《シネマトーク》
『風 と共に去りぬ』ミュージック

-Gone with the Wind Music-
  デビッド・O・セルズニックプロデューサーは、映画化権を入手した時から作品の成功は音楽の出来に かかっていると考えていたそうです。
  それでこの大作を任せられるのはマッ クス・スタイナー以外にはないと思っていたのですね。
 マックス・スタイナー(1888.5.10-1971.12.28)Steiner Maxは、オーストリア、ウィーン生まれです。

  父親はウィーンの劇場支配人です。リヒャルト・シュトラウスが名付け親になっているそうですよ。
  王立音楽院でグスタフ・マーラーの教えを受けたという、音楽エリートなんですね。
  ヨーロッパを中心に主にオペレッタの作曲・指揮で活躍していましたが、1914年に興行王フロレンス・ジーグ フェルドの招きで渡米しています。
  第一次大戦中だったために、渡航は困難で、ほぼ無一文でアメリカに着いたそうですよ。
  ブロードウェイの編曲・指揮で活躍していましたが、29年にミュージカル「リオ・リタ」の映画化の際にハリウッ ドへ招かれています。(2005.12.28『風と共に去り ぬ』誕生70周年記念パンフレット 東京テアトル株式会社 参考)
  ハリウッドで映画音楽の作曲家として活躍し300本以上の作品を手掛けているそうですよ。
  その中の、『男の敵』(36)『情熱の航 路』(42)『君去りし後』(44)ではアカデミー賞を受賞しました。
  また、『避暑地の出来事』(59)のテーマは、 パーシー・フェイスによって編曲され大ヒットしましたね。
  その、♪夏の日の恋は私も大好きでパーシー・フェイスオーケストラの演奏で楽しんでいます。
  リズムがよくて心地よいですものね。
  当時、全米ヒットチャートで1位を獲得していますけど、納得しますね。
  その他にも、『六百万交響楽』(32)『キ ング・コング』(33)『若草物語』(33)『三銃士』(35)『ス タア誕生』(37)『黄昏』(38)『別離』(39)『カ サブランカ』(42)『毒薬と老嬢』(44)『三つ数えろ』(46)『キー・ ラーゴ』(48)『遠い太鼓』(51)『アラモの砦』(55)『ス ペンサーの山』(63)(2005.12.28 『風と共に去りぬ』誕生70周年記念パンフレット 東京テアトル株式会社 抜粋)などがあるそうですよ。
 “ハ リウッド映画音楽の黄金時代を担った高名な作曲家の一人だ”と言われていたのも解りますね。
  マックスは、トーキーの初期に逸早くライトモチーフ形式を採り、主人公に書いたテーマをストーリー の展開に合わせて変奏させているのですね。特にそれまで行われていなかったダイアローグのバックに、より効果的 な音楽をつけ音楽の必要性を更に高めたそうです。そして、フル・オーケストラによるシンフォニック・ ミュージックを映画に持ち込んで成功させたのも彼だったそうですよ。
 『キング・コング』(1933)(PKO映画)がそのスタイルを採った代表的な作品で、同社でマックスと一緒だったセルズニックは、当時 から彼の手腕を高く評価していたのですね。
  その期待通りに永遠の名曲を12週間かけて作曲しています。
 今 では格調高いナンバーとして映画音楽の古典となっていますメインテーマの♪タラのテーマと、4 人の主人公の他、マミー、ジェラルド、ボニー、ベル・ワットリングにもテーマを書い ているのですね。それに、ラブ・テーマ2曲書いたと記されています。(ポリドールレコード CD『「風と共に去りぬ」オリジナル・サウンドトラック』参考)
 ま た、♪デキシー♪ボニー・ブルー・フラック♪メリー・ランド等のフォーク、ミリタリー・ソ ングの数々、♪夢みる人♪スワニー河♪懐かしのケンタッキーの我が家フォス ターの名曲をオリジナルのマテリアルと巧みにミックスしています。
  この莫大な量のスコアを3ヶ月でまとめることは大変な労働で、この間、薬を使ってやっと生き延びていたと言われ ていますよ。
  医者が度々家を訪れて覚醒剤を与えその助けで一気に毎日20時間の仕事を続けることができたそうです。(ポリドールレコード CD『「風と共に去りぬ」オリジナル・サウンドトラック』参考)
  驚きですね。
  更に、ハリウッド最高のオーケストレーター5人のチームによる多大な援助を受けています。
  ヒューゴー・フリードホーファー、バーナード・カーン、アドルフ・ドイチェ、モーリス・ディ・バック、ハイ ンツ・ロームヘルドの面々で、彼等はマックスの考えに従って、彼の手足となっていたそうです。
  彼等の助力も大きかったようですね。
  期限と言うプレッシャーに耐えて、身を粉にして戦い、予定通りに仕上げたマックスも『風 と共に去りぬ』の大ヒットの功労者ですね。(ポリドールレコード CD『「風と共に去りぬ」オリジナル・サウンドトラック』参考)
 
  セルズニック・インターナショナル・ピクチャーズのファンファーレ(アルフレッド・ニューマン作 曲)が響いた後、オハラ家の農園♪タラのテーマがフル・スケールで 広がるオープニングから、
メイン・タイトル♪ タラのテーマ)(Tara Theme - Main Title)
オークス屋敷でのバーベキュー(The Barbecue At Twelve Oaks)
舞踏会(The Ball)
アシュレーとスカーレット(Ashyley and Scarlett)
マミー(Mammy)
アトランタでのクリスマス(Christmas In Atlanta)
南部の荒廃(Fall Of The South)
インターミッション(Intermission Music)
インターミッション(Intermission Music)
シャーマンズ・マーチ(Sherman's March Through Georgia)
アシュレーの帰還(Ashley's Returns From The War)
タラでのスカーレットとレット(Scarlett and Rhett At Tara)
ベル・ワットリングのテーマ(Belle Watling)
レットとボニー(Rhett and Bonnie)
二人の誤解(Scarlett's Fall - Rhett's Remorse)
ボニーの死(Bonnie's Death)
フィナーレ(Tomorrow Is Another Day - Finale)(ポリドールレコード CD『「風と共に去りぬ」オリジナル・サウンドトラック』抜粋)
ま で、マックス・スタイナーのオリジナルの『風 と共に去りぬ』GONE WITH THE WINDのメロディーは見事ですね。

 また、アシュレーの誕生日に歌われていた定番の♪陽気な、いい奴だからや、 スカーレットがベッドでハミングしていたベン・ボルトのメロディーも挿入されています。

更新2006.8.17
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参 考文献
シ ネマトーク『風と共に去りぬ』公開前後
シ ネマトーク『風と共に去りぬ』コスチューム
シ ネマトーク『風と共に去りぬ』出版前後
『風 と共に去りぬ』
ヴィ ヴィアン・リー
ヴィ ヴィアン・リーバイオグラフィー
洋 画
シ ネマトーク

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〜クラシック映画に魅せら れて〜
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