マリア・シェル
『居酒屋』
(1926.1.15-2005.4.26)
(オーストリア、ウィーン生まれ)-Maria
Schell-
〜プロフィール〜
い
い女優・女である。
マリアで、直ぐ思い出されるのが『居
酒屋』(ルネ・クレマン監督)だ。
彼女は、男につくし、逆らえずによく働く。
ただ、慎ましやかな幸せを求めているだけなのに、男に翻弄されて、すべてを打ち壊さ
れズタズタに打ちのめされてゆく。
そして、遂にアル中に。
ラストシーンの、マリアの表情から、絶望し無気力になり空虚な生活を送っている有様
が伝わってきて、いたたまれなくなった。
『白夜』(ルキノ・ヴィスコンティ監督)も同様、いじらしかった。
※ヘルムート・コイトナー監
督『最後の橋』(1954)でカ
ンヌ映画祭女優賞受賞。ルネ・クレマン『居
酒屋』(1955)でヴェ
ネチア映画祭女優賞受賞。
※54-57年にかけて「フィ
ルム・レヴュー」誌の人気投票第1位。(1995.6.20北島明弘監修『外
国映画人名事典 女優篇』キネマ旬報社 参考)
〜独自の作品
解釈〜
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〜年譜〜
[1926][1952 かくて我が恋は終わりぬ][1954 最後の橋 ナポレオン][1955 青い潮 居酒屋][1956 枯葉][1957 白夜][1958 カラマーゾフの兄弟 女の一生][1959 縛り首の木][1960 シマロン][1961 愛の絆][1965]
[1966][1974 オデッサ・ファイル][1976 ザ・ツイスト さすらいの航海][1978 スーパーマン][1979 ジャスト・ア・ジゴロ][1980 火星年代記(TVM)][1982 サン・スーシの女][1984 サムソンとデリラ(TVM)]
[1986 1919][2005][写真]
1926
…1月15日、オーストリア、ウィーン生まれ。
本
名、Margarete Schell。
父(フェ
ルディナンド・ヘルマン・シェル)はスイスの小説家、母(マル
ガレーテ・ノエ)はウィーンの女優。弟は俳優のマクシミリアン・シェル。
…12才で、スイス映画『Steibruch』にデビュー。
そ
の後、スイスのチューリッヒへ行き演技を学ぶ。
俳
優としての本格的スタートは舞台から。
第
二次世界大戦後、スイスから西ドイツに進出し、ミュンヘン・アンサンブルと共演するなど演技の基礎を身に付
けた。
同
時にオーストリア、西ドイツ、イギリスなどで映画出演を続けた。(1995.6.20北島明弘監修『外国映画人名事典 女優篇』キネマ旬報社 参考)
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1952
『かくて我が恋は終わり
ぬ』-So
Little
Time-(英)
-監督:コンプトン・ベネット
-製作:オーブリー・バーリング
/マクスウェル・セットン
-原作:ノエル・アンリ
-脚色:ジョン・クレスウェル
-撮影:オズワルド・モリス
-作曲・編曲:ロバート・ジル
-美術:エドワード・カーリック
-出演:マリウス・ゴーリング/
マリア・シェル/ガブリエル・ドルジア/バーバラ・ミューレン/ジョン・ベイリー
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1954
『最後の橋』-Die Letzte
Brucke-(オーストリア/ユーゴスラヴィア)
-監督:ヘルムート・コイトナー
-脚本:ヘルムート・コイトナー
/ノルベール・クンツェ
-撮影:エライオ・カルニール
-音楽:カール・デ・グルーフ
-出演:マリア・シェル(カ
ンヌ映画祭女優賞)/ベルンハルト・ヴィッキ/バルバラ・リュティンク/カール・メーナー/ホル
スト・ヘヒラー
『ナポレオン』-Napoleon-(仏)
-監督:サッシャ・ギトリー
-製作:ジルベール・ボカノウス
キ
-脚本:サッシャ・ギトリー
-撮影:ピエール・モンタゼル
-美術:ルネ・ルヌー
-編集:レイモン・ラミー
-出演:ダニエル・ジェラン/レ
イモン・ペルグラン/ミ
シェル・モルガン/サッシャ・ギトリー/ダニエル・ダリュー/ラナ・マルコニ/イヴ・モンタン/ジャン・マレー
/ダニー・ロバン/マリア・シェル/エリッ
ヒ・フォン・シュトロハイム/オーソン・ウェルズ/アンリ・ヴィダル/ミシュリーヌ・プレール/ピエール・ブ
ラッスール/セルジュ・レジアニ
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1955
『青い潮』-Herr uber Leben und
Tod-(オーストリア)
-監督:ヴィクトル・ヴィカス
-原作:カール・ツックマイヤー
-脚色:フレデリック・グランデ
ル/ヴィクトル・ヴィカス
-撮影:イエラン・ストリンドベ
ルイ
-音楽:ハンス・マルティン・マ
イエフスキー
-出演:マリア・シェル/イヴァ
ン・デニ/ヴィルヘルム・ボルヘルト/オルガ・リンブルグ/ヴァルター・ブルーム
『居
酒屋』-Gervaise-(仏)☆
-監督:ルネ・クレマン
-製作:アニー・ドルフマン
-原作:エミール・ゾラ
-脚本:ジャン・オーランシュ/
ピエール・ボスト
-撮影:ロベール・ジュイヤール
-音楽:ジョルジュ・オーリック
-出演:マリア・シェル(ジェルヴェーズ)(ヴェ
ネチア映画祭女優賞)/フランソワ・ペリエ(クポー)/シュジー・ドレール/アルマン・メストラル
-19世紀のパリの裏町を舞台にしたゾラ原作の映画化。
男
につくし、逆らえずによく働く。ただ、慎ましやかな幸せを求めているだけなのに、男に翻弄されて、すべてを
打ち壊されズタズタに打ちのめされてゆく。そして、遂にアル中に。
ラ
ストシーンの、マリアの表情から、絶望し無気力になり空虚な生活を送っている有様が伝わってくる。
い
たたまれない。
そ
の母親に娘が母親を陥れた女と知らずに貰った飴玉をあげようとしているシーンが堪らない。
娘
は母親の顔を覗き込む。
反
応がないので、その飴を自分の口に頬張る。
そ
して、先ほど飴と一緒に貰ったリボンを首に結び窓ガラスに写す。
得意げな表情で走って行く汚れた服の娘ナナに、子供たちが「ナナ!」と呼びながら駆け寄って来てくる。
※『女優ナナ』として続編が出来て1926年(仏)ジャ
ン・ルノワール監督カトリーヌ・エスラン主演、34年(米)ド
ロシー・アーズナー監督アンナ・ステン主演、55年(仏)ク
リスチャン・ジャック監督シャルル・ボワイエ、マルティーヌ・キャロル主演がある。
『居酒屋』マリア・シェル
『居酒屋』フランソワ・ペリエ、マリア・シェルら
『居酒屋』マリア・シェルら
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1956
『枯葉』-Rose Bernd-(西独)
-監督:ヴォルフガング・シュタ
ウテ
-原作:ゲルハルト・ハウプトマ
ン
-脚色:ウォルター・ウルブリッ
ヒ
-撮影:クラウス・フォン・ラウ
テンフェルト
-音楽:ヘルバート・ヴィント
-出演:マリア・シェル/ラフ・
ヴァローネ/ケーテ・ゴールト/レオポルド・ビベルティ/ハンネス・メッセマー
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1957
『白夜』-Le Notti
bianche-(伊)☆
-監督:ルキノ・ヴィスコンティ
-製作:フランコ・クリスタル
ディ
-原作:フョードル・ドストエフ
スキー
-脚本:ルキノ・ヴィスコンティ
/スーゾ・チェッキ・ダミーコ
-撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
-音楽:ニーノ・ロータ
-出演:マルチェロ・マストロヤ
ンニ(マリオ)/ マリア・シェル(ナ タリア)/ジャン・マレー(下宿人)/
クララ・カラマイ/マリア・ザノーリ
『白夜』マリア・シェル、マルチェロ・マストロヤンニら
…ホルスト・ヘヒラー(西ドイツの俳優)と
結婚(65年離婚)。
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1958
『カラマーゾフの兄弟』-The Brothers
Karamazov-(米、MGM)☆
-監督:リチャード・ブルックス
-製作:パンドロ・S・バーマン
-原作:ドストエフスキー
-脚本:リチャード・ブルックス
-撮影:ジョン・アルトン
-音楽:ブロニスロー・ケイパー
-出演:ユル・ブリンナー/マリ
ア・シェル/クレア・ブルーム/リー・J・コッブ/アルバート・サルミ
-ハリウッドデビュー。
『女の一生』-Une vie-(仏)☆
-監督:アレクサンドル・アスト
リュック
-製作:アニェス・ドラエ
-原作:ギイ・ド・モーパッサン
-脚色:ローラン・ローダンバッ
ク/アレクサンドル・アストリュック
-撮影:クロード・ルノワール
-音楽:ロマン・ヴラド
-美術:ポール・ベルトラン
-出演:マリア・シェル/クリス
チャン・マルカン/イヴァン・デニ/アントネラ・ルアルディ/パスカル・プティ
『女の一生』マリア・シェル
『女
の一生』マリア・シェルetc
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1959
『縛り首の木』-The Hanging
Tree--(米、バローダ=ワーナー・ブラザース)
-監督:デルマー・デイヴ
ス
-製作:マーティン・ジュロー/
リチャード・シェファード
-原作:ドロシー・M・ジョンソ
ン
-脚本:ウェンデル・メイス/ハ
ルステッド・ウェルズ
-撮影:テッド・マッコー
ド
-編集:オーウェン・マーク
ス
-音楽:マックス・スタイ
ナー
-出演:ゲー
リー・クーパー(医師/ジョー・フレール)/マリア・シェル/カール・マルデン/ベン・ピアザ/ジョージ・C・スコット
『縛り首の木』マリア・シェル、ゲーリー・クーパー
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1960
『シマロン』-Cimarron-(米、MGM)
-監督:アンソニー・マン
-製作:エドモンド・グレイン
ジャー
-原作:エドナ・ファーバー
-脚本:アーノルド・シュルマン
-撮影:ロバート・サーティース
-音楽:フランツ・ワックスマン
/ポール・フランシス・ウェブスターら
-美術:ジョージ・W・デイヴィ
ス/エディソン・ハー
-編集:ジョン・ダニング
-出演:グレン・フォード/マリ
ア・シェル/アン・バクスター/アーサー・オコンネル/ラス・タンブリン
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1961
『愛の絆』-The Mark-
-出演:/マリア・シェル
1966
…ファイト・レリンと再婚(1988年まで)。
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1974
『オデッサ・ファイル』-The Odessa
File-(米、コロムビア)
-監督:ロナルド・ニーム
-製作:ジョン・ウルフ
-原作:フレデリック・フォーサ
イス
-脚本:ケネス・ロス/マーク・
スタイン
-撮影:オズワルド・モリス
-音楽:アンドリュー・ロイド・
ウェバー
-出演:ジョン・ヴォイト/マク
シミリアン・シェル/メアリー・タム/マリア・シェル
Top
1976
『ザ・ツイスト』-The Twist-
-出演:/マリア・シェル
『さすらいの航海』-Voyage of the
Damned-(英)
-監督:スチュアート・ローゼン
バーグ
-製作:ロバート・フライヤー
-原作:ゴードン・トマス/マッ
クス・モーガン・ウィッツ
-脚本:スティーブ・シェイガン
/デイヴィッド・バトラー
-撮影:ビリー・ウィリアムズ
-音楽:ラロ・シフリン
-編集:トム・プリーストリー
-衣装(デザイン):フィリス・ダルトン
-出演:フェイ・ダナウェイ/オ
スカー・ヴェルナー/マッ
クス・フォン・シドー/マルコム・マクダウェル/リン・フレデリック/リー・グラント/キャサリン・ロス/オー
ソン・ウェルズ/ベン・ギャザラ/ジェーム
ズ・メイソン/ホセ・フェラー/ヘルムート・グリーム/ポール・コスロ/ルーサー・アドラー/フェルナンド・レ
イ/マリア・シェル/サム・ワナメーカー /ウェンディ・ヒラー/ネーミア・パーソフ
Top
1978
『スーパーマン』-Superman-(米、ワーナー・ブラ
ザース)
-監督:リチャード・ドナー
-製作:ピエール・スペングラー
-製作総指揮:イリヤ・サルキン
ド
-原案:マリオ・プーゾ
-脚本:マリオ・プーゾ/デイ
ヴィッド・ニューマン/レスリー・ニューマン/ロバート・ベントン
-撮影:ジェフリー・アンスワー
ス
-SFX:コリン・チルヴァース
/スチュアート・フリーボーン
-音楽:ジョン・ウィリアムス
-美術:ジョン・バリー
-編集:スチュワート・ベアード
-衣装(デザイン):イボンヌ・ブレイク
-出演:マーロン・ブランド/
ジーン・ハックマン/クリス
トファー・リーヴ/ネッド・ビーティ/ジャッキー・クーパー/グレン・フォード/トレヴァー・ハワード/マー
ゴット・キッダー/ジャック・オハローラン
/ヴァレリー・ペリン/マリア・シェル/テレンス・スタンプ/フィリス・サクスター/スザンナ・ヨーク/ジェ
フ・イースト/マーク・マクルーア/サラ・ダ グラス/ハリー・アンドリュース
Top
1979
『ジャスト・ア・ジゴ
ロ』-Just
a
Gigolo/Schoner Gigolo/ armer Gigolo-(西独)
-監督:デイヴィッド・ヘミング
ス
-製作:ロルフ・ティーレ
-脚本:ジョシュア・シンクレア
-撮影:チャーリー・スティンベ
ルガー
-衣装(デザイン):イングリット・ツォーレ
-出演:デイヴィッド・ボウイ/
シドニー・ローム/キム・ノヴァク/デイヴィッド・ヘミングス/マリア・シェル
Top
1980
『火星年代記』(TV映画)
-出演:/マリア・シェル
Top
1982
『サン・スーシの女』-La Passante du
Sans-Souci-(仏/西独)☆
-監督:ジャック・ルーフィオ
-製作:レイモン・ダノン
-原作:ジョゼフ・ケッセル
-脚色:ジャック・ルーフィオ/
ジャック・キルスネル
-撮影:ジャン・パンゼル
-特殊メイク:ジャン・ピエー
ル・エイシェンヌ
-音楽:ジョルジュ・ドルリュー
-歌:タリラ
-美術:ジャン・ジャック・カジ
オ
-出演:ロ
ミー・シュナイダー(ミシェルの妻エルザ/マックス・ボームスタインの妻リナ)二役/ミシェル・ピッコリ(マックス・ボームスタイン)/ヴェンデリン・ヴェルナー/ヘルムート・グリーム(ミシェル)/マリア・シェル
『サン・スーシーの女』ロミー・シュナイダー
Top
1984
[サムソンとデリラ](TV映画)
-出演:/マリア・シェル
Top
1986
『1919』
-出演:/マリア・シェル
Top
2005
…4月26日、肺炎のためオーストリア・ケルンテン州の自宅で死去。
Top
〜
写真〜
マ
リア・シェル
※
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