 -Alfred Hitchcock Presents- 毒 蛇 -Poison-   アルフレッド・ヒッチコック ※ストーリーの結末を載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承 下さ い。 記号[☆：スタッフ・キャスト →：
始めに ←：終わりに]
(1958.10.5)(米)(CBS)(TV映画)-Poison-
監督…ア ルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock) 制作…ノーマン・ロイド(Norman Lloyd)/ジョーン・ハリソン(Joan Harrison) 原作…ロアルド・ダール(Roald Dahl) 脚本…ケイシー・ロビンソン(Casey Robinson) 撮影…ジョン・L・ラッセル(John L. Russell) 出演…ウェ ンデル・コーリー(ティンバー・ウッズ/共同経 営者)Wendell Corey(『裏窓』ではドイル警部補役を演じた)/ジェームズ・ドナルド(ハリー・ポープ/農場主)James Donald(『大 脱走』ではラムゼイ大佐役を演じた)/アー ノルド・モス(ギャンダーベイ/医者)Arnold Moss/ウィーバー・レ ヴィ(Weaver Levy) ストーリーテラー…ア ルフレッド・ヒッチコック 農場の共同経営者のハリーの家を訪 れたティンバーが目にしたのは、毒蛇が腹の上にいると脂汗をかいてるハリーの姿だった…  『毒蛇』 部屋の照明を見て”いる
な”と思いながら入って ゆくティンバー。
 『毒蛇』  『毒 蛇』
声を殺して、
異様な様子のハリーに、 ティ ンバー…「何事だ？」と 言うティンバー。 手でティンバーに動きの静止を求めながら、 ハリー…「とまれ ちょっと待った」と 言うハリー。 ハリーの様子を見て、 ッティンバー…「ハリー？」と 言うティンバー。 ハリー…「声を出すな」と 言うハリー。 ティン バー…「酔っ てるな」と言うティンバー。 ハリー…「いいや 靴を脱いでー こっ ちへ 来るんだ 頼む 言うとおりにしろ」と言い、指差しながら指図するハリー。 ティンバー…「酒を飲んだな」と 言うティンバー。 ハリー…「時間がないんだ とにかく靴 を脱いでくれ」と言うハリー。 ティンバー…「酔っ払いは手に負えんよ」と 言いながら靴を脱ぎハリーの傍にゆくティンバー。 ハリー…「触るな！ ベッドに触るな」と 声を殺して静止させる。  『毒蛇』 ティンバー…「マラリアにかかったのか？」と 訝しげに言うティンバー。 ハリー…「毒ヘビだ」と 言うハリー。 ティンバー…「毒ヘビ？ いつ咬まれたんだ？ 数分で死ぬぞ」と言うティンバー。 ハリー…「咬まれちゃいない 俺の腹の 上で 寝てるんだ」と言い、腹の上を指すハリー。 笑いながら、 ティン バー…「冗 談よせ 目の錯覚だろ」と言い、シーツをめくろうとする ティンバー。 血相を変えて、 ハリー…「やめろ」と静止させるハリー。  『毒蛇』 と言い、 『毒蛇』 シーツで覆われたハリーの腹の
上を見 るティンバー。
ハリー…「神に誓う」と言うハリー。 ティンバー…「説 明しろ」と言うティンバー。 ハリー…「本を 読んでたら こうして横になって やがて気配を感じた 腹がくすぐったい そのとき 見たんだ 小さな1匹のヘビを」  『毒蛇』 「パジャマを這ってた 30センチのチ
ビだが 動けない パジャマの上から感じたんだ」と言うハリー。
腹の上を見ながら聞いているティンバー。
ハリー…「もぞもぞ動いてた 今は静かなもんだ ヘビのやつー すやすや眠ってる」と言う ハリー。 ティンバー…「いつから？」と 聞くティンバー。 ハリー…「使用人が帰って から ずっとだよ これ以上 我慢できない 咳が出そうだ」と 言うハリー。 ティンバー…「お前を信じるよ ハ リー ヘビの習性を考えれば あり得るな 人の家の 暖かい場所が好きだ 毎年 大勢の人間が こいつに殺られてる」と 言うティンバー。 ハリー…「脅 しはいいから 助けてくれ」と悲愴な表情で助けを求めるハリー。 下手に刺激すると一巻の終わりという状況 だ。 〜対策〜 意に反して対策を講じ、 ティンバーー…「よし 分かった 何とかしよう」と言い、ふざけて奥からサバイバルナイフを持ってくるティンバー。  『毒蛇』  『毒蛇』 サバイバルナイフを触りながら、 ティンバー…「ハリー お 前も 元ボーイス カウトだろ？ こいつが目を覚まして お前を咬んだらー これで傷口を開いて 毒を吸 い出すんだ」と 言い、面白がるティンバー。 この演技は 『裏 窓』のドイル警部補役でも見せていた。 ウェンデル・コー リーは、こ れが決めてで配役されたの では。 ”何を言ってるんだ”と思いながらティンバーを見ている ハリー。 ティンバー…「まず初め にー シーツを下ろさなきゃな ヘビと対面するか 起きやしないさ」と 言い、シーツを剥がそうとするティンバー。 慌てて、 ハリー…「やめろ バカは よせ 明かりで起きる」と言い、止める ハリー。 ティンバー…「払 い落として たたき殺すんだ」と言うティンバー。 〜 電話〜 ハリー…「なぜ医者を呼ばな い？」と言うハリー。 ティンバー…「うっ かりして た」と 笑い、 「ギャ ンダーベイ先生を呼ぼう し まった 忘れてた 先生は休暇中だ」と 言うティンバー。 ハリー…「今 か？」と 言うハリー。 ティンバー…「今夜 シン ガポールに発った 付近に医者は いないぞ」と 言うティンバー。 ハリー…「出 発を夜中に 延ばすかもしれん」と 言うハリー。 ティ ンバー…「も う夜中だ」と 言うティンバー。 呼ぶ気がない。 悲愴な面持ちで、 ハ リーー…「電 話しろ」と 言うハリー。 やる気なく、 ティ ンバー…「分 かった するよ」と 軽く答え、 「そ ういや先生の 番号は？」と 言うティンバー。 イラつくハリー。 だが身動きがとれない。 ティ ンバー…「いいさ 電話帳で調べる よ これか どれどれ まず住所だな」と言い、  『毒蛇 イライラするハリー。 ティ ンバー…「”ギャンダーベイ 医者”」と 言い電話帳を置き、 「交 換手」と 電話するティンバー。 聞き耳を立てるハリー。  『毒蛇』 ティンバー…「パ
ハン州7の1の3を」と
言うティンバー。
祈るハリー。 ティ ンバー…「キャンダーベイ先生？ そうですか…」と言うティンバー。 ” だめだったのだろうか”と 落胆するハリー。 ティ ンバー…「すみません」と 言い電話を切り、 「番 号違いだ」と 笑いながらハリーに言うティ ンバー。 ”このやろう”と 睨みつけるハリー。 ティ ンバー…「メガネをかけよう これ でいい ええと… パハンはどこだ」と メガネを掛け電話帳を手に取 るティンバー。 「G だ これだな ”ギャンダーベ イ” ”7の1の8”だ ”7 の1の 3”と言ったな」と笑うティンバー。  『毒 蛇』  『毒蛇』 「交換手？ 番地を言い間違えてた
そうだ パハン州のー
7の1の8だ さっきは3と言った」と言い、  『毒蛇』 いまさらながら、
「もしもし ギャ ンダーベイ先生？ なるほど お願いするよ 先生が出たか見てくると」と受話器片手に状況をハ リーに伝えるティンバー。 〜 医者〜 車 で出掛けようとしている医者に看護師が、 「先生 お待ち を！ 電話です」と呼び止める。 ハンドルに手を掛け、 医者…「出 たと言え」と 言う医者。  『毒蛇』 「ハイ ”先生 出かけた”ね？」と言う看護師。 医者…「い や 待ってくれ」と言う医者。 看護師に繰り返されたことで、医者としての尊厳を保てなくな りそうだったから。 「いま行く」と 言い、電話に出る。 状況を説明するティンバー。 ホッとするハリー。 〜腹の内〜 ティンバー…「一服すりゃ落ち着くぞ」と 言うティンバー。 ハリーー…「咳 が出る」と言うハリー。 ティンバー…「吸 うぞ」と言い、煙草 を吸うティンバー。 煙草の煙を吹かせながら、ハリーの顔の汗を拭こうとするティンバー。 煙を真面に受け、  『毒蛇 泣きそうな顔になるハリー。
ティンバー…「おっと す
まない」と言うティンバー。 『毒蛇』 ティンバー…「な
あ ハリー 先生は”喋らせるな”と
でも悪いが こっちは退屈でね 死にそうな顔だぞ こんな時だが 万一のためにー いろいろ決めておかないか」と言うティンバー。 ”何を言い出すんだ”と驚 き、 ハリー…「例えば？」と聞くハリー。  『毒蛇』  『毒蛇』 ハ リー…「ジュ
リー？」と言うハリー。
飲んだくれて 泣かせてばかり」と言うティンバー。 ハリー…「酒はやめる」と言うハリー。 ティンバー…「またかよ」と呆れたように言い、 「今まで何度 その言葉にだまされたか 彼女もじき気づくさ 俺はその日を待つ まもなくかもな」と言うティンバー。 ハ
リー…「…」
ティ
ンバー…「彼
女を幸せにするよ」と言うティンバー。
ハリー…「お前の腹は読めた 俺を殺す気だな こいつ で」と腹の上を指すハリー。 ティンバー…「故郷のパリを捨 てて お前を追ってきたー 女のためだ」と話すティンバー。 ハリー…「ティ ンバー 助けてくれ」と脂汗をかき嘆 願するハリー。 『大脱走』のラムゼイ大佐役で落ち着 いた 演技を見せていたジェームズ・ドナ ルドと対照的で面白い。  『毒
蛇』
ティ
ンバー…「大
声 出すなって ヘビが目を覚ますぞ しかしだジュリーはこう言うさ”ハリーを酒浸りにしてー 会社を乗っ取ったわね”」とからかいながら話す ティンバー。 ハリー…「お 前は相棒だ」と言うハリー。 ティンバー…「教 えてやろう お前は正しい 俺はお前を酒に 溺れさせた そして今夜ー 小さなヘビに 思いが通じたんだ これを何て言う？ ”神の手”か 神の使いが ヘビとは面白い」と面白がるティンバー。 咳 をして体がピクリと動くと言うハ リー。 引き攣って腹の上を見るハリーと、驚いてとっさにハリーの腹の上を見るティンバー。  『毒蛇』 医者が来る。
医者…「この抗血清をー 手際よく静脈に 打たねば」と言い、注射の準備 をし、注射器をティンバーに渡す。 気がないティンバーが落としそうになる。 「動かさ ないように」と注意する医者。  、『毒蛇』 本を持ったままのハ
リーの手を、そーっと動かし、
医者…「抗血清の注射をするよ チ
クっとするがー 動かないで」と言う医者。
駆血帯を腕に巻き、 正式の巻き方ではないので、これでは外し難 い。 注射器から空気を飛ばす。 注 射嫌いはこの場面が一番怖いかも。
 『毒蛇』 注射を打つ医者。
ここでも注射を打ち終わった後に、駆血帯を外していた。血液が逆流したのでは。 細かいところだが、結構面白がって見た。 映画では、”あれ〜”と思うような場面が時にある。それを見て 楽しむのもいいかも。  『毒蛇』 医
者ー…「咬
まれても大丈夫だが 決して動くな すぐ戻る」とハリーに言い、ティ
ンバーと部屋を出る医者。
医者に、 ティンバー…「一安心だ」と言うティンバー。 医者ー…「ああ 心配いらん」と言い、 「ダメだ」と 言う医者。 ティンバー…「助 かる見込みは？ 毒を防げるんだろ？ 役に立たないのか？」と聞くティンバー。 医者…「残念だが 五分五分ってとこ だ」 にんまり する ティンバー。 「他の手立てを考えねば」と言う医者。 ティンバー…「シー ツをはぎとろう」と面白がって言うティ ンバー。 医者…「焦っては 元も子もない」と言った後に、 思いつく医者。  『毒蛇』
再
び枕の下に潜り込む。医者…「ひらめいたぞ これしかない
ハ リー…「…」
脂汗をかき怯えているハリー。  『毒蛇』 ハ リー…「あ
いつ…」と言うハリー。
医師…「静 かに 動いてもいかん 力を抜いて いいね？ 無理を言うが気を楽に これからの計画を話そう こいつを眠りにつかせる もっと深い眠りに 麻酔剤でね ウッズ氏がクロロホルムを 持ってくる」と話し、往診カバンから駆血帯を取り出して、 「では準備にとりかかろう 用心深 くー ゆっくり焦らず」と言う医師。 シーツを静かにめくり、駆血帯を ヘビがとぐろを巻いているところに差し込 む。 ま るで、毒蛇を侵入させているみ たいだ。ヒッチコックが面白 がっているシーンだ。  『毒蛇』 ハ リー…「も
うダメだ これ以上 我慢できない」と言うハリー。
ティンバー…「パ ンクした」と言いながら、クロロ ホルムをやっと持ってくるティンバー。 ハリーに、 医者…「ベッ ドに麻酔を注ぐぞ 冷たいがー 決して動くんじゃない」と話し、駆血帯に 丸めて筒にした紙を差し込みクロロホルムを 注入する医 師。  『毒蛇』  『毒蛇』 シーツをゆっく
りめくり終わりティンバーと顔を見合わせる医者。
 『毒蛇』 ”い
ない”
医者…「よ
せ どこかに隠れてるんだ パジャマの足の中かも」と言う医者。
起き上がって、 ハリー…「咬まれたんだ！ いない！」と足を バタバタさせて言 うハリー。  『毒蛇』 疑いの視線をハリーに向ける医者とティンバー。
 『毒蛇』 ベッドから降り、座り込んだハリーに、
ハリー…「ポー プさん ヘビを見たのは確かですか？ 夢に出てきたのでは？」と言う医者。 ハリー…「ウソだと？」と声を荒げるハリー。 ティンバー…「アルコール幻覚症だもんな」と言うティンバー。 ティンバーを睨み、 ハリー…「聞けよ 俺は…」と言 うハリー。 そそくさと帰り支度をする医者。 信じてもらえず憮 然とするハリー。  『毒蛇』  『毒蛇』 医者を送りながら、 ティンバー…「仕方ないやつだ 酒を飲んでは 問題 を起こしてー 会社の株を失った」と話すティンバー。 医者…「彼には休暇が必要だ」と言い、帰ってゆく医者。  『毒蛇』 ティンバー…「どうも」と笑いながら見送るティンバー。
Top
笑いながら酒を持ってくる
ティンバー。
ベットから立ち上がって、
ハリー…「この 目で本当に見たんだ」と怒るハリー。 ティンバー…「ヘビ やらピンクの象が 見えるんだろ 分かってる」とからかうティンバー。  『毒蛇』 2人の会話を面白がるように、枕
の下に潜んでいた毒蛇が姿を現
す。
 『毒蛇』 ハ リー…「確
かにいたんだよ 俺の腹の上に」と声を荒げるハリー。
毒蛇が再び枕の下に潜む。 笑いながら、 ティンバー…「酒 でイカれちまったか ジュリーに聞かせたいよ」と言うティンバー。 ハリー…「友 達なら…」と言うハリー。 ティンバー…「迎え酒といこう ぜ さあ飲もう」と言い、酒を注いだグラス をハリーに渡す。 憮然と受け取るハリー。 「友 情に 乾杯」とグラスを掲げようとする ティンバー。  『毒蛇』 驚いてハリーを見るティンバー。  『毒蛇』 ティンバーを睨むハリー。  『毒蛇』 ハリーを見ながら、
ティンバー…「友
情に！」とグラスを掲げて酒を飲むティンバー。
笑いながらベッドに座り、酒を飲み干し、  『毒蛇』 ティンバー…「お前ってやつは… どこまでマヌケなんだ」とこけ落として、ベッドに横になるティンバー。 突然、
『毒
蛇』「あ ああ〜」と、 悲鳴を上げ全 身をバタつかせ、顔色を変え飛 び起きるティンバー。  ティンバー…「咬まれた」と言うティンバー。
 『毒蛇』 ティンバー…「咬まれた！」と言うティンバー。
 『毒蛇』 ティン バー…「本当に いたんだ
ハリー 俺は死ぬのか？ 先生を！」と顔を引きつらせて救いを 求めるティンバー。  『毒蛇』 ハリー…「…」
ティンバーを 静観しているハリー。 ハリーに、 ティンバー…「頼む 呼んでくれ」と必死に頼むティンバー。 ハリー…「先生は帰った」と冷たく言うハリー。  『毒蛇』 「ハリー ハリー…」  アルフレッド・ヒッチコック ※DVD
ヒッチコック劇場 第2集より
Top
更新2020.7.17
Top
|
