グリア・ガースンとロナルド・コールマン ※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。 監督…マービン・ルロイ 製作…シドニー・A・フランクリン 原作…ジェームズ・ヒルトン 脚本…クローディン・ウェスト/ゲオ ルク・フレーシェル/アーサー・ウィンペリス 撮影…ジョセフ・ルッテンバーグ 音楽…ハーバート・ストサート 出演…グ リア・ガースン(ポーラ・リッジウェイ/マーガレット) ………ロナルド・コールマン(スミシィ/チャールズ・レイニアー) ………フィリップ・ドーン ………スーザン・ピータース ………ヘンリー・トラヴァース 『哀 愁』(1940)のマービン・ル ロイ監督、1940年代最高の知性派美人女優のグ リア・ガースン、紳士の代表格ロナルド・コールマンのラブ・ロマンスである。 二 度のプロポーズ。 まず、 最初は、スミシィ(ロナルド・コールマン)が踊り子のポーラ(グ リア・ガースン)に。戦争で記憶を失った(ショッ クの後遺症として緊張をすると言葉が詰まる症状を抱えている)スミシィが収容 されていた精神病院を抜け出し街をさまよっている処をポーラが助ける。スミシィの身を案じたポーラは見知ら ぬ町へ逃れて、そこで暮らすことになる。慎ましやかながら幸せな日々を送っている。そんな中、スミシィの書 いた原稿が初めて売れた。その時、ポーラにプロポーズをする。幸せ一杯のポーラ。 そして 二度目は事故によって戦争による記憶を取り戻した(引き換えに ポーラと過ごした3年間の記憶を失ってしまった)スミシィこと 社長のチャール ズ(ロナルド・コールマン)が秘書のマーガレット(グ リア・ガースン)(存在 を忘れられてしまったポーラが、自分が妻であることを隠してチャールズの秘書になり、彼の記憶が蘇るのを待って いる)に申し込む。同じ相手が別の自分にプロポーズしている。 辛く重苦しい。 彼女の心中は複雑である。 同じ相
手からの二度のプロポーズされたポーラ(グ
リア・ガースン)の心中を思うと堪らない。溢
れる思いを込 めたプロポーズと戻らない記憶に引っかかったままでのプロポーズ。だ
が、ポーラ は二度目のプロポーズも受ける。 チャー
ルズからではなくスミシィからの愛を取 り戻すた めに。傷つき苦しむことを承知の
上で茨の道を選択したポーラに自分を置き 換えて見てしまっている。 一方、 スミシィ(ロナルド・コールマン)も自分の過去には何かがあったはずだと心の中に空洞をかかえて生きている。 二人の 長い旅路に胸が締め付けられる。ドラマチックな展開で面白く、なによりもグ リア・ガースンの知性と美が際立っている。
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