心配するジョヴァンニ。
メァ
リーが夫と子供の元に戻っていくことを確認した署長(ジーノ・チェルヴィ)の配慮で表ざたにされないことになる。
迫る発車時刻。
二
人の心情が時刻とリアムタイムで描かれる。
デ・シーカの腕の見せ所だ。
列車の座席まで伴ってきたジョヴァンニとメァリーにいよいよ別れの時が来た。
言
葉が出ない二人。
ジョ
ヴァンニ…「私は降りよう」と
振り絞るように言うジョヴァンニ。
メァ
リー…「待って」と
言うメァリー。
ジョ
ヴァンニを見つめ、
メァ
リー…「私 これからずっと考えるんだわ
一生 ずっと
あなたはどこ
今 どこにいらっしゃるの
何を見て
何を思ってるの
元気かしら
恋はしてる?
美しい方と?」と
涙を流し告白するメァリー。
ジョ
ヴァンニ…「恋をしてるとも
美しい人と
一生…」と
苦しそうに言うジョヴァンニ。
列
車が動き出す。
メァ
リー…「いけない」と
言い、泣くメァリー。
メァ
リーを見ているジョヴァンニに、
車
掌…「汽車が出ました 早く降りてください」と
車掌が促す。
気
持ちを残しながら、扉の方に向かうジョヴァンニ。
加
速し出した列車から飛び降りホームに膝を地面に打ち付け倒れる。
叩
きつけられた痛みと心の痛みで、
ジョ
ヴァンニ…「あっ! ああ〜」と
顔を顰めるジョヴァンニ。
顔
を上げて列車を見ようとするジョヴァンニの気持ちを突き放すように、列車が加速していく。
心
配して寄ってきた紳士が手を貸して起こし、
紳
士…「けがは?」と
言う。
気
まずそうに埃を払いながら、
ジョ
ヴァンニ…「いや」と
答えるジョヴァンニ。
列
車を見送りたいのだ。
列
車の方を見たジョヴァンニの目に入ったのは走り去る列車のテール・ランプだ。
見
送ったジョヴァンニが力なくコートを引きずって歩く。
哀
しみが胸に突き刺さってきて痛い。
二人はどこへも向かえない。
こ
こが二人にとっての“終着駅”だから。
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参 考文献
洋
画
サ イトマップ
映
画ありき2
映画ありき
〜クラシック映画に魅
せられて〜
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