ベストフレンズ
キャンディス・バーゲン、ジャクリーン・ビセット
☆ → 〜1959 年〜〜1969年〜〜パーティー〜〜1975年〜〜1981年〜〜GO!〜〜別れ〜〜全壊〜〜祝賀パーティ〜〜反省〜〜人肌〜〜復活〜 ←
記号[☆:スタッフ・キャスト →: 始めに ←:終わり
に]
(1981)(米)-Rich and Famous-
監督…ジョー
ジ・キューカー
製作…ウィリアム・アリン
原作…ジョン・ヴァン・ドルーテン
脚本…ジェラルド・エアーズ
撮影…ドン・ピーターマン
音楽…ジョルジュ・ドルリュー
美術…フレッド・ハープマン
編集…ジョン・F・バーネット
衣装デザイン…セオニ・V・アルド リッジ
出演…ジャ
クリーン・ビセット(純文学の新進作家/リズ・ハミルトン)
………キャンディス・バーゲン(メリー・ブレイク)
………デイヴィッド・セルビー(ダグ)
………ハート・ボックナー(ローリングストーン誌の記者クリス/クリスト
ファー・アダムス)
………メグ・ライアン(メリーの娘/デビー)
………スティーヴン・ヒル
Top
“女
性を上手く演出す る事にかけては右に出る者なし”といわれていたジョー
ジ・キューカー監督が人肌のぬくもりを随所に感じさせた作品で、彼の遺作にな
る。
Top
〜1959年〜
スミス大
学の学生リズ(ジャクリーン・ビセット)のルームメイトのメリー(キャンディス・
バーゲン)が、カレッジをこっそり抜け出して恋人ダグ(デイヴィッド・セルビー)とカリフォル
ニアに向かう。
そ のメリーたちをプラット・ホームで複雑な心境で見詰めるリズ。
実 はダグはリズの元彼でプロポーズされたのを拒んでいた経緯があった。
そ
れでも、親友の幸せを願い快く見送るリズに、メリーは部屋から持ち出した二人の友情の証である熊の縫ぐるみ を「私の代りよ」と渡して去って行った。
Top
〜1969年〜
新進作家
となって名声を得ているリズ(ジャクリーン・ビセット)が
招待された加州大学ロスアンジェルス校の野外で 演説をしている。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
そのリズ
の講演を1人娘デビーを連れて、聞きに来ているメリー(キャン
ディス・バーゲン)。
『ベス
トフレンズ』キャンディス・バーゲン
メリーは 夫ダグ(デイヴィッド・セルビー)と
1人娘と平凡で幸せな生活を送る主婦になっていた。
異 なる人生を送っていても二人の友情は変らないままであった。
Top
〜パーティー〜
リズが加
州大学に招待された機会にマリブ海岸にあるメリーの家を訪ねてきた。
家 を見せて回るメリー。
砂 浜から嬉しそうに駆け寄ってくるダグ。
そ れを見詰めているリズ。
メリーは
名士となったリズが訪ねてきたチャンスを活かそうと、有名人を呼びパーティー を開く。
リ
ズは20代前半に出した最初の小説で世間の注目を集め米国作家賞を受賞していた。
そ
れ以後も随筆で脚光を浴び第2作目の小説を待望される新進作家となっていたのだ。
だ
が、苦い体験もしていた。
立
ち直れないリズは100頁に5年も要すというよう
に筆が進まないでいた。
心
身を休めたいと思って親友を訪ねたリズの意に反するパーティーであったが、メリーを立てて参加していた。
そ
のリズを妻メリーに付き合わされて参加していたダグが海辺に誘う。
こ
れまでのことを訊ねるダグに、苦い体験を打ち明けるリズ。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
美しい景色をバックに腰掛けている二人の脚は触れそうで触れない距離で向かい合っ
ている。
リズと
ダグの微妙な関係が演出されている映像である。
『ベス
トフレンズ』デイヴィッド・セルビー、ジャクリーン・ビセット
二人が
帰ってくるとメリーだけポツリと腰掛けて菓子を齧っていた。
ダ グ…「パーティーは?」と 聞くダグ。
つ まらなそうに、
メ リー…「終わったわ」と 言うメリー。
驚 き、
リ ズ…「ごめんなさい」と 謝るリズ。
メ リー…「この世界は想像
力たくましいの
夫が妻の親友と消えたら 想像するのよ」と 言うメリー。
呆 れて、
ダ グ…「やっぱり引越そう
付き合い切れない」と 言うダグ。
リ ズ…「私が悪いの」と
メリーに謝るリズ。
モ グモグと菓子を齧り怒りを抑えようとするメリー。
メ リーを見詰めるリズ。
その夜。
ソ
ファーでウイスキーを飲みながらテレビを観ているダグ、テーブルを囲み縫い物をしているメリーと、ウイス
キーを飲んでいるリズ。
三 者三様の行動をとっている。
ダ グが休もうとテーブルの方へ来る。
メ リー…「キスして 許し
てあげる」と 言い、ダグの方に顔を寄せるメリー。
額 に素っ気無くキスするダグ。
メ リー…「やさしく」と 言うメリー。
ダ グ…「やさしいよ」と 言うダグ。
キ スを求めるメリー。
唇 にキスをするダグ。
二 人を見ているリズ。
ダ グに、
リ ズ…「ありがとう ダ
グ」と 言うリズ。
リ ズに、
ダ グ…「ありがとう」と
言い、寝室へ行く。
リ ズ…「おやすみ」
メ リー…「おやすみ ダ
グ」
縫い物を
続けているメリーに、
リ ズ…「メリー ありがと
う」と 言うリズ。
縫 い物をしている手を止め、
メ リー…「何が?」と
リズを見るメリー。
にっ こりして、
リ ズ…「居てくれて」と 言うリズ。
にっ こりして縫い物を続けるメリー。
ウ イスキーをグラスに注ぎながら、
リ ズ…「パリから逃げ帰っ
た時 あなたが居た
批評が発表される前 身を隠す時も
今日のパーティーも」と 言うリズ。
メ リー…「もう忘れて」と
言い、縫い物を続けるメリー。
ウ イスキーを飲み、
リ ズ…「成功したら ミン
クを買ってあげる」と 言うリズ。
メ リー…「セーフルがいい
わ」と 言うメリー。
リ ズ…「分かったわ セー
フルね」と 投げやりに言うリズ。
幾らでも稼げる
世界だと思っているメリーに 呆れたからだ。
驚 いてリズを見て、
メ リー…「ニューズウィー
クに 載ったじゃな い」と 言うメリー。
リ ズ…「破産しても載った
わ」と 言うリズ。
縫 い物の手を止めて、
メ リー…「あなたは有名だ
わ
お金がなくて名声を保つって 大変なことだわ」と 言うメリー。
ウ イスキーを飲みながら、
リ ズ…「あなたは すべて
を持つ女ね
素敵な夫…
可愛い娘
縫い物も出来る」と 言うリズ。
ウ イスキーを飲み続けているリズを上目遣いに見て、
メ リー…「まだ飲む?」と 言うメリー。
リ ズ…「どうして?」と 聞くリズ。
メ リー…「話がしたいの」と 言うメリー。
リ ズ…「飲みながら出来る
わ」と 言うリズ。
リ ズを見て、
メ リー…「あなたの生き方
に 私も鼻が高いわ」と 言うメリー。
リ ズ…「無味乾燥よ」と 言うリズ。
メ リー…「私はどう? 家
で縫い物して
朝 主人を送り出して」と
話し出すメリー。
リ ズ…「ロック・ハドソン
とお茶」と 言うリズ。
メ リー…「皆ただの人よ
各々 悩みを持ってる の」と 言うメリー。
リ ズ…「その話 しま
しょ」と 言うリズ。
メ リー…「たとえばお隣さ
ん」と 話し出すメリー。
リ ズ…「お隣さん? 女性
の憧れの的じゃない」と 言うリズ。
メ リー…「そこが問題なの
スターと幸せとは別 問題よ
よく ここにツナ・サンド食べに来るわ 悩み事多しよ」と 話すメリー。
リ ズ…「何の悩み?」と 聞くリズ。
メ リー…「3回結婚して
どれも失敗
麻薬に溺れてるわ」と
得意げに話すメリー。
呆 れるリズ。
“ここだわ”とばかりに席を立ち何やら取りに行くメリー。
嫌 な空気を感じ別のソファーに腰掛けに行くリズ。
用 紙をドッサリ持ってくるメリー。
メ リー…「ケントの場合は
ね… これがそうよ
最初から読むわね」と
話しを続けるメリー。
腰 掛けていたソファーから振り向いて、
リ ズ…「読む? それ
何?」と 言うリズ。
メ リー…「馬鹿みたいだけ
ど これ小説なの
これ全部」と 言うメリー。
呆 れて、
リ ズ…「凄いわ」と 言うリズ。
メ リー…「文章は素人よ
でも お遊びじゃないわ
近所の連中がうちに来て 海岸に座って…
南部も西部も同じね
皆悩みを私に打ち明けるの 私が聞き上手だから」と 言うメリー。
リ ズ…「それを書いた
の?」と 驚くリズ。
メ リー…「名前は変えた
わ」と 言うメリー。
苛 立ちを抑え、
リ ズ…「それは結構」と 言うリズ。
メ リー…「聞きたい?」と
不安そうに聞くメリー。
リ ズ…「読ませて」
怒っ て読もうとするリズ。
メ リー…「殴り書きだから
私が…」と 恥ずかしそうに言うメリー。
リ ズ…「全部?」と 呆れるリズ。
メ リー…「お願い聞いて
途中で やめてもいい わ
とにかく聞いてよ ね?」と
一生懸命頼むメリー。
リ ズ…「いいわ」と
苛立って言い、メリーの前に座りウイスキーを飲むリズ。
喜 ぶメリー。
リズの名
声を羨んでいたメリーは小説を書 いたといって、リズに読んで聞かせる。
家 事の合間に8ヶ月で完成させたというハリウッドの 暴露小説だ。
それを出版社に見せて欲しいとリズに頼む メリー。
純 文学を書き続けているリズは不快に思い苛立つ。
だ がメリーの頼みを受け入れ原稿を持ち帰る。
ダグがリズを空港まで送る。
タラップを移動するリズを見詰めるダグ。
視線を感じたリズが振り向くがダグは帰ろうとして背を向けていた。
ダグを見詰めるリズ。
それぞれ背に向けられた視線は合わされない。
ここで
も、二人の微妙な関係が演出される。
メ
リーと交際する前にリズにプロポーズを拒まれていたダグであったが、彼女に対する気持ちに変わりはなかっ た。
好 意を持ちながら別れた二人だったのだ。
機内でリ
ズの隣の席になった男が“妻を亡くし
た後だ”と調子のいいこ
とを言って、一人旅のリズに迫る。
ト イレに立つリズの後を追い、リズを抱きトイレのドアを閉める男。
ここからは、ジョー
ジ・キューカー監督の遊び心が満載だ。
トイレのドアが“空き”から“使用中”に。
愛 撫する男。
興 奮するリズ。
客室乗務員のアナウンスが流れる。
ア ナウンス…「間もなくケ
ネディ空港に 到着し ます
席に戻り 禁煙お願いします」
飛行機のフラップが開く。
男 のシャツのバタンを外すリズ。
ア ナウンス…「座席の背も
たれは 真直ぐに立 て」
飛行機のフラップが広がってゆく。
男 の胸にキスをするリズ。
ア ナウンス…「手荷物は座
席の下に お入れ下さ い」
飛行機の着陸装置が固定される。
興 奮する男。
興 奮するリズ。
ア ナウンス…「この音は着
陸装置固定の音です
飛行に異常ありません」
声 を上げるリズ。
飛行機の車輪が滑走路に着地する。
声 を上げるリズ。
エンジンが逆噴射する。
興 奮する男とリズ。
声 を上げる男。
ア ナウンス…「この音はエ
ンジン逆噴射の音です
飛行に異常ありません」
キ スする二人。
ア ナウンス…「乗員一同に
代わり ニューヨーク へのお越しを歓迎します
お疲れさまでした」と、
いう風になる。
“お
楽しみいただけたかな”という監 督の声が聞こえてきそうだ。
Top
〜1975年〜
皮肉なこ
とにメリーの暴露小説はベストセラーになる。
メ リーは大衆小説家として時の人となり富と名声を手に入れる。
ベ バリー・ヒルズに移り住むようになったメリーであったが、ダグ(デイヴィッド・セルビー)との間は気ま
ずくなってゆく。
メリーと
の友情を壊したくないリズは、自分に迫るタグを思い留ませようとする。
リ ズとタグの関係を疑うメリー。
二 人の友情が危ぶまれそうになる。
そ の時、友情の証として渡していた熊の縫ぐるみをリズが大切にしているのを見るメリー。
微 笑むリズ。
微 笑み返すメリー。
縫 いぐるみが二人を繋ぎとめた。
ダグ(デイヴィッド・セルビー)はメ
リーと別れてテキサスに行くといい、リズを誘う。
メ リーとの友情を大切にしているリズはダグの誘いを断る。
残っ たリズの膝に手を遣り友情を確認するメリー。
そ れに応えるリズ。
リズに賞
の審査過程を聞き出そうと苛立ち愚痴るメリー。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット、キャンディス・バーゲン
Top
〜1981年〜
ニュー
ヨーク。
12月31日に発表される全国作家
賞の選考会議に出席しているリズ。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
リズは彼
女を尊敬している年下の記者クリス(ハート・ボックナー)と知り合い、愛し合うようになる。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
『ベス
トフレンズ』ハート・ボックナー
私
が好きなシーンだ。
コ
ネチカットの別荘で読書しているリズにコーヒーを入れてくれたクリスの手を握り、リズが無言の礼を言う。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット、ハート・ボックナー
握り返し
たクリスの反応に微笑み、
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット、ハート・ボックナー
そのぬく
もりを頬に持ってゆき、読書を続ける。
こ のシーンだ。
実 にいい。
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット
クリスと
幸せな一時を過ごすリズ。
『ベス
トフレンズ』ハート・ボックナー、ジャクリーン・ビセット
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット、ハート・ボックナー
クリスは
真剣にリズにプロポーズをする。
ク リス…「結婚したいんだ
笑うだろうな」
と。
だ が、息子ほどの年の差を気にして、
リ ズ…「いいえ
誰としたいの?」と 言ってしまうリ
ズ。
ク リス…「誰にでも申込む
と思ってるの?
当ててご覧」と
言い、気を悪くしたクリスは出て行く。
Top
〜GO!〜
クリスの
ことが忘れられないリズは居ても立ってもいられずにメリーに会いに行く。
だ
が、メリーは帰ってこない娘のことと、受賞できるのかということで頭が一杯だった。
やっ
と、リズの様子が変だと気がついて彼女を追うメリー。
恥
じらいながらクリスにプロポーズされたことを話すリズ。
『ベストフレンズ』ジャクリーン・ビセット
リズに“GO!”サインを出すメリー。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲン
Top
〜別れ〜
リズはク
リスにプロポーズを受けることを伝えようとするが連絡がつかない。
焦 るリズ。
電 話が鳴る。
リ ズ…“彼だわ”
急 いで受話器を取るリズ。
メ リーの娘デビー(メグ・ライアン)からだ。
ク
リスはデビーのボーイフレンド、ジンジャーが仮釈放中に問題を起こしたことを相談され、判事に会い手を尽く
しているという。
リ ズは翌日、やっとクリスと店で向かい合う。
が、
デビーとの関係を疑うリズと、真剣なプロポーズをはぐらかされたクリスとでは、もう元に戻れなくなってい た。
そ れをキューカーは映像で見せた。
二 人の前に現れたデビーが立ち去るのを見ているリズ。
そ のリズを見ているクリス。
店 の鏡に立ち去るデビーが映っている。
そ の脇にリズを見ているクリスが映っている。
と いうように。
ク リス…「ロック・バンド
の地方公演に同行する
デビーを助手として連れて行く 予算に入ってるし…」と 言うクリス。
リ ズ…「彼女は家を出た
がってたし 良いと思う わ」と 言うリズ。
頷 くクリス。
リ ズ…「本当よ 素晴しい
わ」と 言うリズ。
ク リス…「そうだね」と 言うクリス。
リ ズ…「1つお願い」と 言うリズ。
ク リス…「何?」と 言うクリス。
リ ズ…「友達で居たいなん
て言わないで 友達に は不向きよ
恋人でなくなれば…」と 言うリズ。
ク リス…「どうして わか
る?」と 言うクリス。
リ ズ…「いろんな意味で私
の方が 大人ですもの ね
いろんな別れを見て来たわ」と 言うリズ。
ク リス…「君に何かを求め
てた」と 言うクリス。
リ ズ…「知ってる」と
言い、涙がこみ上げて来るリズ。
ク リス…「君に燃えた」と 言うクリス。
涙 を堪えて、
リ ズ…「知ってる」と 言い、
「もう1つお願い
インタビューは忘れて 読みたくないわ
2人で素晴しいものを書い た
でも公表するものじゃない」と
搾り出すように言うリズ。
ク リス…「良いこと言う
ね」と 言うクリス。
リ ズ…「イエーツが言った
わ
“年老い 何もすることが
なくなったら
あの本を取り出し ゆっくり読める”」と 言うリズ。
ク リス…「…」
立ち上がり、クリスの肩に手をやり愛しく触れ、額にキスをして店を出て行くリズ。
出て行くリズを見ているクリス。
出て行くリズと、見送るクリスが鏡に映っている。
リズの姿が鏡から消え、リズの手の感触が残っているクリスの切ない表情が脇に映し
出される。
胸を打つ大人の別れ
だ。
Top
〜全壊〜
リズは恋
の痛手を癒そうとニューヨークを去りコネチカットの別荘へ行こうと荷造りをし ている。
そ
こに、娘が家出したと大騒ぎしてメリーが訪ねてくる。
散々、
掻き回していることに気付かないメリー。
無
神経なメリーの言葉はリズの神経を逆なでする。
イ
ライラするリズ。
元々、
ダグが愛していたのはリズである。
娘
デビーもリズを慕っていた。
賞
もリズの時と違って二人受賞となった。
そ
のことを、
メ
リー…「私はいつも人と共有よ
賞も!夫も!娘も!
私だけのものある?」と
言い、リズに絡むメリー。
呆
れて、
リ
ズ…「かんしゃく」と
言うリズ。
メ
リー…「正義の怒りよ」と
声を荒げるメリー。
リ
ズ…「気取らないで」と
言うリズ。
メ
リー…「野良犬のモラル認めろっての?」と
胸の内にあったものを吐き出すメリー。
リ
ズ…「私は認めるわ」と
口論に応じるリズ。
憎
しみを込めて、
メ
リー…「私は叩き出してやる!」と
言うメリー。
リ
ズ…「素直だわ」と
応じるリズ。
憎々
しく、
メ
リー…「蛇とでもセックスするのよ」と
言うメリー。
リ
ズ…「経験ないわ」と
かわすリズ。
メ
リー…「奇跡ね」と
声を張り上げるメリー。
腹
立ち、
リ
ズ…「私は娼婦?」と
言うリズ。
メ
リー…「違うの?」と
挑発するメリー。
リ
ズ…「どう思う?」と
問い返すリズ。
メ
リー…「何人の男と寝た?」と
言うメリー。
怒
りを抑えて、
リ
ズ…「口頭試問?
あなたは何人?」と
言うリズ。
メ
リー…「3人」と
言うメリー。
鼻
で笑い、
リ
ズ…「なるほどね」と
言い、離れようとするリズ。
リ
ズの腕を引っ張り、
メ
リー…「タグの他に何人?」と
喧嘩腰に言うメリー。
苛
立って、
リ
ズ…「水兵3人に騎手が1人
残念ながらタグとは1度も」と
答えるリズ。
メ
リー…「怒ってるわけが
全然わかってないのね!
私の仕事への嫉妬じゃない」と
言うメリー。
リ
ズ…「なんですって!」
苛
立って奇声を発するリズ。
“もうやめて”と言うリズの
悲鳴だが、嫉妬に燃えているメリーの口からは容赦ない攻撃がくる。
リズがタグの気を引いたと思っているから
だ。
メ
リー…「タグに注いだ私の想いを
わかってくれないからよ」と
ヒステリックに言うメリー。
リ
ズ…「わかってるわ」と
言うリズ。
メ
リー…「嘘つき!」と
怒鳴るメリー。
熊
のぬいぐるみを指差し、
リ
ズ…「所有欲よ あの熊の時も」と
言うリズ。
熊
のぬいぐるみを掴み、
メ
リー…「これも私のよ 返して!」と
ヒステリーを起すメリー。
メ
リーを突いて、
リ
ズ…「彼は口答えしないから
憎しみに変わらないのよ」と
意見するリズ。
メ
リー…「そんな女じゃない!」と
否定するメリー。
リ
ズ…「そういう所があるの」と
言い、背を向けるリズ。
メ
リー…「どういう所?
エゴイスト」と
言い、手にしている熊の縫ぐるみでリズの後頭部を叩くメリー。
リ
ズ…「ガァ〜ッ!」
気
が狂わんばかりに奇声を発し、熊の縫ぐるみを取り上げようとするリズ。
剥
きになって熊のぬいぐるみを取り合うメリーとリズ。
熊
の縫ぐるみが引き千切られバラバラになってしまう。
リ
ズ…「NO NO NO」
二
人の友情の証の熊の縫ぐるみの残骸を前に、頭を抱えて泣き出すリズ。
メリーとの友情を壊さないように気を回して
きたことを、全て否定されたことへの悲しみであった。
泣
き出したリズに驚いたメリーは、その場から逃げるようにして立ち去る。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲン、ジャクリーン・ビセット
Top
〜祝賀パーティ〜
リズと口
論の後、全米作家賞のパーティに出席したメリーは空虚な思いにかられる。
ここには心から祝ってくれる人はいないと。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲン
シャンパ
ンを片手に、コネチカットの別荘でひとりで大晦日の夜を迎えようとしているリ
ズのもとにタクシーで駆けつける。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲンら
Top
〜反省〜
別荘の前
でタクシーから降りたメリーは一瞬躊躇するが、照れ隠しに、
メ リー…「あなた
あなた 来たわよ」と 声を張り上げて別荘に近づいて行く。
グ
ラスを片手に暖を取っていたリズが、驚いて声がする方を見る。
“メリーだ”と判ったリズは微笑を浮かべて、
リ
ズ…「どうぞ」と
言う。
部
屋に入ってきたメリーは、
メ
リー…「ニューヨークからタクシーで
いくらだと思う?
90ドルよ チップが5ドル」と
彼女らしい言い回しをしてリズの前のソファーに腰掛ける。
ソ
ファーで寛いでいるリズが上目遣いにメリーを見る。
リ
ズの対応を気にしながら、
メ
リー…「火は気持良いわね」と
言うメリー。
リ
ズ…「…」
メ
リーを見ているリズ。
メ
リー…「グラスある」と
持ってきたシャンパンを持ち上げて言うメリー。
持っ
ていたグラスをテーブルに置き、グラスを取りに行くリズ。
リ
ズを見ながら、
メ
リー…「パーティーが嫌になって」と
言うメリー。
持っ
て来た2つのグラスをメリーの前のテーブルに置き腰掛けるリズ。
グ
ラスにシャンパンを注ぐメリー。
シャンパンの気が抜けていることに気がついたメリーが、
メ
リー…「気が抜けちゃった」と
言いながら注ぐ。
リズの所に行くことだけしか考えていなかっ
たことが演出されている。
気が抜けたシャンパンを注いだグラスをリズに気まづそうに手渡すメリー。
不自然にならないように受け取るリズ。
大喧嘩した後だけにリズも“どういう風に振舞おうか”と思って
いるのだ。
グラスを口に持って行くリズ。
“どのように話を切り出そうか”と思いながらリズを見ているメリー。
思い切って、
メ
リー…「私 謝るの下手なの」と
リズを見て言うメリー。
下ろしたグラスに視線を向けたまま、片方の手を胸に当て動揺を抑えて聞いているリ
ズ。
メリーが勇気を持って謝ろうとしているのが
分かるから。
メ
リー…「謝ったことないの
でも謝らなきゃ」と
言うメリー。
胸に当てていた手をグラスに戻して、
リ
ズ…「いいのよ」と
言うリズ。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲン、ジャ
クリーン・ビセット
メリー…「駄目よ
時にはあなたを憎んでも
口に出すべきじゃなかった
あなたは一番古い友達よ」と
言うメリー。
メリーを見て、
リ ズ…「そして仇敵」と
言い、首を大きく縦に振るリズ。
リズの反応にホッとして、
メ リー…「年が経つと同じ
になってくるの」とにこやかに言うメリー。
メリーを見て、
リ ズ…「私達がそう」と
言うリズ。
メ リー…「そう思う?」と
言うメリー。
リ ズ…「素晴しいわ」と
言うリズ。
メ リー…「そうよね」と
言うメリー。
リ ズ…「一生のうちに し
尽せない程の
ことをして来た
休んで良い頃よ」と 言うリズ。
メ リー…「言い争いもやめ
て」と 言うメリー。
リ ズ…「そう
まず すべきことは」と
愉しむように言うリズ。
メ リー…「何?」と 言うメリー。
リ ズ…「一年休暇とって
ギリシャの島巡り」と 言うリズ。
笑 い顔を見せるメリー。
リ ズ…「私達の名前も言え
ない 島の男と寝る の」と 言うリズ。
“呆れた”という表情を浮かべて、
メ リー…「私には無理よ」と 言うメリー。
リ ズ…「漁夫と」と
悪戯っぽく言うリズ。
驚 きながら、
メ リー…「どうしたら出来
る」と 言うメリー。
グ ラスをテーブルに置き、
リ ズ…「とにかく行って
あとは成り行きまか せ」と 言うリズ。
メ リー…「でも きっかけ
がわからない」と 言うメリー。
リ ズ…「私の作品の中に神
秘的な魅力…
詩を感じる男を求めてた」と
感慨深く語るリズ。
頷 いて、
メ リー…「私もよ」と 言うメリー。
呆 れて“あなたが”と言う表情を見せるリズ。
思 い込みの世界に浸っているメリー。
リ ズ…「今度は身体に感じ
てもらうの 本ではな く」と
力強く言うリズ。
Top
〜人肌〜
頼もしそ
うに聞いていたメリーが時計に目をやる。
リ ズも時計を見る。
間もなく12時だ。
改まった表情でメリーに、
リ ズ…「お願いがあるの」と
言うリズ。
不安そうに、
メ
リー…「何?」と
言うメリー。
ソファーから身を起こして、
リ
ズ…「キスして」と
言うリズ。
驚いて、
メ
リー…「そちらの趣味があったの?」と
恐る恐る言うメリー。
首を横に振って、
リ
ズ…「大晦日よ
人肌のぬくもりを感じたいわ
ここにはあなたしか居ない
キスして」と
言うリズ。
ひとりで大晦日を迎えようとしていたリズ
は、駆けつけたメリーに肌のぬくもりを感じたいとキスを求める。
一瞬躊躇するが、目で同意するメリー。
微笑み手を伸ばすリズ。
応えるメリー。
抱き合う二人。
首筋にキスをして肌のぬくもりを感じるリズ。
『ベストフレンズ』キャンディス・バーゲン、ジャクリーン・ビセット
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〜復活〜
友情の復活を確信した二人は復活を祝いグラスを合わせる。
『ベストフレンズ』ジャクリーン・ビセット、 キャンディス・バーゲン
暖炉の灯りが二人を祝うように照らしている。
『ベストフレンズ』ジャクリーン・ビセット、 キャンディス・バーゲン
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純文学の新進作家リズ役のジャクリーン・ビ
セットが艶っぽくていい。
また、リズを羨むメリー役のキャンディス・バーゲンも中々いい。
「私の顔で生きるのやめて 欲しいってこと」とリズから言われる程、リズの恋人・職業・賞など同じものを欲しがるメ
リーと、高尚な思想を追い求めるリズを対照に置く。
メリーは憧れの世界を手に入れるが目の前の愛する人を失う。
名誉は手に入れるが苦い経験をしたリズは、真実の愛にも身構えて逃がしてしまう。
愛する人を失った二人は、長い年月を共にしてきた友に、これまでの思いを吐き出し大喧嘩をする。
そして、独りになる。
その時に、その存在の大きさに気がつく。
“自分を一番解ってくれる存在であることに”
肌のぬくもりを取り戻したリズとメリーは、そのぬくもりを決して手放さな
いであ ろう。
女の心情を細やかに演出された、この作品を見終わった私も、キュー
カー監督にグラスを合わせたくなった。
“お 見事”と。
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〜写真〜
『ベス
トフレンズ』ジャクリーン・ビセット、
キャンディス・バーゲン
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