ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド ※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。 監督…シドニー・ポラック 製作…レイ・スターク 原作…アーサー・ローレンツ 脚本…アーサー・ローレンツ 撮影…ハリー・ストラドリング・ジュ ニア 音楽…マービン・ハムリッシュ(ア カデミー主題歌賞)(ゴー デン・グローブ主題歌賞) 主題曲…♪THE WAY WE WERE 出演…バー ブラ・ストライサンド(ケイティ) ………ロ バート・レッドフォード(ハベル) ………ブラッドフォード・ディルマン(J.J.) ………ロイス・チャイルズ(キャロル・アン) ………パトリック・オニール 私は、この映画を観る前に、ラジオか ら流れて来るペ リー・コモの♪THE WAY WE WEREを聴き、何と素敵な曲だろうと、 うっとり酔いしれていた。この曲が、『追憶』の主題歌と知り、映画を何時か観てみたいと思っ ていた。
そんな折、上映されるのを知った。主演のロ
バート・レッドフォードは好きな男優なので楽しみだったが、バー
ブラ・ストライサンドは当時、好感が持てない女優だったので、ちょっと残念な気持ちだった。
映画が始まり、画面は混み合うバーに移る。
ケイティの手が、ハベルの髪に触れると、回想シーンとなり、そこにストライサンドの
しっとりと美しいハミングが流れてくる。 生き方も考え方もまったく異なる二人は、愛しているがゆえに、将来の幸せを願って 去っていく。 この映画は、1930年代から50年代までの愛の歓 びと哀しみを描いたラブ・ストーリーで、主人公たちの生き方や思想まで追求 した構成のしっかりした作品だ。 ラ
ストシーンでもケイティの手が、ハベルの髪に触れると、オーケストラの演奏による ♪追憶の
メロディーが流れ、暖かく懐かしい共通の想いを胸に抱き合い、見詰め合うケイティの眼
に涙が 滲み、ハベルの辛い心情が心を打つ感動的なシーンになる。 ストライサンドが情感ゆたかにじっくりと歌い込んでいた主題曲♪THE WAY WE WERE(マービン・ハムリッシュ作曲)は1974年のゴー ルデン・グローブ賞とア カデミー主題歌賞を受賞し、映画はアメリカ公開ではコロムビア映画始まって以来の大ヒットと なって、マスコミと興行界から絶賛されたそうだ。 “主演のロ バート・レッドフォードとバー ブラ・ストライサンドは、往年のス ペンサー・トレーシーとキャ サリン・ヘップバーンの 知的なゴールデン・コンビの再来と騒がれた”のも頷ける、イキの合った好演をしている、という訳で私のストライサンドに対するイ メージは一新されたのだ。
彼女は、1962年レコード・アルバムがグラミー賞を獲得し、1968年『ファ ニー・ガール』でア
カデミー主演女優賞を 受賞。 レッ ドフォードも 1980年『普通の人々』でア カデミー監督賞を受賞しているし、『追憶』は、この二人の監督としての成功の基 盤となった作品のように思えてならない。
『追 憶』ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド 『追 憶』ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド『ELLE』(2021.12.17) より
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