ヒッ チコック劇場
-Alfred Hitchcock Presents-
酒 蔵
-Back for Christmas-
            
     アルフレッド・ヒッチコック

※ストーリーの結末を載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承 下さい。

  地下室〜〜昼食〜〜来客〜〜旅支度〜〜布カバー〜〜実行〜〜後始末〜〜いざ、アメリカへ〜〜手紙〜 

記号[☆:スタッフ・キャスト : 始めに :終わりに] web拍手 by FC2
(1956.3.4)(米)(CBS)(TV映画)-Back for Christmas-
監督…ア ルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)
制作…ア ルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)/ ジョーン・ハリソン(Joan Harrison)
原作…ジョン・コリア(John Colier)
脚本…フランシス・クックレル(Francis Cockrell)
撮影…ジョン・L・ラッセル(John L. Russell)

出演…ジョ ン・ウィリアムズ(John Williams)(
ハーバー ト・カー ペンター)(『麗しのサブリナ』サブリナの父役/『ダイヤルM を廻せ』ハバード警部/『泥棒成金』 ヒューソン役/『ヒッチコック劇場/雨の土曜日 亡霊の見える椅子』/『情婦』ブローガンムーア役/『刑事コロ ンボ/ロンドンの傘』サー・ロジャー役)/イソベル・エルソム(Isobel Elsom)(ハモーニィカーペンター)(『幽霊と未亡人』ルー シー・ミューアの義母Angelica役/『殺人狂時代』グロネ夫人役/『慕情』病院の理事長夫人アデライン・ ジョーンズ役/『マイ・ フェア・レディ』アインズフォードヒル夫人役)/A・E・グールド・ポー ター(A.E. Gould Porter)/リリアン・ケンブル・クーパー(Lily Kemble Cooper)/ ギャビン・ミューア(Gavin Muir)/ キャサリン・ウォーレン(Katherine Warren)/ジェラルド・ヘイマー(Gerald Hamer)/アイリーン・テッドロー(Irene Tedrow)/ロス・ フォード(Ross Ford)/ テレサ・ハリス(Theresa Harris)/Mollie Glessing
ス トーリーテラー…ア ルフレッド・ヒッチコック

 アメリカ旅行の当日に妻殺しを計画 している夫の方法とは…

〜地下室〜

”ザ
ザ ク  ザザクッ〜 ザ ク ザクッ  ザ ク
夫婦でアメリカへ出発する日に、カー ペンター氏が地下室で一人で穴 を掘っている

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
カー ペンター夫人が、
カー ペンター夫人…「ハー バート」と呼ぶ。
”ザクッ”
「どこにいるの」
慌てて棍棒を隠すカーペンター氏。

 ここでヒッチコック劇場ファンはピ〜ンとくる ところだ。

カーペンター氏…「ここだ よ」と答 えるカーペンター氏。

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
地下に降りてきて、
カー ペンター夫人…「ワイン貯蔵庫を 作ってらしたの?」と 言うカーペンター夫人
カー ペンター氏…「少し掘っておきたくて 君のお陰で 旅の 支度は心配ないし」と言うカーペンター氏


酒蔵イソベル・エルソムジョ ン・ウィリアムズ
カーペンター夫人…「あ りがとう」と言うカーペンター夫人
カーペンター氏…「…」
穴 に視線を向けるカーペンター氏。
 視聴者はこの視線で”この穴は”と推理が進んでゆく。


酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
カーペンター氏の視線は穴へ。
 ”やはりね”と推理を楽しむところだ。
カーペンター夫人…「でも 1人で全部やるおつ もり?」と言うカー ペンター夫人。

酒蔵
穴か ら段々と夫人の足元 へ。
 カーペンター氏の視線の先が確信へ導く。


酒蔵イソベル・エルソム

カーペンター夫人…「気の遠くなる作業だと 思いません?」と 言うカーペンター夫人
夫人を見ているカーペンター氏。
 この表情で確信させる。この穴は夫人の墓場と なるものだと。


酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
上から目線で答えを求める夫人に、
カーペンター氏…
「確かにそうだ ね」と答え、
「とりあえず これだ け掘れば十分だ もういいだろう」と穴を見な がら言うカーペンター氏。
 ” これでいい感じだ”と満足している

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
呆れながら、
カー ペンター夫人…「じゃあ お昼に しましょ 後で気の済むまで なさればいいわ」と 言い1階に戻ってゆくカーペンター夫人。
 自分の墓場とは思いもよらず。

上着から メモ帳を取り出しサイズを 確認する。
カーペンター氏…
「” 妻  身長 163センチ”163センチだから…」と 言い。穴を見るカーペンター氏。


酒蔵ジョン・ウィリアムズ

カーペンター氏…「5セン チ位の余裕をとって 168だな この大きさであれば十分だ」と言うカーペンター氏。
Top

〜 昼食〜

メイドのエ ルシィが持って来たパイ を夫に差出ながら、
カーペン ター夫人…「さあ でき たわ 好物のシェパードパイよ」と言 うカーペンター夫人。
つまらなそうに、
カーペンター氏…「好物じゃないがね」と 言うカーペンター氏。
カーペン ター夫人…「あなたの好物よ」と決めつけて言うカーペンター夫人。
 
食い違う2人の会話。溝の深さが垣間見える。
カー ペンター夫人…
い つも おいしそうに食べるものと言う夫人。
 きっとただ文句を言わ ずに食べているだけだろうが、 自分の都合のいいように解釈す る夫人なのだ

反論しても無駄とばかり に、
カーペンター氏…「そ うかい」と答 えパイを受け取るカーペンター 氏。
カーペン ター夫人…「郵便物の転 送は頼んだし 電話局にも知らせた
後は電力会社と… 私のタイプライターは?」
と 聞くカーペンター夫人。


酒蔵ジョン・ウィリ アムズ、イ ソベル・エルソム

カーペンター氏…「車に積んだよ」と 言うカーペンター氏。
カーペンター夫人…「ありが とう アメリ カの印象を 記事にして送るの」と 言い、
エルシィに、

カーペンター夫人…「エ ルシィ カーテンは?」と 聞く夫人。
エルシィ…「こ の後 すぐに外します」と 言うエルシィ。
エルシィに、
カーペンター夫人…「午 後 洗濯屋に渡し て 帰国まで預かってもらうか ら
アメリカから手紙を書くけど  帰国は12月15日頃よ 家具 は覆った?」
と 言う夫人

エルシィ…「2階は全部 下は来客がおありなの で」と 答えるエルシィ。
カーペンター夫人…「ヒュー イットとシンクレア両夫妻よ」と 言う夫人。
カー ペンター氏…「ウォリ ンフォード夫妻は?」と聞く カーペンター氏。
カー ペンター夫人…「来られ ないと思うわ 他には…」と言 う夫人。
カーペンター氏…「雨樋の 掃除は済んだ?」と聞くカーペン ター氏。
呆れて、

カーペンター夫人…「とっ く の昔にね 新聞と牛乳も断ったし…」と 言う夫人。
カーペンター氏…「借 りた本は?」と 言うカーペンター氏。
”何を言ってるのだろう”と、
カーペンター 夫人…「もう返したでしょ」と呆 れて言う夫人。
頷くカーペンター氏。

カーペンター夫人…「仕事関係のご用事はないの?」と 言う夫人。
カーペンター 氏…「ああ 午後は荷造りをする」と 言うカーペンター氏。
笑いながら、
カー ペンター夫人…「ご心配 なく  すでに整ってるわ 必要な物は全てね
そんな事 気になさらずに 大事な事に専念なさってて」
と 言う夫人。
カーペンター氏…「優しいんだね」と 素っ気なく言うカーペンター氏。
カーペンター氏を見る夫人。
カーペンター氏…「君を妻 に持てて幸せだよ」と煽てるカー ペンター氏。
カー ペンター夫人…「まあ  嬉しい 苦労のしがいがあるわ」と 言う夫人。
 上から目線で。
ムッとするカーペンター氏。
カーペンター夫人…「お願い があるの 庭師が来るんですけど
言ってやって 生け垣の刈り方がダメだと お時間あります?」
と 言う夫人。
カーペンター氏…「ああ  何とかしよう」と 言うカーペンター氏。
 いつもこのような調子で夫人が主導権を握っているのだろう


酒 蔵ジョ ン・ウィリアムズ、イソベル・エルソム
 
Top
〜 来客〜

ヒューイットとシンクレア両夫妻が来る。


酒蔵、 ジョン・ウィリアムズ、イソベル・エルソム
客がカーペンター 氏に、
 客…「カ リフォルニア州だね?」と 聞く
カーペンター氏…「あ あ ロスだ」と 答えるカーペンター氏。
客…「前にも?」と 聞く客。
カーペンター氏…「数 週間前だけだが」と 答えるカーペンター氏。
客…「ど んな所?」と聞 く客
カー ペンター氏…「の んびりしてて自由だ」と 言うカーペンター氏。

 
酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ

客が、
客…「今度は ハモーニィがいるから 全く違うわよ」と言う。
図星に戸惑いながら、
カー ペンター氏…「きっとそうだな」と言い、作り笑いをするカーペンター氏。
カーペンター夫人がカーペン ター氏に呆れた表情をし、


酒 蔵イソベル・エルソム

カー ペンター夫人…「も う少しいかが?」と客を持て成す
客…「ありがとう あなたがいないと寂しい わ 長くなるの?」と言 う客
カーペンター 夫人…「クリスマス前には戻るわ」と答えるカーペンター夫人。
渋い表情を浮かべるカーペン ター氏。
 
酒蔵ジョン・ウィリアムズ
客…「そ うよ クリスマスは 一緒に過 ごしましょ」と 言う客
カーペンター氏…「永 住も考えてはいる」と 胸を張るカーペンター氏。

カー ペンター氏を見る夫人。
 目で威圧してい る。
カーペンター氏…「で きたらの話だが」と、 トーンを下げ耳の後ろを掻くカーペンター氏。
すかさず、
カー ペンター夫人…「あ んな話 本気にしないで 戻っ て来るわ」と 言うカーペンター夫人。
笑ってごまかすカーペンター氏。

客…「飛 行機で行かないの?」と 聞く客

カー ペンター氏…「苦手でね 怖くて 家内も苦手だし」と 言うカーペンター氏。
客…「良 かったわね」
カーペン ター氏…「車で行くんだ」
客…「そうよね 車の方がずっと便利よ」と言う客。
客…「大 陸を車で横断するの?」と 聞く客。
カーペンター夫人…「ひ どく退屈でしょうけど それも 必要よ」と 笑うカーペンター夫人。
客…「今 夜 サウサンプトンに向かい  明朝 船に乗るのね」と 言う客。
思い浮かべて表情が緩むカーペ ンター氏。
カー ペンター夫人…「時間に 捕らわれない旅よと 言うカーペンター夫人。

客…「彼 女の計画って見事よね?」と 言う客。
客…「ほんと 完璧だわ そうなって欲し い?」と 言う客。
客…「いやあ」
客…「さあ 長居は悪いわ 出発前で忙 しいんだから」と 言う客。
カー ペンター夫人…「大丈夫  後は車に乗るだけよと 言うカーペンター夫人。
客…「彼女のやる事に 手抜かりは無いわよ ね」と 言う客。
カーペンター氏…「その通 りだ」と言うカーペンター氏。
客…「で も  もう帰るわ 楽しんでらしてね」と 客、
カーペンター夫人…あ りがとう」と 言うカーペンター夫人。
客…「お 手紙  下さる?」と 言う客。
カーペンター夫人…「もちろんよ」と 言うカーペンター夫人。
客…「絶 対 クリスマス前に戻ってね 一緒にお祝いするのよ」と言う客。
客に、
カー ペンター夫人…「約束するわ」
「実は戻って来たら 彼を驚かす事があるの」
と小声で言うカーペンター 夫人。
笑う客。

カーペンター夫 人…「だ から安心して クリスマス前に 帰るから」と言 うカーペンター夫人。
何を言っているのだろうと夫人 を見るカーペンター氏。


酒蔵ジョン・ウィリ アムズ、イ ソベル・エルソム

Top
旅支度

メイドの エルシィに、
カーペン ター夫人「カ バー 掛けと片付けが 終わったら 帰っていいわ」と言 うカーペンター夫人
エ ルシィ…「はい 奥様」
と答えるエルシィ。
カーペン ター 夫人…「お給料よ 少し余分に入ってるから」と言う夫人。
エ ルシィ…「感謝します」
と言うエルシィ。

カーペンター夫人…「帰る日は手紙で知らせるわ」と 言う夫人。
エルシィに、
カーペンター氏…「当 分 帰らないかも…」と 言うカーペンター氏。
エルシィに、
カー ペンター夫人…カ バーの布は足りるかしら?」と 聞く夫人。
エルシィ…「はい」と答えるエルシィ。
時計を見て、
カー ペンター夫人…「着替え ましょ」と 夫に言う夫人。
カー ペンター氏…「あ あ もう時間だな」と 言うカーペンター氏。
家具にカバーを掛けているエル シィに、
カー ペンター夫人…お別れ よ」と 言い、

「いえ またすぐ会えるわね」と 言うカーペ ンター夫人。
エルシィ…「お 元気で」と 言うエルシィ。
カーペンター氏…「君 も元気で」と 言うカーペンター氏。
エルシィに、
カー ペンター夫人…「休 暇を楽しんでね」と 言い、
夫に、
茶のツ イードのスーツを着て この服 のポケットの物を 忘れずに出 してね」と 言う夫人。
 このポケットに 殺人計画メモが入っているのを 知っているかのよう。

カーペンター氏…「分 かった」と言うカーペンター氏。

酒 蔵ジョ ン・ウィリアムズ、イソベル・エルソム
 
Top
〜 布カバー〜

着替えを済ませ部屋を 見渡し、
カーペンター氏…「エルシィ」と呼びエル シィが帰ったのかを確かめるカーペンター氏。

酒蔵ジョン・ウィリアムズ
帰ったのを確認して地下に降りてゆくカーペンター 氏。
隠していた棍棒を取り出し、体の後ろに隠し、
カーペンター氏…「ハ モー ニィ」と 夫人を呼ぶカー ペンター氏
 殺すための準備万端だ。


酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
「ハ モーニィ」
2階から 降りてきて、
カーペンター夫人…「な あに どこなの?」と言 い、夫を探す夫人
カー ペンター氏…「地下室だ ちょっと来てくれ」と言うカーペンター氏
シャンデリアのカバーを見て、
カーペンター夫人…「先に こっちを手伝って」と言う夫人
カー ペンター氏…「急ぎなのかい?」と言うカーペンター氏。
カーペンター夫人…「物事には順序があるの 大事な事から 片付けなくては」と 言う夫人。
カーペンター氏…「…」
 思う通りに運ば ず躊躇する。
カー ペンター夫人…「ど うしたの?」と 言う夫人。
仕方なく、
カー ペンター氏…「今 行くよ」と 言い、トボトボと1階に上 がってゆくカーペンター氏。
夫に、
カー ペンター夫人…「慌てな くても大丈夫よ 時間はタップ リ 取っておいたからと 言う夫人。
視線を逸らし、
カー ペンター氏…「そうかい」と 言うカーペンター氏。
 たった今、殺そ うとして待っていただけに真面 に顔が見られないのだ。
カーペンター夫人…「踏 み台を 持って来てくださ る?」と 言う夫人。
カバーしてあるシャンデリアを 見て、
カー ペンター氏…ど うするんだ」と 言うカーペンター氏。
カー ペンター夫人…「ソ ファのカバーと替えるの 小さ いから お願いできます?」と 渋っている夫に言うカーペン ター夫人。
カー ペンター氏…持って来 よう」と 言うカーペンター氏。
シャンデリアの下に踏み台を置 くカーペンター氏。

カー ペンター夫人…「も う少し前に」と 言う夫人
踏み台を移動させるカーペン ター氏。
踏み台に上がろうとする夫人 に、
カー ペンター氏…「やろうか」と 言うカーペンター氏。
カー ペンター夫人…「いいの やってもらうと かえって面 倒だから」と 言い、夫の 肩を掴みながら台に上がる夫 人。
 この布カバーの 不気味なこと。

酒蔵ジョン・ウィリアムズ、イソベル・エルソム
「台 を押さえてて」と 言う夫人。
カバーを外し、
階段の手摺りに 置いているカバーを指し、
カーペンター夫人…「あっちのを取って」と 言う夫人。
台がグラつく。
 こ の後、殺そうと思っているので 気持ちが入っていない。
台から手を離した夫に、
カーペンター夫人…「手 を離さないで」と 言う夫人。
肩を掴まれグラつき、
カー ペンター氏…こ の体勢では 届きそうもない じっ としててと言い、
手を伸ばし手摺に 置いてあるカバーを取るカーペ ンター氏。
 カーペンター氏 の不器用さが演出されている。
カー ペンター夫人…「早く」と言 う夫人。
カバーを渡すカーペンター氏。
カーペンター夫人「う まく出来ないわ」と 言いながらカバーを付ける夫 人。
カー ペンター氏……」
” まだ付け終わらないのか”と 思いながら見ているカーペン ター氏。
夫の肩を掴み、
カー ペンター夫人…「揺らさないで 出来たわ 下りるわよ」と言 い、
台から降り、
「助かっ たわ 台を片付けてくださ る?」
と 言う。

カーペンター氏…「カ バーを外す時に使うから 置い ておけば?」と 素っ気なく 言うカーペンター氏。
カー ペンター夫人…「男の人はこれだから困るの 早く片付 けて」と 言い、
取り替えたカバーをソ ファーに被せに行く夫人。

〜 実行〜

夫人の様子を見て、地下室に向かいなが ら、

カーペンター氏…「下 に来れる?」と 言うカーペンター氏。
カーペンター夫人…「待っ て 戸締りを確認したいの」と 言う夫人。

カーペンター氏「エ ルシィがやったろ」と 言うカーペ ンター氏。
戸締りを確認しながら、
カーペン ター夫人…「不 安なの カバー掛けも ちゃん と出来なかったから」
「食堂を見て」
と 言う夫人。
 室内が怖い場所とは思いもよ らずにいる。夫が自分の命を狙って いるとは。
段取り通りいかずに溜息をつき、
カーペンター氏…「分 かったよ」と 言い、食堂へ行く カーペンター氏。
適当に確認して、
カーペン ター氏…「も ういいかい?」と 聞くカーペンター氏。

カー ペンター夫 人…「え え 何をなさってるの 興味は あるのよ」と 言う夫人。
 一応、夫を立て てやる。
一緒に降りてゆこうとする夫人より先に降り なくてはと焦るカーペンター氏。
夫人をすり抜け先に降りてゆくカーペンター氏。
カーペンター 夫人「ワ イン貯蔵庫に問題?」と 言いながら夫の後から降りて ゆく夫人。
カーペン ター氏…あ あ 君の意見を聞きたくて  迷ってるんだ もっと…」と 穴を見ながら言うカーペン ター氏。
水道の元栓を閉める夫人。
 穴に特に興味を 持っていない、旅支度を完璧に する方を優先している。
カーペン ター氏…「どうし た」と反応しない夫人に言うカーペンター氏。
夫 の話を聞いていなくて、
カー ペンター夫人…「ご めんなさい さあ 聞かせて」
と言う夫人。
段取りと違って焦り、
カーペンター氏
「深さは この位で いいだろうか?
と 言う
カー ペンター氏。

カーペンター夫人…「別 に構わないんじゃない」と 言う夫人。
カーペンター氏…「もっ とちゃんと見てくれ」と 言うカーペンター氏。
”仕方ないわね”と 呆れながら夫の傍にいく夫人。
計画している方向ではないところに 行こうとしているのに、苛立って、
カー ペンター氏…そ こからじゃない」と語気を強めるカーペン ター氏。
呆れて、
カー ペンター夫人…「ハーバートったら」と 言い、ブツ ブツ言いながら移動する夫人。
カー ペンター氏…「こ こから見てくれ」と 手招きして言うカーペンター氏。
夫が示したところから穴を見ている 夫人。
夫人の後ろに回り込みながら、
カーペン ター氏…「後 15センチ程 堀った方が い いと思うかい?」と 声を上擦らせて言うカーペンター 氏。
カーペン ター氏…それとも もう十分か な?」と 言い、
棍 棒を持つカーペンター氏。


酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
カーペンター夫人…「分 からないわ…」と言う夫人の 後頭部に、棍棒を思いっきり振り下ろすカーペンター氏。
穴 に倒れ込む夫人。
穴に倒れ込んだ夫人を
額に脂汗を掻きながら見 ているカーペンター氏
 ドタバタしたが”これで妻の管理から解き放される”と思いな がら。


酒 蔵ジョ ン・ウィリアムズ

Top
〜 後始末〜

穴を埋め、 2階の浴室に汚れた手を 洗いに行くカーペンター氏。
蛇口を捻るが水が出ない。


酒蔵ジョン・ウィリ アムズ

”妻が元栓を閉めたのか”と気づき、地 下室に行き元栓を開くカーペンター氏。
 死んでも夫に存在を感じさせている。
2階の蛇口から、水が勢いよく流れる。


酒蔵
手洗 いをしようと2階に戻ろうとすると、玄 関のベルが鳴る。
” ビィ〜ン 
ビィ〜 ン ビィ〜 ン
慌てて隠れるカーペンター氏。

ウォリンフォード夫妻が見送りに来たのだ。
ドアを開け、
ウォリンフォード氏…「ハー バート」
ウォリンフォード夫人…「ハモー ニィ」と呼ぶウォリンフォード夫妻。


酒 蔵ジョ ン・ウィリアムズら
ウォリンフォード夫人…「い ないみたい」と夫 に言い、夫と顔を見合わ せる夫人。
ウォリンフォード 氏…「車 はある」と 言うウォ リンフォード氏
ウォリンフォード夫人…「お 隣かしら?」と 言う夫人。
ウォ リンフォード氏…「会わないとな」と 言うウォ リンフォード氏
ウォリンフォード夫人
「急 な買い物とか」と 言う夫人。
ウォリンフォード 氏…「考 えられんよ 音がする」と 言うウォリンフォード氏
緊張が走るカーペンター氏。
ウォリン フォード氏…「風 呂かな? 叫ぼうか? 戸を叩 く?」と 言うウォリンフォード氏
表情が引き攣るカーペンター 氏。
2階の方を見て、
ウォ リンフォード夫人…だ め 迷惑よ」と 夫に言う夫人。
ウォリン フォード氏…「そ うかな」と 言う
ウォリンフォード氏
ウォリン フォード夫人…帰りま しょう 出発の邪魔をしても悪 いわ」と 言う夫人。
聞き耳を立ているカーペンター 氏。
ウォリンフォード氏…「仕方ないな 一緒に飲みたかったが  残念がるな」と 言うウォ リンフォード氏
腕時計を見て、

ウォリンフォード夫人…「遅くなるわ 帰りましょう」言う夫人。
”ガチャン”
ウォリンフォード夫妻がド アを閉める音を確かめ、
カーペン ター氏…「…」
見 つからずによかったと ホッとし、ドドドっと疲れが押し寄せてくるカーペンター氏。
 ここでも思い通 りにいかないことを痛感したの だ。


酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ

Top
〜いざ、アメリカへ〜

妻を殺害し解放の旅を楽しむカーペンター氏。
ホットドックをほおばり悠々自適にドライブをするカーペンター氏。
 干渉する妻と一緒の時は出来なかったことだ。このようなことが 一番したかったのだろう。


酒蔵ジョン・ウィリアムズ
ホテルで妻 に成り代わってタイプライターを打つカーペンター氏。
カー ペンター氏…「”今は素敵な部屋に落ち 着き 来週 彼の仕事も始まり ます
永住を勧められてますが 当然  断るつもりです
とてもいい所だけど 我が家と は違うもの
だから心配しないで クリスマ スに会いましょう”」
と 打ち、
 
酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
用紙を取り出し、
 「次 の手 紙で 揺れてる心を書こう」と 言うカーペンター氏。
ブザーが鳴る。
” ビィー”
カーペンター氏…
「ちょっと待って」と ドアを開ける

社員が、
社員…「様 子を 見に寄りました」と言い、

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズら
「じき落ち着きますね」と言 う。
カーペンター氏…「もう落ち着いて る 朝食でもいかがです?」と言うカーペン ター氏。
社 員…「い い所ですね」と言う。
カーペンター氏…「ええ」と 言い、ビールを飲むカーペンター氏。

社員…「朝 食はいつもビール?」と 言う。
カーペンター氏…「い や 最近だ 気に入ってる 本当に 何も?」と 言う。
社員…「結 構です 戻らないと 手紙が届いてました
奥様宛もありますが こちらに?」
と 言い、手紙を渡す。
カーペンター氏…「い や 別居したんです 突然でね 上手く行ってると
思ってたんだが… 友人には まだ知らせてなかった」
と 言う。

社員…「じゃ あ 失礼します
 滞 在を延ばす件は?」と 言う。
カー ペンター氏…「そうなると思います いい所ですか ら」と 頭を掻きながら言う。
社 員…「で は月曜にオフィスで」と 言う。
カーペンター氏…「ええ 送ります」と 言う。
社員…「そ のままで」と言い、ドア に向かう。
カーペンター氏…「わ ざわざ どうもありがとう」と言い送る。
社員…「問 題があれば言って下さい」と 言う。
カーペンター氏…「何 もありません」と言う。
社員…「では 月曜に」と言い帰ってゆく。

〜手紙〜

手紙を整 理するカーペンター氏。、
カーペンター氏…「ハモーニィ 宛 これもだ ウォリンフォード夫人」と 言い、手紙を読む。
メイド…「メイドです」と 言い、メイドがドアを開け入って来る。
ウォリンフォード夫人からの手紙をざっと読み、
カーペンター氏…「明 日返事をしよう」と言 う。
メイド…「お 早うございます 解きかけの荷物は すぐに片付けます」と言い部屋に 入って来るメイド。

カーペンター氏…「構わないでくれ そのままが いいんだ 掃除と皿洗いをしてくれ」
と忙しそうに言 う。
メイド…「タオル 片付けます?」と 言うメイド。
カーペンター氏…「ああ 頼む」
と振り返り 言う。
「何だ 請求書のようだな  ”ホルト& サンズ建設
工事の見積もり 了承頂きまして ありがとうございます
完成はご希望通り クリスマス前とします”」

表情が凍り付くカーペンター氏。

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ
がくりと腰が抜けるカーペンター氏。
まじ まじと請求書を見るカーペンター氏。

酒蔵ジョ ン・ウィリアムズ


酒 蔵
「”地下 室 床 堀削工事”」

酒蔵
頷き、
カーペンター氏…「そうだったのか
だからクリスマス前に帰ると…」
と 言うカーペンター氏。

酒 蔵ジョ ン・ウィリアムズ

 カーペンター 夫人は殺された後も夫を管理していた。
カーペンター 氏は妻の呪縛から解き放されたのは、一時だったわけだ。
 練りに練って準備してきた計画はいとも簡単に崩れ去った。何とも惨め。
 カーペンター氏は夫人の友人が言っていた
「彼女の計画って見事よね?」「ほんと 完璧だわ」を 思い知ったことだろう。

 『麗しのサブリナ』サブリナ の父、『ダイヤルMを廻せ』
ハ バード警部、『泥 棒成金』ヒューソ ン、『ヒッ チコック劇場/雨 の土曜日 亡 霊の見える椅子』、 『情婦』ブローガンムーア、 『刑事コロンボ/ロンドンの 傘』サー・ロジャーな どでお馴染みのイギリス紳士ジョン・ウィリアムズの飄々とした演技が楽しめる作品だ。


アルフレッド・ヒッチコック
※DVD ヒッチコック劇場 第1集より
更新2020.8.28

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ヒッチコックがデザインしたという似顔絵

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