クシシュトフ・キェシロフスキ
   (1941.6.27-1996.3.13) (ポーランド、ワルシャワ生まれ)-Krzysztof:Kieslowski-
プロフィール 独自の作品解釈 年譜

〜プロフィール〜

 お 薦めしたい作品がある。『トリコロール3部作(青の愛・白の愛・赤の愛)だ。
  これはフランス国旗三色の持つ青(自由)、白(平 等)、赤(博愛)の意味をテーマ にキェシロフスキ監督が作った運命と偶然の恋愛物語三部作だ。特に三部作の幕下ろしの『赤 の愛』が素晴らしく、孤独な元判事(ジャン=ルイ・トランティニャン)と純真な女子大生イ レーヌ・ジャコブの出会いによってもたらせられる心理描写が圧巻 だ。この作品で主演のイ レーヌ・ジャコブに惹かれた。それにジャン=ルイ・トランティニャンも渋いいい味を出している。人 生のひだを演じている、絶品だ。

 キェシロフスキ監督の作品が2003/3/8〜4/25まで渋谷のル・シネマで上映 された。『トリコロール3部作(青の愛・白の愛・赤の愛)』『ふたりのベロニカ』『傷跡』『アマチュア』『偶然』『終わりなし』『殺人に 関する短いフィルム』『愛に関する短いフィルム』などでほとんど鑑賞した。
  キェシロフスキ監督は54才で1996年に心臓病で亡くなっている。生前、『ト リコロール 赤の愛』イ レーヌ・ジャコブをイメージして作った」とコメントしていた。ジャ コブの清楚なところに惚れ込んだそうだ。
  その、ジャ コブ『ふたりのベロニカ』でも、いい味を出している。

 そもそも、私がキェシロフスキ監督を知ったのは、1990数年頃に「モーゼの十戒」 をイメージし、一話完結型の連作十話で構成された『デ カローグ』(1987〜1989)を 見てからだった。その中でも第5話[殺人に関する物語]・第6話[愛 に関する物語]に 衝撃を受けた。その第5話のオリジナルバージョンの『殺人に関する短い フィルム』(1987)と第6話のロングバー ジョン『愛に関する短いフィルム』(1988)も上映されたので十分楽しめた。『トリコロール 赤の愛』を 作った後に 亡くなったキェシロフスキ監督程、次回作を期待された人はいないと言われていた。それを感じさせる程、会場 は盛況で上記の日程より1週間追加上映された。今日(2004.6.9)、キェシロフスキ監督の作品がWOWOWで放送されることを知り紹介したくなった。

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〜独自の作品 解釈〜

1988
『デ カローグ』-Dekalog-(1988) (ポーランド)(TVドラマ/全10回)
「モーゼの十戒」をイメージし、一話完結型の連作十話で 構成されている。
第1話[ある運命に関する物語]第 2話[あ る選択に関する物語]第 3話[あ るク リスマス・イヴに関する物語]第 4話 [あ る父と娘に 関する物語]第 5話[あ る殺人に 関する物語]第 6話[ある愛に 関する物語]第 7話[ある告 白に関する物語]第 8話[ある過去に 関する物語]第 9話[ある孤 独に関する物語]第10話[ある希 望に関する物語]
1994
『ト リコロール 赤の愛』-Trois couleurs:Rouge-

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〜年譜〜
[1941][1966 路面電車 役所の窓口][1967 リクエスト][1968 写真][1969 ウッチの街から][1970 私は兵士だった 工場]
[1971 ラリーを前に][1972 我々なき我々はない〜労働者たち 繰り返し  ヴロツワフとジェローナ・グラの間で 銅鉱の安全および衛生の基礎]
[1973 煉瓦工 地下歩道][1974 レントゲン 初恋][1975 ある党員の履歴書 スタッフ][1976 病院 傷跡 カチンコ 平穏]
[1977 私には分からない ある夜警の視点から][1978 種々の年齢の7人の女][1979 アマチュア][1980 駅 トーキング・ヘッズ]
[1981 偶然 短い労働の日][1984 終わりなし][1987 殺人に関する短いフィルム][1988 週7日間 愛に関する短いフィルム]
[1988-89 デカローグ][1991 ふたりのベロニカ][1993 トリコロール3部作/青の愛][1994 トリコロール3部作/白の愛 トリコロール3 部作/赤の愛]
[1996][写真]

1941

6月27日、ポーランド、ワルシャワ生まれ。

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1966

『路面電車』
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ

『役所の窓口』
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ

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1967

『リクエスト』
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ

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1968

『写真』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1969

『ウッチの街から』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1970

『私は兵士だった』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/リシャルト・ズグレツキ

『工場』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1971

『ラリーを前に』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1972

『我々なき我々はない〜 労働者たち』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ/トマシュ・ズィガドゥウォ

『繰り返し』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『ヴロツワフとジェロー ナ・グラの間で』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『銅鉱の安全および衛生 の基礎』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1973

『煉瓦工』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『地下歩道』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/イレネウシュ・イレディンスキ

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1974

『レントゲン』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『初恋』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1975

『ある党員の履歴書』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:ヤヌシュ・ファスティン /クシシュトフ・キェシロフスキ

『スタッフ』
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ

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1976

『病院』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『傷跡』-Blizna-(ポーランド)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-原作:ロムアルド・カラシ
-脚本:ロムアルド・カラシ/ク シシュトフ・キェシロフスキ
-出演:フランチシェク・ピエ チュカ(ステファン・ベドナシュ)


『傷跡』

『カチンコ』
-監督・編集:クシシュトフ・ キェシロフスキ

『平穏』
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ(レフ・ボルスキの小説による翻案)

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1977

『私には分からない』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『ある夜警の視点から』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1978

『種々の年齢の7人の 女』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1979

『アマチュア』-Amator-(1979年モスクワ国際 映画祭金賞(グラ ンプリ))(1979年モスクワ国際映画祭国際批評家連盟賞)(1979年グダニスク映画祭グランプリ) (1979年シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ(グランプリ)賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/イェジ・シュトゥール
-出演:イェジ・シュトゥール(フィリップ)(1979年グダニスク映画祭主演男優賞)


『アマチュア』

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1980

『駅』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『トーキング・ヘッズ』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

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1981

『偶然』-Przypadek-
-監督・脚本:クシシュトフ・ キェシロフスキ(1987 年グダニスク映画祭脚本賞)
-出演:ボグスワフ・リンダ(ヴィテク)(1987年グダニスク映画祭主演男優賞)


『偶然』

『短い労働の日』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:ハンナ・クラル/クシ シュトフ・キェシロフスキ

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1984

『終わりなし』-Bez konca-
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-出演:グラジナ・シャポウォフ スカ(ウラ)/ イェジ・ラジヴィオヴィッチ(アンテ ク)/アレクサンデル・バ ルディーニ(ラブラドル)/ アルトゥル・バルチシ(ダレク)


『終わりなし』グ ラジナ・シャポウォフスカetc


キェシロフスキ・コレクション〜ゆらめく愛の輪郭/ワルシャワからパリへ〜
Bunkamuraを支えるオフィシャルサプライヤー パンフレット 裏表紙 グ ラジナ・シャポウォフスカ

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1987

『殺人に関する短いフィ ルム』-A Short Film About Killing/Krotki film o zabijaniu-(1988年グダニスク映画祭グランプリ)(1988 年カンヌ国際映画祭審査員賞国 際批評家連盟賞)(1988年第1回ヨーロッパ(フェリックス)賞作品賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-出演:ミロスワフ・バカ(ヤツェク)/クシシュトフ・グロビシュ(ピョートル)


『殺人に関する短いフィ ルム』

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1988

『週7日間』
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ

『愛に関する短いフィル ム』-A Short Film About Love/Krotki film o milosci-(1988 年グダニスク映画祭グランプリ)(1988年サン・セバスティアン映画祭国際批評家連盟 賞審査員特別賞全キリスト教会審査員賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ(1989 年ジュネーブ国際映画祭監督賞)
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ(1988年グダニスク映画祭脚本賞)
-撮影:ヴィトルド・アダメク(1988年グダニスク映画祭撮影賞)
-出演:グラジナ・シャポウォフ スカ(マグダ)(1988 年グダニスク映画祭主演女優賞)(1989 年シカゴ国際映画祭主演女優賞)/オラフ・ルバシェンコ(トメク)(1989 年ジュネーブ国際映画祭男優賞)/ステファニア・イヴィンスカ(友人の母)(1988 年グダニスク映画祭助演女優賞)


『愛に関する短いフィルム』グラジナ・シャポウォフスカ

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1988-89

『デ カローグ』-Dekalog/The Decalogue-(1988 年ヨーロッパ映画祭グラン プリ)(1988年フェリックス賞)(1988 年ダンケルク国際映画祭国 際批評家 連盟賞)(1988年サンパウロ国際映画祭国際 批評家連盟賞)(1988 年ストラスブール・シルティグハイム市賞)(1988 年ライン州議会賞) (1989 年ヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞) (1989年ミラノ国際映画祭 Youth&Film賞)(1989年サンパ ウロ国際映画祭一般部門 賞)(1990 年シドニー国際映画祭銅賞) (1990 年ベローナ・キリスト教会協会賞)(1990 年イタリア「ENNIO FLAIANO」協会脚本賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ(モ ントリオール国際映画祭監督部門国際批評家連盟賞)
-「モーゼの十戒」をイメージし、一話完結型の連作十話で構成されている。
第1話[ある 運命に関する物語]第 2話[あ る選択に関する物語]第 3話[あるク リスマス・イヴに関する物語]第 4話 [ある父と娘に 関する物語]第 5話[あ る殺人に 関する物語]第 6話[ある愛に 関する物語]第 7話[ある告 白に関する物語]第 8話[ある過去に 関する物語]第 9話[ある孤 独に関する物語]第10話[ある希 望に関する物語]


『デカローグ』

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1991

『ふたりのベロニカ』(1991 年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞全 キリスト教会賞)(1991年 全米映画批評家教会賞外国作品賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-出演:イ レーヌ・ジャコブ(ベロニカ)(1991年カンヌ国際映画祭主演女 優賞)


『ふたりのベロニカ』イレーヌ・ジャコブ


『ふたりのベロニカ』イレーヌ・ジャコブ

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1993

『トリコロール3部作/青の愛(ヴェ ネチア国際映画祭金獅子賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-脚本協力:アグニェシュカ・ホ ランド/エドヴァルト・ジェブロフキ/スワヴォミル・イジャック
-撮影:スワヴォミル・イジャッ ク(ヴェ ネチア国際映画祭撮影賞)
-編集:ジャック・ヴィッタ(1994年セザール賞編集賞)
-録音:ジャン=クロード・ロ ルー(1994 年セザール賞音響賞)
-音楽:ズビグニェフ・プレイス ネル(1993 年ロサンゼルス批評家協会賞作曲賞)
-出演:ジュリエット・ビノシュ(ジュリー)(ヴェ ネチア国際映画祭主演女優賞)(1994年セザール賞主演女優賞)/ブノワ・レジャン(オリヴィエ)/ フロランス・ペルネル(サンドリーヌ)
- フランス国旗三色の持つ青(自由)、白(平 等)、赤(博愛)の意味を テーマにキェシロフスキ監督が作った運命と偶然の恋愛物語三部作(『ト リコロール3部 作(青の愛・白の愛・赤の愛))の中の一章。


『トリコロール3部作/青の愛』ジュリエット・ビノシュ

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1994

『トリコロール3部作/白の愛
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ(1994 年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞))
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-脚本協力:アグニェシュカ・ホ ランド/エドヴァルト・ジェブロフキ/エドヴァルド・クウォシンスキ
-出演:ジュリー・デルビー(ドミニク)/ズビグニェフ・ザマホフスキ(カロル)/ ヤヌシュ・ガイヨス(ミコワイ)/イェジ・シュトゥール(ユレク)/グジェゴシュ・ヴァルホウ(金 貸し)
-フランス国旗三色の持つ青(自由)、 白(平等)、赤(博愛)の意味をテーマにキェシロフスキ監督が作った運命と偶然の恋愛物語三部作(『ト リコロール3部作(青の愛・白の愛・赤の愛))の中の一章。


『トリコロール3部作/白の愛』ジュリー・デルビー

『ト リコロール3部作/赤の愛(1994年NY批評家協会賞外国映 画賞) (1994年ロサンゼルス批評家協会賞外国映画賞)
-監督:クシシュトフ・キェシロ フスキ
-脚本:クシシュトフ・キェシロ フスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
-脚本協力:アグニェシュカ・ホ ランド/エドヴァルト・ジェブロフキ/ピョートル・ソボチンスキ
-撮影:ピョートル・ソボチンス キ
-音楽:ズビグニェフ・プレイス ネル(1994 年セザール賞作曲賞)
-出演:イ レーヌ・ジャコブ(ヴァランティーヌ)/ジャン=ルイ・トランティニャン(判事)/フレデリック・フェデル(カラン)
-『トリコロール3部作(青 の愛・白の愛・赤の愛)の最終章であり、 これはフランス国旗三色の持つ青(自由)、白(平 等)、赤(博愛)の意味 をテーマにキェシロフスキ監督が作った運命と偶然の恋愛物語三部作の幕下ろしであ る。『青の愛』『白の愛』も秀作だが、『赤 の愛』は特に素晴らしい。 
孤 独な元判事(ジャン=ルイ・トランティニャン)と純真な女 子大生バランティーヌイ レーヌ・ジャコブの出会 いに よってもたらされる心理描写を見事に演出している。 [全 文へ]


『トリコロール 赤の愛』イレーヌ・ジャコブ


『トリコロール 赤の愛』イレーヌ・ジャコブ


『トリコロール 赤の愛』イレーヌ・ジャコブ


『トリコロール 赤の愛』イレーヌ・ジャコブ


『トリコロール 赤の愛』イレーヌ・ジャコブ


キェシロフスキ・コレクション〜ゆらめく愛の輪郭/ワルシャワからパリへ〜
Bunkamuraを支えるオフィシャルサプライヤー パンフレット 表紙 イ レーヌ・ジャコブ

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1996

3月13日、永眠。

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〜写真〜


イレーヌ・ジャコブ、クシシュトフ・キェシロフスキ


クシシュトフ・キェシロフスキ

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※記号[:特に好きな作品 :面白い 作品]

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参 考文献
『デカローグ』
『ト リコロール3部作/赤の愛
イ レーヌ・ジャコブ
監 督
サ イトマップ
映 画ありき2

映画ありき

〜クラシック映画に魅せら れて〜
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