ウンベルト・D
  
   カロル・バッティスティ

 

記号[☆:スタッフ・キャスト : 始めに] web拍手 by FC2
(1951)(伊)(キ ネマ旬報ベストテン7位)-Umberto D.-
監督…ヴィッ トリオ・デ・シーカ
脚本…チェザーレ・ザヴァッティーニ
撮影…G・R・アルド
音楽…アレッサンドロ・チコニーニ
出演…カロル・バッティスティ(ウンベルト・ドメニコ・フェルラーリ)
………マリア・ピア・カジリオ(マリア)

………リナ・ジェンナーリ(女管理人)

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 僅かの恩給で細々と暮らしなが らも 尊厳を持ち続けている老退職官史に突きつけられる厳しい社会を描いたこの作品は、デ・ シーカの父親に捧げた映画である。
 デ・ シーカが一番好きな作品であったという。

尊厳を持ち僅かの 恩給で愛犬の フライクと細々と 暮らしている老退職官史ウンベルト。 

彼は下宿している建物の17才のお人よしの女中マリアの相談相手として日々を送って いた。
そ のマリアは2人の兵隊と関係していた。
妊娠しているが、
どちらの子供かも分からないような無知な娘 であった。

女 管理人は部屋代のたまったウンベルトを追い出そうと、ウンベルトの部屋をマタ貸しにしてチャンスを待ち構 えていた。

そんなときにウンベ ルトは高熱を 出して慈善病院にはいることになった。
完 治したウンベルトが下宿 に戻ってくると…

 老退職官史ウンベルトと愛犬の結びつきが細やかに演出されている。
  あるシーンの衝撃に胸が締め付けられ言葉を失ってしまった。
  重要なシーンなのでここでは触れないが、止めどなく流れる涙を拭うこともせずに画面に釘付けになった日を今 も忘れない。
  それは小 津監督『生 れてはみたけれど』(1932)や、 ヴィスコンティ監督の『ベリッシマ』(1951)のあるシー ンを観た ときの衝撃と似ていた。
  ワンシーンにすべての思いが注ぎ込まれた演出は、強いメッセージを投げ掛け観客の心を捉える。
  それは観客が“主人公の視線”に立たされているからだ。

※チェザーレ・ザヴァッ ティーニがデ・ シーカの父親をモデルとして書いたものと言われている。
大部分が素人で主演のウンベル トにフィレンツェ大学教授のカロル・バッティスティが請われて出演、マリアには同じく町で発見したマリア・ピ ア・カジリオが出演している。


『ウン ベルト・D』カロル・バッティスティ、マリア・ピア・カジリオ


『ウン ベルト・D』カロル・バッティスティ

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