ヒッチコック劇場
-Alfred Hitchcock Presents-
兇器
-Lamb to the Slaughter-
        
     アルフレッド・ヒッチコック
※ス トーリーを載せていますので、TV映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。

  帰宅〜〜無視〜〜別れ話〜〜嘆願〜〜職 務質問〜〜検証〜〜グ ラス〜〜推測〜〜推理〜〜チキン〜〜兇器

記号[:始めに : 終わりに] web拍手 by FC2
(1958.4.13)(米) (CBS)(TV映画)-Lamb to the Slaughter-
監督…アルフレッド・ヒッチコック
原作・脚本…ロアルド・ダール
の短編小説『おとなしい兇器』
撮影ジョン・L・ラッセル
出演…バーバラ・ベル・ゲデス(メアリ−・マ ローニー)Barbara Bel Geddes/ ハロルド・J・ストーン(刑事)Harold J. Stone/アラン・レインAllan Lane
ストーリーテラー…アルフレッド・ヒッチコック

 愛する夫が帰宅した。抱きついてキスをする妻に、夫は別れ話を持 ち出す。衝撃を受けたおとなしい妻がとった行動は…

〜帰宅〜

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
嬉しそうに出掛ける準備をしているメアリ−。

『兇器』 バーバラ・ベル・ゲデス
車の音がしてカーテンを開け、手を振るメアリ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
メアリ−…「お帰りなさい」
と言い、抱きつきキスをする
メ アリ−、何故かそっぽを向いている夫。

〜無視〜

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
そっけなくしている夫に、
メア リ−…「あな た どうかしたの?」と言うメア リ−
妻に背を向け椅子の上に帽子を放り出す。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
それを見て、
メアリ−…「また あの事件の事で 責められたのね」と 言うメアリ−

『兇器』
背を向けたまま、グラスにウイスキーを注ぐ夫。
メアリ−…「しばらく 忘れたら そんな姿を見たくないの」と 微笑ながら言うメ アリ−
夫…「…」
メアリ−…「コートぐらい 脱いだらどうなの? 座っ て ひと休みしたら?」と言いながら夫の傍に行き、
メアリ−…「食事の約束も断るわ モリー にはあなたが 疲れてるからって電話するわ
彼女なら分かってくれるわ 夕食は家で食べましょ う」と言う
メアリ−
背を向けたまま、
メア リ−か ら離れる夫。
「いいチキンを冷凍してあるの すぐ用意出来るわ  焼いてる間に 野菜は買ってこられるし…」と言い、キッチンの方へ 向かう
メア リ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
ウイスキーを飲みながらメ アリ−を 見る夫。

『兇器』
振り返り、
メアリ−…「忘れないうちに言っとくわ 今日 占ってもらったの
紐に輪をつけ お腹の上で動かすのよ 男の子ですって」


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
「間違いないそうよ そ の占いは百発百中ですって すごいでしょ」と 嬉すが反応がないので背を向け歩き出すメ アリ−
夫…「どこへ行く?」と言う 夫。

『兇器』
振り向き
メアリ−…「冷凍庫にある肉を取りに」と 言うメアリ−
〜 別れ話〜
夫…「ちょっと 座ってくれ」と 言う夫。
メアリ−…「あなた どうしたって言うの? 何 かあったなら 話して」と言うメアリ−
夫…「ショックかもしれんが 怒らないで聞いてくれ」と 言う夫。
メアリ−…「私が一度だって 怒った事ある?」と 言いながら夫のもとに近寄るメアリ−
夫…「メ アリー 実は別れたいんだ」と言う夫。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
驚くメアリ−
夫…「分かるだろ? もう終わりにしたい」と 続ける夫。
メアリ−…「うそでしょ?」と言うメアリ−
夫…「本気だ
離婚してくれ 結婚したい人がいるんだ そ ういう事なんだよ お互いに愛し合ってる」
と 言う夫。
ショック状態になる
メアリ−
夫…「だから冷静に分別を持って 問題を解決したい」と 続ける夫。
メアリ−…「…」
夫…「離婚手続きは私がする 子供が生まれたら…」と 言う夫。
泣き出しそうになる
メアリ−
夫…「たくさんは無理だが 養育費は払うつもりだ」と 言う夫。
動揺を抑えられずに肩で息をしながら、
メアリ−…「夕食を作るわ」と言うメアリ−
夫…「なんだって?」と首を傾げる夫。
 別れ話をしているのに、何やってるんだという
思いなのだ。
 これまでも、妻のことを分かっていなかったのが演出されている。


『兇器』
メア リ−…「そうよ 夕食を食べて 食 べてほしいの きっと空腹のせいよ」と言いながらト ボトボと冷凍庫に行き、

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
肉を取り出すメアリ−
〜嘆願〜
肉の包みを開けながら、夫の方を見て
メアリ−…「何してるの?」と言 う。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
夫…「出ていく」と言い、準備を している夫。
メアリ−…「あなた いやよ 出ていったりしないで」と 嘆願するメアリ−
夫…「行くよ」と言う夫。

『兇器』
メアリ −…「行かせない 絶対に行かせないわ」と 怒りがこみあげてくるメアリ−
夫…「感情的にならないでくれ」と言う夫。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
メア リ−…「私 本気よ」と 声を荒げるメアリ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
夫…「…」
振り向いて、
「じゃ 止め てみろ」と 挑発し、再び背を向ける夫。


『兇器』
夫への思いがプ ツリと切れる。
手元にあった凍り付いた肉の塊を持ったまま、夫に近寄り、


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
肉の塊を夫の後頭部に向かって振りかざし、

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
直撃する。
 いや、撃退する。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
倒れこむ夫を見るメア リ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
床に横たわっている夫。

『兇器』
肉を持っ たまま呆然と歩き出すメ アリ−
持っている肉に気づき、

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
何時もしている家事の流れのままに、肉をオーブンに入れるメアリ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
キッチンの椅子に座り考え込む。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
横たわっている夫を見るメアリ−

『兇器』
近寄って死んでいることを確認するメアリ−

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
衝動的にやった にしても、何とかしなくてはと考えを巡らし、オーブンを見る。

『兇器』
オーブンの中の肉を確認してスイッチを入れる。
思い立ち、食事の約束をしていた友人に電話する。
メ アリ−…「モリー? 主人が戻ったんだ けど 疲れてるようなの
大変な日だったみたいで…
だから今日は 取りやめても構わない?
そう言ってくれると 思ってたわ 大丈夫よ  ちょっと働きすぎなの
週末には治ってるわ それなら大丈夫よ
分かったわ じゃあね」
とアリバイ工作を する。
買い物に行き、
買って来た野菜やバックを持ち上げ落とし、部屋を荒らす。
 帰って来たら夫が倒れているのを見て驚いたというふうに見せる ためだ。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデスら
そして、警察に電話をする。
メ アリ−…もしもし 警察につないで  急いで」と。
〜 職務質問〜
刑事が、
刑事…「部屋は あなたが 帰って来た時のままですか? 何か触りまし たか」と職務質問する。
俯き
メアリ−…「主人に… 玄関に入ると 主人が倒れてたんです」と 言うメアリ−
表情を覗き込み
刑事…「それから?」と聞く刑事。
メアリ−…「必死で声をかけましたがー その時はもう… それで電話を」と話すメアリ−
メモを取りながら、
刑事…「あなたが出かけたのは どのくらい 前の事ですか?」と 聞く。
メアリ−…「20分ほど前です」と答えるメアリ−
腕時計を見ながら
刑事…「今 6時14分だから 5時55分くらいですか?」と 言う刑事。
メアリ−…「ええ そうですわ」と答える
メアリ−

『兇器』ハロルド・J・ ストーン、バーバラ・ベル・ゲデス
Top
〜検証〜
写真班と鑑識が入ってくる。
刑事…「よし いいか ここは徹底的に調べてくれ」と 指示し、再び職務質問する刑事。
刑事部長も入ってくる。
状況を説明する刑事。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
捜 査状況を見ているメアリ−
刑事…「台所で何か料理を?」と聞く刑事。
振り返って

メアリ−…
「主人の夕食です」と答えるメアリ−
刑事…「材料があったのに なぜ買い物に?」と聞く刑事。
メアリ−…「野菜がなかったので… 肉はいつも たくさん 冷凍してあるんです」と答 えるメアリ−
刑事部長の傍にきて、
刑事…「どうです?」と聞く刑事。
部長…「かなりの骨折のようだ 頭の後ろを一撃されてる」と言う部長。
刑事…「兇器は何ですかね?」と聞く刑事。
部長…「そ うだな 推測だが 何か重い物である事 は確かだ」と 言い、
「だ が とがって 角のある物では ないようだ」と 続ける部長。

刑事…
「どうしてです?」と 聞く刑事。
部長…「見てくれ 頭皮が傷ついてい ない ハンマーとかではなく おそらく こん棒のようなものだ」と手振りを交えながら話す部長。
刑事…「こん棒?」と聞く刑 事。
部長…「そうだ こん棒のように 角 が丸いものだと思うがね」と話す部長。
二人の話を聞いている
メアリ−
 お肉なのにと思いながら聞いている。


『兇器』ハロルド・J・ストーンら
一応の現場検証が終わり、遺体を運び出す。
刑事部長も帰る。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス、ハロルド・J・ストーン

〜 グラス〜
刑事…
「このグラスは調べたか?」と鑑識に確認し、グラスを手に取り臭いを嗅ぐ刑事。
メアリ−
「ご主人は帰宅した時 特に 変じゃなかったのです よね?」と聞く刑事。
メアリ−…「ええ 特には… 疲れてはいましたが」と 答えるメアリ−
グラスを指さし
刑事…「ご主人はお酒を?」と聞く 刑事。
メアリ−…「ええ いつも飲みます」と 言うメアリ−
刑事…「ソーダ割りですね?」と聞 く刑事。
メアリ−…「そうです」
刑事…「氷も入れて 今夜はストレートで コートも着たまま?」と 言う刑事。
メアリ−…「そうみたいです」
刑事…よく考えて下さい ご主人は 帰ってきて まず何をしましたか?」と言い、妻の反応を見る刑事。

『兇器』ハロルド・J・ストーン、バーバラ・ベル・ゲデス
「キスを」と 言うメアリ−
刑事…「待っ てください 失礼ですがー ご主人は何か 考え事をしてませんでした?
あなたからでなく ご主人からキスを?」
と言う刑事。
「彼からです」
メアリ−
刑事…「なるほど その後 向こうに行き ウイスキーを注いだ」と 言う刑事。
チラリとテーブルのグラスを見て頷く
メアリ−
刑事…「いつもなら先にコートを 脱ぎますね」と言う刑事。
メアリ−…「ええ そうです」と言うメアリ−
刑事…「それでも変だ と 思わなかったのですか?」と刑事。
メアリ−…「ただ疲れてるのだと…」
刑事…「ご主人は何か心配事が あったのでは? それが何か分かれ ば 糸口になります」と言う刑事。
メアリ−…「私には分かりませんわ」と 言うメアリ−
刑事…「後は犯行の兇器ですな」と 言い、
刑事…「マ イク 今から外にいる連中と 庭をくまなく探せ 懐中電灯を持ってけ 家の中は私が…」と部下に指示する刑事。
〜 推測〜
「マローニーさん  これは計画的な犯行とは 思えません プロの仕業でもない
カッとなっての犯行でしょう 犯人はたまたま 手元にあった物をつかみー
ご主人にそれを 振り下ろしたのです」


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
メアリ−…「…」
  的を得た推理に動揺するが抑える
メアリ−
刑事…「ですから兇器は元々 この家にあったと思われます 考 えて下さい
この部屋からなくなった物は ありませんか? 兇器になりそうなものです」
と 聞く刑事。
メアリ−…「例えば どんなものです」と とぼけて言うメアリ−
刑事…「こん棒のようなものです」と 言う刑事。
メアリ−…「野球のバットでも いいのかしら?」と 刑事の的を外すメアリ−
刑事…「ええ」と的を得たりと 嬉しそうに言う刑事。
メアリ−…「そういう物はありません」と 言うメアリ−
 例えに出したのがバットだからでもないだろうが
刑事を振り回している
何かかかってこないかと、
刑事…「では ドア止めとかは? 金属の花瓶とか 何か思い付 きませんか?」と続ける刑事。
メアリ−…「考えてみます でも… 全部なんて 思い出せないわ」と 言うメアリ−
メアリ−と一緒に部屋を見て回っても何も出ず、10時過ぎになる。
〜推理〜
疲れて椅子に腰かけている
メアリ−に 奥で休むように言うが、ここがいいと断る。
部下を部屋の端に誘い、
メアリ−を チラリと見て、
刑事…「妙だと思わんか? 争ったように見せかけるため わざと部 屋を荒らしたようだ」と言う刑事。

『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
刑事の方に耳を傾けるメアリ−
刑事…「考えてもみろ ケンカ中にそう うまい具合に 頭の後ろを 殴れやしない」と言う刑事。
部 下…「2人なら可能です」と 言う部下。
刑事…「その通り 犯人は2人だ」
部下…「あるいは 1人が床に倒し その間にもう1人が殴った」
刑事…「い や そ れはない 打撲の痕も擦り傷もない 殴られた痕だけだ それに彼は銃を持ってい た」と言う刑事。
部下…「確かに」と言う部 下。
刑事…「なぜ使わなかったのか? 危険を感じてなかったんだ」と 言う刑事。
部下…「という事は 知り合いの犯行ですか?」と 言う部下。
刑事…「そうだ」と言う刑事。
部下…「女性かも?」と言う 部下。
刑事…「なぜだね」と言う刑 事。
部下…「たいていの男に浮気は 付き物ですからね」と 言う部下。
刑事…「ああ あり得るな」と 言い、メアリ−を 見る刑事。
下を向く
メアリ−
 疑いを持たれかかっているのに、聞き耳を立てているのを見られ るのは不味いから。
刑事…「とにかく兇器を見つける事だ オーブンを消し忘れてる ぞ」と言いながら、部下とオーブンの方へ行く刑事。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
驚いて2人を見るメアリ−
 
兇器の方へ2人が向かっているから。
〜 チキン〜
オーブンを開けながら、

刑事…
「きっと焼きすぎて食えんぞ」と 言い、そっとチキンを取り出す
刑事
美味しそうに焼きあがっているチキンを見て、
「結構 いけそうだ」と 言う刑事。
 つい、本音が出てしまう刑事。

チキンを見て、
部下…「そうですね」と言う部下。
刑事…「不思議な事もあるな」と言いながら照りのいい肉を見て、

『兇器』ハロルド・J・ストーンら
刑事…「普通ならとっくにカリカリだ」と 刑事。
部 下…「そ うですね」と言う部下。
刑事…「大きさで加減も違うのか」と 言う刑事。
部下…「こいつは大きい」と言いな がら肉を見ている部下。
刑事…「確かにでかい」と刑事。
肉談義をしている2人のところにきて、
メアリ−…「火を消して頂戴」と言 うメアリ−


『兇器』ハロルド・J・ストーンら
にっこりして 振り返る2人。
メアリ−…「いい焼け具合でしょ?」と 言うメアリ−
刑事…「ええ」と答える刑事。
メアリ−…「コーヒーでも 入れようと思って… 2人ともお疲れでしょ  私ったら気づかなくて…」とにこやかに言うメアリ−
刑事…「いいえ お構いなく」と言 う刑事。
メアリ−…「こんな失礼は主人がいたら 怒られますわ」と 2人に近寄りながら、
「主人は昔 ご馳走になった時の 話をよくしてまし た
お世話になったらご馳走は 当然ですわ」
と にこやかに言い、焼きあがったチキンを見る
メアリ−
刑事…「それは どうも御親切に」と答える刑事。
 完全に立場が逆転している。どちらが取り締まっているのかというように。


『兇器』
思 い立って、
メアリ−…
「それを食べて頂けるかしら」と 言う
メアリ−
刑事…「それは出来ません」と 言う刑事。
部下…「結構です」と言う部 下。
刑事…「後で何か つまみます」と 言う刑事。
メアリ−…「お願いします でないと 後で捨てる事になります」と 言うメアリ−
部下…「奥さんも ご一緒に?」と 言う部下を見る刑事。
メアリ−…「私は結構ですわ 本当です 他 の皆さんも きっと お腹がすいてますわ
特に寒い外の2人はね」
と言う
メアリ−
にっこりする2人。
「皆さんに伝えて 温かい夕食を作りますわ」と 笑顔になる
メアリ−


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス

 犯行を隠せることでの笑いではない。
 この時点では喜 んでくれることが嬉しいのだ。
 夫には無視された後だけに。
メアリ−…「とても おいしい肉なんです」と 言うメアリ−
〜 兇器〜



『兇器』
「これはうまい」「こ んなのは久々だ」

『兇器』ハロルド・J・ストーンら
「奥さんの分は?」
「要らんそうだ」「じゃあ その端の茶色に 焼けた所を…」
 特に美味しそうに見えた茶色に焼けた所って、夫の頭部を直撃した箇所では…
「骨も犬に貰っていいかな」「ああ どうせ捨てるんだ」「ご 主人は食べ損ねたな」「声がデカい 静かに」
と話 が弾んで美味しそうに食べている刑事たち。
 ” 背に腹はかえられぬ”か。
やっと、現場検証の話題に持って行く刑事。
 「ジャッ ク 何か情報 は?」「ほんの少しね」「兇器はまだ 出ない」「この棒のようなものらしい」「例えば警棒とか?」「3〜4キロの重さのもの らしい」「その重 さじゃ 持って逃げてはいないな」「きっと この家 のどこかだ」「我々 のすぐ目の前かも 知れんな」と。
的を得ていることに気づかず、探している兇器を食べてしまってた刑事たち。


『兇器』バーバラ・ベ ル・ゲデス
隣の部屋で聞いていた妻が、噴き出して笑う。
 それが兇器よとばかりに。

Top

 平凡に過ごしていた主婦が、一 途に愛していた夫の裏切りに遭い、夫に食べさせようとしていた肉で殺害し、その兇器を夫と同じ警察官たちに食べさせる。
 重要な証拠となる兇器を隠滅させ、その警官たちの愚かさを笑うというふてぶてしい女に変貌する。
 何と怖いことだろう。
 だが、平凡な主婦を逆上させ犯行に走らせたのは、誰でもない夫の一言「じゃ 止めてみろ」だった。
 「それを言っちゃおしまいよ」とどこかで聞いた台詞が… チャンチャン。


  ヒッチコックは怖いラストを「運 命のいたずらでしょうか メアリ−・マローニーはー 2番目の夫にも同じ手口で 殺害を企てバレてしま いました 不運にも健忘症の夫がー 冷凍庫の電源を入れ忘れて チキンが柔らかかったのです」とフォ ローしていたが。


アルフレッド・ヒッチ コック
更新2020.4.26

※DVD ヒッチコック劇場 第二集より
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ヒッチコックがデザインしたという似顔絵

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