新・ ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock Presents-
ジゴロの浴室
-Gigolo-

※ストーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さ い。

記号[☆：スタッフ・キャスト　→： 始めに　←：終わりに]

借金2500ドルの返済を迫られ追い詰めら れたアーサーが、自分に気がある裕福なシルビアと結婚する。
何 の魅力も感じない、嫌なタイプのシルビアとの生活がスタートする。

アーサーが金目当てで結婚したと見抜いているメイド（シルビアに昔から 仕えている）と、何も解っていないシルビアが話している。
シ ルビア…「アーサーに逢った途端に　胸に キューンってきたの〜」と 甘えた声で言うシルビア。
メ イドが、
メ イド…「子供たち(猫)をどう思うかしら」と 不機嫌そうに言う。
シ ルビア…「きっと好きになってくれるはず よ〜
私の　全部が好きだって
言ってくれてるの」と 言うシルビア。
皮 肉っぽく、
メ イド…「お嬢様のお金も好きだって
言ってましたか」と 言うメイド。
シ ルビア…「好きになってもらうほど
お金持っていないわ」と 言うシルビア。
メ イド…「そんなこと言って
まさかあの人に
お屋敷に宝石が隠して あるって
喋ったんじゃないで しょうね」と 語気を強めて言うメイド。
それを立聞きしていたアーサーがニタリとする。
シ ルビア…「勿論　話してないわ
今はまだ
宝石が好きで　集めているって
言っただけ」
メ イド…「ほら　見なさい
やっぱり　喋ったんでしょ
可笑しいと　思ったわ」

いいことを聞いたという表情のアーサー。
シ ルビア…「あの人にも
宝石集める趣味があるって
聞いたから」
呆 れたような表情をしてメイド。
メ イド…「いい趣味ね
人のを取り上げて集め るの」

立ち聞きしていたアーサーは、シルビアが猫を沢山可愛がっているのを上手く利用して宝 石を貰おうとする。
猫 が大嫌いで踏みつけていたアーサーが彼女に「虐待から猫を守る会に寄付する」と言って。
　こ れには笑ってしまった。
アーサーに「胸　キューン」となっているシルビアは簡単に騙されてしまう。
ま んまとダイヤを貰い借金を返すが、シルビアが屋敷に隠しているという宝石を全部欲しくなるアーサー。

折りよく、メイドが親戚の葬式に出ると言って留守にする。
チャンスだと思ったアーサーが、その夜シルビアを殺そうと枕で顔を押さえようとす る。
ふざけているだけと思ってシルビアは燥ぐ。
笑いながら枕で顔を押さえるのを繰り返していたアーサーの手に力が入る。

苦しくなったシルビアが抵抗する。
窒息させようと押し続けるアーサー。
喘ぐシルビア。
それを見ている猫たち。

シルビアの危機を感じたかのように屋敷の猫たちが一斉に、
“ニャーン”と 鳴く。
その声と共にシルビアの息が止まる。

シルビアを殺したものの彼女が生きているかのような動きを見せる猫に、不気味な思 いをするアーサー。
何とか、その猫を捕まえたアーサーは袋に入れてプールに掘り込んでしまう。
これで邪魔されずに宝石が隠されている入口を探せると斧を振り翳しているアーサー の目の前に、びしょ濡れになったあの猫が姿を現す。
猫 を抹殺しようと斧を投げ捨てた拍子に隠し場所の入口にぶつかり、宝石を見つけ出すアーサー。
アー サー…「見つけたぞ　どうだシルビア
勝ったぞ　俺の勝ち だぁ」と 歓喜の声を上げるアーサー。

浴槽に入り、上機嫌でシャンパンを飲みながら音楽を聴いているアーサー。
アー サー…「乾杯だ　可愛いシルビア」

と勝ち誇ったように言い、一気にシャンパンを飲み干すアーサー。
そ して、浴槽の横に置いている宝石を嬉しそうに眺める。

そこに、あの猫が現れる。
“ニャーン”
浴槽の横に置いているカセットデッキに近づき押そうとする猫。
そ れを見て顔を引き攣らせ、
アー サー…「やめろ！〜」と 言うアーサー。
カセットデッキを浴槽に落す猫。
“ビシャン　ジィ　ジィ　ジィ〜”
アー サー…「ああ〜」
感電死するアーサー。
“…”
それを見ている猫。

笑い声が聞こえてくる。
メ イド…「ワッハハハハ　ハッハハハ」
笑 いながらカセットデッキのコンセントをメイドが外す。
メ イド…「ありがとう　お利口さんね
よくやったわ」と 猫に向かって言う。
メ イド…「見事なフィニッシュ　ハッハハ
私がやっても　そうは いかないくらい
ハッハハハハ」
浴 槽の横に置いてある宝石箱を手にして、
メ イド…「フッフフ　ダイヤの光って
何時見ても
うっとりするわね　ハッハハハ」
思 いを巡らすメイド。
「朝一番に　銀行に行く
次がキャデラックのディーガ
あっ　アッハ〜　不動産屋も
人を見下して
“アリゾナの砂漠にでも
家を建てるんですな”って言った男
アッハハハ〜」
そ して、死んでいるアーサーに、
「そうだ　アーサーの ダンナ
あんたにも　お礼を言わなきゃ
いけないわ
私がやりたいことを　代わりに
やってくれたんですも の
感謝してるわ
ありがとう
アッハハハハハ
アッハハハハハ
アッハハハハハ…」と 高笑いし続けるメイド。