柴田真生子、朝原靖貴、桜井稔 ※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。 監督…小栗康平(キ ネマ旬報日本映画監督賞)(毎日映画コンクール最優秀監督賞)(日 本映画監督 協会新人奨励賞)(芸術選奨文部大臣新人賞) 製作…木村元保 原作…宮本輝(第13回太宰治賞を受賞 した宮本輝の同名小説を映画化) 脚本…重森孝子 出演…田村高廣(板倉晋平)(毎 日映画コンクール主演男優賞) ………藤田弓子(板倉貞子) ………朝原靖貴(のぶちゃん/板倉信雄) ………加賀まりこ(松本笙子)(キ ネマ旬報助演女優賞) ………柴田真生子(松本銀子) ………桜井稔(きっちゃん/松本喜一) ………殿山泰司(屋形舟の男) ………芦屋雁之助(荷車の男) 特に、このシーンは堪らなかった。 以前、黒澤明監督の『生きる』で、志村喬が♪ゴンドラの唱を
雪が降り注ぐ中でブランコに乗って、口ずさんでいたシーンがありグッときて泣いたことが
あった。 しかし、小栗康平監督の『泥の河』は、切ない。
大阪安治川河口が舞台で、河の近くで食堂を営む晋平の息子(のぶ ちゃん)と、廓舟(売春宿)の笙子の娘(銀子)、息子(きっ ちゃん)との出会いと別れが描かれている。 間がいい作品で、子役を含む俳優がそれぞれの魅力を出している。 田村高廣の眼差し、藤田弓子の自然な表情、娼婦役の加賀まりこの美しさ。
戦友を歌うきっちゃんのシーンや、のぶちゃんが舟を追いかけるラストシーン、壁 越しの声のシーンなど効果的な演出だ。 そして、このシーンも素晴らしい。 堪らない。 邦画の子役で思い出すのが、小
津監督の『生
まれてはみたけれど』だ。 |