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ドラマ/全10話)-Dekalog/The Decalogue-(1988
年ヨーロッパ映画祭グランプリ)(1988年フェリックス賞)(1988
年ダンケルク国際映画祭国 際批評家連盟賞)(1988年サンパウロ国際映
画祭 国際批評家連盟賞)(1988年ストラスブール・シルティグハイム市
賞)(1988 年ライン州議会賞)(1989
年ヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞)(1989年ミラノ国際映画祭
Youth&Film賞)(1989年サンパウロ
国際映画祭一般部門 賞)(1990 年シドニー国際映画祭銅賞)(1990
年ベローナ・キリスト教会協会賞)(1990年イタリア
「ENNIOFLAIANO」協会脚本賞)
監督…クシシュトフ・キェシロフスキ(モ ントリオール国際映画祭監督部門国際批評家連盟賞) 製作…リシャルト・フトコフスキ 脚本…クシシュトフ・キェシロフスキ/ クシ シュトフ・ピェシェヴィチ 音楽…ズビグニエフ・プレイスネル 出演…[第1話]ア ンリク・バラノウスキ(父/クシシュトフ)/ボ イチェフ・クラタ(息 子/ パヴェウ) ………[第2話]ク リスティナ・ヤンダ(妻 /ドロタ)/ア レクサンデル・バルディーニ(老医師) ………[第3話]ダ ニエル・オルブリフスキー(ヤヌーシュ)/マリア・パクルニス(エヴァ) ………[第4話]ア ドリアンナ・ビェジェインスカ(アンカ)/ヤヌーシュ・ガ ヨス(父/ミハウ) ………[第5話]ミ ロスワフ・バカ(ヤツェッ ク)/クシシュトフ・グロビ シュ(ピョートル) ………[第6話]オ ラフ・バシェンコ(トメク)/グラジナ・シャポウォフスカ(マグダ) ………[第7話]アンナ・ ポロニー(母/エヴァ)/マヤ・バレルコスカ(娘 /マイカ) ………[第8 話]テレサ・マシェスカ(エリザベタ)/マリア・コシャルスカ(ゾフィア) ………[第 9話]エ ワ・ブラシュスク(妻/ハンカ)/ピオトル・マチャリカ(夫/ロメク) ………[第10 話]イェ ジ・シュトゥール(兄/イェジ)/ズビグニェフ・ザマホフ スキ(弟/アルトゥル) ………ア ルテュル・バルシス(1話から6話、8話,9話に登場する謎の青年)※ キシロフスキ「男 は行動に影響を 与えることはないが、主人公た ちに何をしているかについて考 えるように仕向ける……男の執 拗な凝視は内省を誘う」 ク
シシュトフ・キェシロフスキ監督が「モーゼの十
戒」をイメージし、一話完結型の連作十話で構成
させた作品である。テレビドラマとして製作されたが質の高さから、1989年のヴェネチア映画祭で上映されたのち、各国で劇場公開されたという。 第1話
[ある運命に関する物語]-あなたは私の他になにものをも神としてはならない-(1988)(ポーラン
ド)(56分)-Dekalog
1: Dekalog, jeden- [あ る運命に関する物語]ボイチェフ・クラタ [あ る運命に関する物語]ボイチェフ・クラ タ、マヤ・コモロフスカ [あ る運命に関する物語]ボイチェフ・クラ タ、アンリク・バラノウスキ [あ る運命に関する物語]ボイチェフ・クラタ、アンリク・バラノウスキ [あ る運命に関する物語]アンリク・バラノウスキ Top 第2話[ある選択
に関する物語]-あなたはあなたの
神、主の名をみだりに唱えてはならない-(1988)(ポーラン
ド)(59分)-Dekalog 2: Dekalog,
dwa- [ある選択に関する物語]アレ クサンデル・バルディーニ、クリスティナ・ヤンダ [ある選択 に関する物語]アレ クサンデル・バルディーニ [ある選択に関する物語]クリスティナ・ヤンダ [ある選択 に関する物語]オルギェルト・ウカシェビッチ Top 第3話[あるク
リスマス・イヴに関する物語]-安息日
を覚えてこれ を聖とせよ-(1988)(ポーラン
ド)(58分)-Dekalog
3: Dekalog, trzy- [あるク リスマス・イヴに関する物語]ダニエル・オルブリフスキ、マリア・パクルニス [あるク リスマス・イヴに関する物語]ダニエル・オルブリフスキetc [あるク リスマス・イヴに関する物語]マリア・パクルニス、ダニエル・オルブリフスキ [あるク リスマス・イヴに関する物語]ジョアン・チェプコスカ [あるク リスマス・イヴに関する物語] Top 第4話[ある父と娘に
関する物語]-あなたの父と母を敬え-(1988)(ポー
ランド)(55
分)-Dekalog 4- [ある父と娘に 関する物語]ヤヌーシュ・ガヨス [ある父と娘に 関する物語]アドリアー ナ・ビエジンスカ、ヤヌーシュ・ガヨス [ある父と娘に 関する物語]アドリアー ナ・ビエジンスカ [ある父と娘に 関する物語]アドリアー ナ・ビエジンスカ、ヤヌーシュ・ガヨス Top 第5話[あ
る殺人に
関する物語]-あなたはなにものをも殺してはならない-(1988)(ポーラン ド)(60分)-Dekalog 5: Dekalog, piec- 町
をぶらついている青年ヤツェック(ミロ
スワフ・バカ)が映
画館の受付で、 タク シーのフロントガラスに鳩の糞が付いて いるのを水を流して取り除こうとしてい る運転手。 路地
を歩いているヤツェックに、追っかけ合
い喧嘩している子どもたちがぶつかりそ
うになる。 車を
掃除しているタクシー運転手が、ミニス
カートの若い娘がトラックの荷台に手を
伸ばしそうとしているのを体を倒して覗
こうとする。 町を
当てもなくうろついているヤツェック。 [ある殺人に 関する物語] ヤツェックがのちに事故死した妹のことを話す付箋になってい
る。
通り過ぎようとして引き返し絵描きに ヤツェック…「ザムコヴィ広場は?」と聞く。 スケッチしながら、 絵描き…「まっ すぐ行った所」と言う。 タクシー乗り場で並んでいる人に割り込んで乗っている男2人をタバコを吸いながら見ているヤツェック。 ヤツェックに、 老婦人…「あっち行きな あたしの鳩 が怯えるだろ! 行っとくれ!」と冷たく言い放つ老婦人。 鳩のそばに行き追い払うヤツェック。 老婦人…「ゴロ ツキ」と言葉を投げつける老婦人。 橋の上から混雑したハイウェイを見ているヤツェック。 脇の下を体にくっつけてタクシー乗り場を覗くヤツェック。 橋にあった石を指で押しながら、落とす。 何台も衝突した事故の音が聞こえる。 その場を立ち去るヤツェック。 第2話のアンドレとドロタ夫妻がタクシー運転手に、 アンドレ…「空いてる?」と聞く。 洗車しながら、 タクシー運転手…「洗車中だよ」と言う。 ドロタ…「寒くても待つわ」と言い物置小屋の脇で待つ夫妻。 ふき掃除をしながら二人を見るタクシー運転手。 まだかと、タクシーの方を見るアンドレ。 先ほどの若い女がタクシーの前で座り込んでブーツを触っている。 タクシー運転手を挑発している。 タクシー運転手…「ドライブでも しないか」と誘うタクシー運転手。 ”からかっただけよ”とばかりに腰を振りながら立ち去る若い女。 物置小屋からタクシーに 近づくアンドレ。 アンドレをチラリと見て、 [ある殺人に 関する物語]ヤン・テサシ 洗車が終わるのを待って いた夫妻を乗せずにスピードを上げて走 り去ってしまうタクシー運転手。 乗車拒否して面白がっている。 アンドレ…「待ってく れ」と走って来て呆れて見ているアンドレ。 写真店のウィンドウを通して少女たちの写真を食い入るように眺めて、 ヤツェック…「すみませ ん」 写真をチェックしながら、 女技師…「何でしょ う」 ヤツェック…「これ を…」と言いなが ら、棍棒、ロープを出す。 女技師…「内装工事 の人?」 ヤツェック…「違う」 女技師…「かと思っ た」 ヤツェック…「この写真 をー 引き伸ばせるかな」 古くなった少女の写真を見て、 [ある殺人に 関する物語] すぐに写真を取り上げ見て、 ヤツェック…「構わな い」と言うヤツェッ ク。 大切な写 真なのだろう。表の写真のように綺麗にして もらいたいが手放したくない思いもある。 女技師…「待って て」と写真を持って奥の方へゆく。 心配そうに、 ヤツェック…「ねえ 写 真を見れば写ってる人のー 生死が分るって本当?」 女技師…「くだらな い嘘よ」 ストライキをして行進している中に割り込んで通り列を乱れさせるヤツェック。 タクシーの窓を下げ、野良犬を見て タクシー運転手…「食うか? 食え」と言いパン を放り投げる。 便所で、自分に笑いかけた謎の青年(アルトゥル・バルチス) [ある殺人に 関する物語]アルトゥル・バルチス を投げ倒しニタリとするヤツェック。 タクシーを探しながら、ぶらついているヤツェックが、警官を目にして避ける。 店に入り、 ヤツェック…「紅茶」 店員…「ありません」 ヤツェック…「何がある」 店員…「コーヒーとケーキ」 ヤツェック…「じゃあ 両方もらう シュークリー ム」「それじゃない そっちのを」 向かいの通路にいる警官を見ながらシュークリームにかぶりついているヤツェック。 立ち去る警官を見てテーブルの下でバックからロープを取り出し解き右手に巻き付けて引っ張り強度を 確かめる。 タクシー運転手が窓から2匹の子犬を散歩させている男をジッと見ている。 車の近くに来たところでクラクションを長押しし鳴らす。 驚いた子犬たちが暴れ出し逃げ出す。 「マッジオ!」と呼ぶ男。 それを面白がって見ているタクシー運転手。 店のウィンドウ越しに少女が遊んでいるのを目にしたヤツェックが、コーヒーをかき混ぜてスプーンで 飛ばす。 元々、飲みたかった紅茶ではなかったので。 窓にべったりと着いたのを見て少女たちが笑う。 それを見てヤツェックも笑う。 [ある殺人に 関する物語]ミロスワフ・バカ 寂しそうに見ているヤツェック。 「面接に合格したことを 喜 びをもって伝えよう 4年間の修習生活を終えー今日から君は 我々の同僚だ」と告げられ喜ぶピョー トル。 ロープをテーブルの下で右手に何重にも巻き付け強度を確認すると立ち上がり、回収されたナイフに付 いたクリームを落とし盗む。 2人の酔っ払いが近づくのを見て走り去るタクシー運転手。 カフェを出るとき他の客のコーヒーカップの中につばを吐くヤツェック。 ヤツェックがタクシー乗り場に着くと一台は客を乗せ立ち去る。 その後に来たタクシーに乗ろうとする。 後から来た2人連れの一人が 男…「失礼 モコトゥフへは?」と言う。 首を振り、 ヤツェック…「ヴォラだ」と 言うヤツェック。 男…「急用なんですが…」 構わずタクシーへ乗り、」 ヤツェック…「モコトゥフへ」と 言うヤツェック。 タクシー運転手…「あの男の行き先 は?」と言うタクシー運転手。 ヤツェック…「ヴォラ区だ」と 嘘を言うヤツェック。 ”どっちだっていいや”と車を走らせ るタクシー運転手。 反 社会的で危険な孤独者が、乗車 拒否したり意地悪な行動をして いるタクシー運転手と外から隔離された車内で一 緒になる。 何かスカッとすることをやりた く て、両 手にロープをしっかり巻き付けている。 い つも失望しているヤツェックが、 乗客を失望させて続けてい るタクシー運転手の車に乗る。 謎の青年(ア ルトゥル・バルチス)と目が合う。 目が合わないように影になっている部分へ背伸び して隠れるヤツェック。 ”だめだよ”と 首を横に振る謎の青年=天使(アルトゥル・バルチス)。 運転手の真後ろの座席に移動して ヤツェック…「窓を閉めて 寒くて」と 言うヤツェック。 窓を閉めるタクシー運転手。 右手に巻いているロープを見るヤ ツェック。 車を止めて園児たちに先に渡るよう に促すタクシー運転手。 良い行いをする気になったのは、 何か知らせるものがあったのだろう か。 ヤツェック…「この先を左」と言うヤツェック。 タクシー運転手…「まっすぐでも行けるよ」と言うタクシー運転手。 ヤツェック…「曲がってくれ」と言うヤツェック。 タクシー運転手…「了解」と言うタクシー運転手。 人気のない道に入っていく。 ロープを巻き付けたヤツェックの両手が映し出 される。 両手で引っ張り切れないことを 確かめている。 ヤツェック…「そこで止めてくれ 先へ行けない」と 言うヤツェック。 タクシー運転手…「行こうとも思わない」と 言うタクシー運転手。 [ある殺人に 関する物語]ミロスワフ・バカ 続きはこちら
のちに再編
集した映画『殺人
に関する短いフィルム』が
製作・公開され、同作が
1988年・第41回カンヌ国
際映画祭で審査員賞と国際批評
家連盟賞を受賞した。 Top 第6話[ある愛に
関する物語]-あなたは姦淫してはならない-(1988)(ポーラン ド)(61分)-Dekalog
6: Dekalog, szesc- [あ る愛に 関する物語]オラフ・バシェンコ 続きはこ ちら のちに劇場用長編
映画とし て再編集された『愛に関す
る短いフィルム』も製作・公開された。 Top 第7話[ある告
白に関する物語]-あなたは盗みをしてはならない-(1988)(ポー
ランド)(57
分)-Dekalog
7: Dekalog, siedem- [ある告白 に関する物語]アンナ・ポロニー、カタリナ・ピオマルスキーetc [ある告白に関する物語]マヤ・バレルコスカ、カタリ ナ・ピオマルスキー [ある告 白に関する物語]ボゼナ・ディ キエル、カタリナ・ピオマルス キー、マヤ・バ レルコスカ [ある告 白に関する物語]マヤ・バレル コスカ、カタリナ・ピオマルス キー [ある告 白に関する物語][ある告白 に関する物語]ウラジスラウ・コワルスキ、アンナ・ポロニー、カタリナ・ピオマルス キー 第8話[あ る過去に
関する物語]-あなた
は隣人について、偽証してはな
らない-(1988)(ポーラン
ド)(57分)-Dekalog 8:
Dekalog, osiem- [ある過去に関する物語]テレサ・ マシェスカetc [ある過去に 関する物語]テレサ・ マシェスカ、マリア・コシャルスカ etc [ある過去に 関する物語]マ リア・コシャルスカ、テ レサ・マシェスカ [ある過 去に 関する物語]マ リア・コシャルスカ [ある過去に関する物語]タデウシュ・ロムニキ、テレサ・ マシェスカ [ある過去に 関する物語]テレサ・ マシェスカ、マ リア・コシャルスカ 第9話[ある孤
独に関する物語]-あなたは他
人の妻を取ってはならない-(1988)(ポー ランド)(61
分)-Dekalog 9: Dekalog, dziewiec- [ある孤独に関する物語]ピオトル・マチャリカ、エワ・ブラシュスク [ある孤独に関する物語]ピオトル・ マチャリカ [ある孤独に関する物語]エワ・ ブラシュスク [ある孤独に関する物語]ピ オトル・マチャリカ、エワ・ブラシュスク [ある孤 独に関する物語]エワ・ブラシュスク、ピオトル・マチャリカ Top 第10話[ある希望に関する物語]-あ
なた は隣人の家をむさばってはならない-(1988)(ポー
ランド)(60
分)-Dekalog
10: Dekalog, dziesiec- [ある希望に関する物語]イェジ・シュトゥール、ズビグニェフ・ザマホフスキ [ある希望に関する物語]ズビグニェフ・ザマホフスキ、イェ ジ・シュトゥール [ある希望に関する物語]イェジ・シュトゥール、ズビグニェフ・ザマホフスキ [ある希望に関する物 語]イェジ・シュトゥール、ズビグニェフ・ザマホフスキ Top 10の挿話はワ ルシャワ郊外の集合住宅の住人であるので、 他の挿話の脇役として登場している。それぞれの人間模様の続編を見ているようだ。 あの人はどうしているのだろう。乗り越えているのだろうか、沈み込んでいるのだろうかと思いを巡らせる。 のちの作品、トリコ ロールのように青(第1話のインクが染み込こ んでいく)、白(第6話 の牛乳瓶が割れ通路に広がる)、赤(第6話の白 い洗面器の中で血が広がってゆく)など不気味に画面に入れ込まれていたり、パソコンの画面 や雪、火なども然りだ。また、窓、ガラス、鏡、穴、壁、庭、車、電話、特に牛乳は頻 繁に効果的に使われている。 それぞれの役割を楽しめるのも1話完結でありながら、続編の要素があるからだろう。 キェシロフスキは「誰でも十戒を道 徳規範の一種として受け入れているように見 える」 「そして誰もがそれを破っている。十戒を尊重しようとすることだけで、相当なこと を成し遂げているのだ。『デカローグ』のメッセージをあえて口に出して言わなけれ ばならないとしたら、目を大きく開いて注意しながら生活し、そうして苦痛を引き起 こさないように努めなさいというだろう」と結んでいたと言う。 デカローグ クシシュトフ・キェシロフスキ ※『デカローグ』はスタ
ンリー・キューブリックなどに称賛され、ロジャー・イーバートやロバート・フルフォードなどの映画批評家も
称賛した。
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