倍賞千恵子～倍賞千恵子の♪さくら貝の歌清らかな倍賞千恵子の♪さくら貝の歌に涙して～ /NEWSトーク(音楽・唱歌)

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倍賞千恵子
-Chieko Baisho-
< 唱歌♪さくら貝の歌>

更新　2008/3 /14 18:47

倍賞千恵子の♪さくら貝の歌

◆清らかな倍賞千恵子の♪さくら貝の歌に涙して。

1973　倍賞千恵子ベスト20　LP　キングレコード株式会社より

　倍賞千恵子が歌う♪さくら貝の歌が好きだ。
　清らかな歌声で土屋花情の詞を胸に心地よく沁みこませてくれる。
　前奏が流れるだけで涙ぐんでしまう八洲秀章作曲、山田耕筰の編曲の哀愁を帯びた美しいメロディーは彼女が歌うことでより響いてくる。
　元々、唱歌が大好きなこともあるだろうが、倍賞千恵子が歌う♪さくら貝の歌は若かりし日の想い出と重なり、特に惹かれる。

　娘の頃から、よく聴いている♪さくら貝の歌のレコードを掛ける。
　美しい前奏の後に澄んだ倍賞千恵子の歌声が流れる。
「うるわしき　さくら貝ひとつ
去りゆける　君にささげん
この貝は　去年の浜辺に
われひとり　ひろいし貝よ

ほのぼのと　うす紅染むるは
わが燃ゆる　さみし血潮よ
はろばろと　かよう香りは
君恋うる　胸のさざなみ

ああ　なれど　わが思いは儚なく
うつし世の　なぎさに　果てぬ」
　清潔感に包まれた、詩情あふれる彼女の歌声が心に沁み入り、また涙が溢れ出た。
　彼女の詩を大切に歌い伝えるから、何時聴いても胸が一杯になるのだろう。

　また、♪ラスト・ダンスは私とを歌う彼女も好きだ。
　さすが、元SKDと思わせる切れのいいダンスと共に楽しませてくれる。

　倍賞千恵子は吉永小百合と人気を二分した女優として映画界でその名を轟かせ各賞を受賞している。
　『駅　STATION』(1981)や『家族』(1970)、『霧の旗』(1965)、それに『男はつらいよ』シリーズ[1969-2019(1997 と2019の特別編を含む)全50作]の不肖の兄を優しくつつむ妹、さくら役などどれもよく、好きだ。
　声優などでも活躍している。
　また、舞台でもミュージカル『スカーレット』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『キスミー・ケイト』など多数出演している。
　だが、やはり思わず口ずさんでしまう唱歌を歌っている彼女が一番好きだ。
　清らかに、四季の彩り、懐かしき故郷や旅の思い出、青春の輝きと恋、そして異国情緒を心に心地よく届けてくれるからだ。

　彼女は♪下町の太陽♪さよならはダンスの後に♪わすれな草をあなたに♪さくら貝の歌などのヒット曲があり、1985年より博品館劇場、パルコ劇場、シアターアプルと続けてリサイタルを開き、1990年よりコンサートを延べ100ヶ所以上続け大好評を得ているという。
　彼女の歌声が今日も何処かで癒し続けているのだろうと思うだけで、何だか嬉しくなる。

※♪さくら貝の歌は、 1949年(S.24.7)、NHKのラジオ歌謡に登場してヒットした曲だそうだ。
1943年(S18)に完成していた。八洲は病で失った恋人の面影を抱いて鎌倉に住み、浜辺で見た光景に託して“わが恋の如く悲しさやさくら貝かたひらのみのさみしくありて”の和歌を作った。これを逗子町役場に勤める友人花情に示して作詞を依頼、曲をつけた。「さくら貝の歌」の成功につづき八洲は「あざみの歌」「マリモの歌」と次々とヒットを飛ばした。34年レコード大賞童謡賞、52年内村直也文化賞を受賞したが、60年12月山ノ内の自宅で70年の生涯を閉じた。(鎌倉朝日2000年5月2日号「かまくら今昔抄35 -様々なさくら貝の歌-」より　抜粋)